「型を破った作風が、今では型の一つに」超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0型を破った作風が、今では型の一つに

2019年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ハードSFとアイドルとの三角関係ラブストーリーがこんな形で融合を果たしたのは、本当にユニークな発展したなと思う。そんな無茶な、と思う瞬間は正直あるのだけど、しかし、クライマックスのミンメイの歌をバックに壮大な戦闘を繰り広げるシーンは何度見ても興奮する。歌とは文化だが、文化は人類の叡智であるというのは最もな話。争いを乗り越えるのは文化の力だ、というその主張はとても説得力がある。アイドルソングでいいのか、という点はさておき。
音楽をフィーチャーしたアニメは今では珍しくないが、当時から振付もなかなか本格的だったんだなと再確認した。プロの振付師、牛丸謙の名前がエンドクレジットにもある。飯島真理の歌唱力は当然高いし、今も日本のアニメは同じようなことを続けており、さらに洗練させているのを見ると感慨深いものがある。これぐらい型破りなアイデアの作品がもっと登場してほしいなと思う。

杉本穂高