「お前、何様や思とんのや。お前は壊れもんや」ジョゼと虎と魚たち(2003) shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
お前、何様や思とんのや。お前は壊れもんや
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映画「ジョゼと虎と魚たち(2003)」(犬童一心監督)から。
作家・田辺聖子さんの短編小説の中に書かれている原作も読み、
映画のアニメ作品も観ての感想は、この作品が、一番よかった。
20年ほど前に公開されたけど、今なら「差別表現」で、
ネット上では大炎上してしまうのでは?と思うほどだった。
「足が不自由」というだけの障がいなのに、
世の中と隔離される、本人も仕方ないと諦めるなどなど、
これが少し前までの現状として、私は再認識させられた。
昼間、車椅子で出かけただけで、
「お前、何様や思とんのや。お前は壊れもんや、
壊れもんには壊れもんの分ゆうもんがあるやろ。
世間様に何の役にも立てんのに、
いっちょ前に遊んどるやないがな。バチ、あたるぜ」と、
祖母から叱咤される。
さらに、障がい者自身が生活環境を「深い深い海の底」に例え、
「そこには、光も音もなくて、風も吹かへんし雨も降らへんで、
シーンと静かやねん」と表現した。
「寂しいじゃん」と感想を口にした健常者に対し、
「別に寂しくはない。初めからなんにもないねんもん。
ただゆっくりゆっくり時間が過ぎていくだけや」と付け加えた。
そして「いつか、あんたがおらんようになったら、
迷子の貝殻みたいに独りぼっちで、
海の底をコロコロ転がり続けることになるんやろ。
でもまぁそれもまた良しや」と続けるシーン。
正直、胸が締め付けられるようで、泣けた・・。
「東京2020パラリンピック」で感動した人、必見!!。
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