「大阪万博のころの話?でもガラケー使ってるし…」ジョゼと虎と魚たち(2003) marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)
大阪万博のころの話?でもガラケー使ってるし…
ずいぶん前に話題作だからってWOWOWで録ってあったDVDで鑑賞。アニメ化されるって知って観とかなきゃって感じで鑑賞!切ないラブストーリー。よかったです。まだまだ幼かったころ両親に連れて行ってもらった『大阪万博』のころの物語かな~って感じるくらいいい雰囲気の映画でした。よく知らないけどATGみたいな?!
『こわれもの』なんてひどい言い方、扱い方をされながらも唯一の頼りのおばあと暮らしながら心を閉ざしていたジョゼが大学生の恒夫と出会って変わっていく(成長していく)姿が、そして二人の距離が何とも言えず胸に残ります。
17年も前の作品なんですね。主役のふたり、とてもいい役者さんです。
この前観た『浅田家』での妻夫木聡さんの役どころもそうでしたが、ホントにいい人なんでしょうね。人柄がにじみ出てきてます。
池脇千鶴さんも『半世界』での夫の吾郎ちゃんを助けるいい奥さん、こちらも色々な味のある役柄をこなせるいい女優さんです。
痛~い役どころの上野樹里さんもジョゼをビンタしてから自分の顔も近づけるシーンがなかなかでした。
新井浩文さん『天国の本屋』で初めて知った役者さんでしたがこちらの方が古いんですね。とってもいい味出してたのに、惜しいですね~。
最後の電動車椅子での一人で生きているジョゼの後ろ姿になんだかほっこりするとともに、女性の強さを、またあっさり別れたようで実は大決心の末であることを思わせる恒夫の号泣シーンがとても印象的です。
『差別』という重いテーマを扱ってとても考えさせられる映画でした。『あん』を見た時もそう思いましたが。歳を経て観なおしてみるといいんじゃないかと思いますし、主人公たちと同じ世代で観られたらまた違った感想になったんじゃないかとも思います。
17年後の今さらですが評判にたがわずいい映画でした。