「人は永遠の愛を願う」星に願いを。 髭ジョンさんの映画レビュー(感想・評価)
人は永遠の愛を願う
私は死後の世界のことなどあまり信じていません。と言えば嘘になります。じゃあ、信じているかと言えば、それも曖昧です。要するに、わからないというのが本当です。
と言いながら、映画や小説の世界ではこの映画のようにロマンチックファンタジーがとても好きなのです。
人は死によって愛する人と否応なく別れざるを得ません。
逝く人も残る人も哀切で苦しいものです。本当はできることなら現実の世界でそういう哀しくて寂しい体験はしたくありません。
ところが、映画というものはそういう哀切な出来事を疑似体験することによって感情を浄化してくれるのです。これが映画の真骨頂だと思います。
この「星に願いを。」は、交通事故で亡くなった身寄りのない盲目の天見笙吾が数日間別の人間として生きることを許される。そして甲斐甲斐しく面倒をみてくれた看護師青島奏に自分の思いを伝えるために奔走するというストーリーである。
この映画のテーマは純愛である。
眼の見えない男性は容姿容貌のわからない女を愛します。一方、女性は姿形は別人である男性の心に愛する彼を感じるのです。
やはり、純愛は人を感動させるのです。
ラストで青島奏はやっと姿形は別の人間である天見笙吾が亡くなった天見笙吾であることに気づくのだけれど……
人は生きている間は喜怒哀楽ありますが、愛する者と死に別れるほど哀しいことはありません。
この世は理不尽で無常だということはわかります。
だからこそせめて愛の永遠性を願うのではないのでしょうか。
星に願うのではないのでしょうか……!
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