壬生義士伝のレビュー・感想・評価
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新撰組の話を知らなくても、OK
一言「2時間半、たっぷり堪能」。
2003年作品、とにかくみなさん若い(堺雅人さんが沖田総士役だったり)。
浅田次郎さんの原作も、新撰組のことも知らないので、ふむふむと。
ユニークだなと思ったのが。
原代(明治32年)を生きる人々の、回想シーンで進む話。
主人公・吉村貫一郎が、脱藩してまで新撰組に入った話や、その人柄。
南部訛り(字幕で鑑賞しないとわからん!!)の、優しい言葉の裏に。
脱藩してまでなぜ戦う理由。
同じく新撰組の斎藤一の視線からみる話も。
吉村の人物像を濃く出していて、考えは相反するけど仲間。
愛する人や国を守るため、闘った人たち、残された人たち。
その思いが現代に続いているラストシーン。
この人ここで出てくる・・・!とちょっと驚き。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「見送りの言葉を、言ってはならぬ」
中井貴一と佐藤浩市、渾身の一作。おもさげながんす。
2003年公開。松竹。
相米慎二が亡くなったため、滝田洋二郎が監督を務めた。
脚本は、中島丈博。
主なキャストは、
中井貴一演じる吉村貫一郎、佐藤浩市の斎藤一。
二世俳優の代表格のふたりが、重厚な演技を見せる。
ほかに、三宅裕司、夏川結衣、中谷美紀など。
新選組を軸に据えた、浅田次郎の小説を映画化したもの。
中井貴一、佐藤浩市の役作りが本当に見事だ。
ふたりの代表作と言えるだろう。
吉村貫一郎のぶれない強さを演じた中井貴一に対して、
斎藤一が徐々に吉村に惹かれていく様を佐藤浩市は見せた。
甲乙つけがたい共演だった。
三宅裕司もよく頑張ったが、
中井貴一と佐藤浩市の出来が素晴らしすぎて
相対的には少し物足りなく感じたのだが、
悪いわけではない。
脚本も素晴らしいのだが、
キャスティングが作品を一段高いところへ導いた。
切腹シーンの長さ(くどさ)も、許せてしまう完成度。この域に達する作品は稀有。
名もなき武士の誇り
中井貴一演じる吉村貫一郎という,貧しい武士が本当に魅力的なのだ。タイトルから新撰組で活躍するのかと思ったら、新撰組は彼にとってはお金を稼ぐための会社みたいなものだった。とにかく武士の道に反するのではと思うようなお金へのこだわりなのに、あまりにも飄々としているので,みんな笑ってしまうのだ。かと思うと剣の腕はすごい。それをひけらかすこともなく、ひたすら務める。
そして、一度は脱藩して主君を裏切ってしまったことを恥じ,2度と裏切ることなく新撰組として将軍のために尽くす。自分の大切にする志を貫く姿がとにかくかっこよかった。こういう武士道の話,大好きです。
大切なこと
江戸時代末期、東北のひどい飢饉の最中。
仕える藩の俸禄では、家族皆死んでしまう。
気づいた吉村は、
裏切り者と言われようと、
家族の為に脱藩して、出稼ぎ単身赴任のような
立場で金を稼ぎ仕送りする生活を送る。
仕えた先は新撰組。
凄腕ながら、金のことになると目の色を変え、
隠そうともしない吉村。
幕末、大政奉還もあり、
どちらが官軍となるか薩長との戦い。
いくら腕の立つ者を揃えていようと
銃や大砲には素手と同じ。
降伏を呼びかけられたにもかかわらず、
一人南部武士の義を果たす、と
立ち向かって行ったにもかかわらず、
なぜ、今さら幼馴染の大森に
助けを乞いに行ったのか。
家族に会いたいなら、
なぜ降伏しなかったのか。
義を通し切りながら、
瀕死の今、
最後は
やはり義よりも家族だったのか。
立派な刀は息子に授けてあげたく、
自身の古い刀で。
吉村の名誉の為、
義を通し切らせる為
使いの千秋と佐助は、切腹が吉村の本望と。
息子まで、いや、息子は、
父を一人にさせたくないからと。
家族を思う吉村の最後の願いを聞かず、
名誉の死を遂げさせた大森は、
自分も義を通さねばと考えたのだろう。
新撰組当時の仲間斉藤が、
命も顧みず無鉄砲な存在であったにもかかわらず、
生き延びて可愛い孫を連れ歩くのと好対照。
命を軽く見ていた時代。
義の為に人の命も自分の命もすぐ
亡くしてしまう時代。
義も大切だが、命が大事と思った。
新選組において、近藤、土方、沖田、斎藤は広く知られているが、吉村貫...
新選組において、近藤、土方、沖田、斎藤は広く知られているが、吉村貫一郎は初めて聞いた。
しかも剣の腕は斎藤とほぼ互角。
前半は見応えがあったが、後半はやや間延びした展開で残念。
家族を大事に思っているのであれば、どんなことをしても生き延びてほしかったが。
それにしても中谷美紀が斎藤の「不細工な嫁」という役は無理がある。
人生で初めて泣いた映画
学生の時に一時期新選組にハマっていたことがあり、その時に公開された映画で当時映画館に観に行きました。
とにかく最後は号泣でした。
人生で映画で泣いたのはこの映画が初めてだったので、印象に残っています。
主演の中井貴一さんの演技はさすがでした。
この映画がきっかけで、中井貴一さんのファンにもなりました。
久しぶりにまた観たいなと思います。
中井貴一が素晴らしい
原作も読んで、テレビ版も見ました。
原作からのイメージでは映画の中井貴一さん演じる
主役像が一番近かったように感じます。
実は武士としても人としても高い誇りを持っている人間が
家族のために
卑屈ともとれそうなほどお金の催促をする、
その葛藤を自分にごまかすようななんともいえない笑み。
素晴らしい演技でした。
ただ映画の後半はやたらと泣かせようとしてる流れなのか
独り言の場面も長すぎるし
少し残念な演出でした。
全体として悪くはないんだけれども・・・。
登場人物が多すぎるが故に描ききれてない感が
原作を読んだ上で観たため、
2時間の映画では、物語がおさまらなかったな感があります。
佐藤浩一演じる斎藤一の、狂気、人間臭さ、不器用さ、吉村への羨ましさや嫉妬、うまく表現されていてよかったです。
パッ見はひ弱で金に糸目のない貫一郎、物語が進むにつれて分かる脱藩の理由、父としての姿、義を通す姿、そして命乞いまで、貫一郎のもついろいろな姿を演じ分けていました。
ですが、脚本の影響なのか、途中しづとの関係性が薄っぺらく感じた。そして、中井貴一は役作りなのか頬がいい具合にこけていて、貧乏な感じがしたけど、しづを演じる夏川さんは綺麗ですが健康的な見た目で…本当に貧乏?となってしまいました。
寛一郎と次郎右衛門の関係も薄く感じました。原作では、寛一郎と次郎右衛門の関係性、息子である嘉一郎と千秋の関係性が濃く描かれていたがために、残念。
斎藤一に力点をおいた影響で、家族や次郎右衛門の関係性が薄くなっちゃってました。ここまで斎藤に焦点をあてた理由はなんだろう。
奉天に行く前夜?の回想録という設定はよかったです。原作ではすでに奉天に行った後で千秋が登場するので、原作にはない設定で面白かった。
最後の最後に、佐助がでてきたのもよかった!
原作とリンクしたシーンには、結局、何回か涙しましたw
中井のキャラクターが素晴らしかった。夏川さんも良かった。晩年の佐藤...
中井のキャラクターが素晴らしかった。夏川さんも良かった。晩年の佐藤も。家族思いの優しさと、義を貫く厳しさの両方があることが稀有。役者としても。盛岡弁の優しい語り口も素晴らしい。ただ、やはり2枚目ではない。
いまいち、なんでこの道を取らなくてはならなかったのか、よくわからなかった。貧乏だから、新選組に入って金稼ぐしかなかったという話か?
家族を愛する吉村貫一郎の生き様から目が離せない。中井貴一の名演が光...
家族を愛する吉村貫一郎の生き様から目が離せない。中井貴一の名演が光る。終盤の独演は見事だった。見事すぎて、以後の顛末が蛇足に感じられてしまった。嫁と二男はどうなった?(笑)
佐藤浩市も今作は良かったが私的には二世対決は中井貴一の圧勝。三宅裕司はややミスキャストか(笑)
しかし、よくよく考えれば、大事な家族もただですまぬ重罪の脱藩など選ぶ?もうちょっと他の稼ぎ方があったろうに。
まあ、よき作品。おもさげなござんす。
戦争の予感が迫るなか、どのように生きるのかを考えさせられる映画でした
号泣しました
愛と命と誇りをかけた男の生き方
それが義なのでしょう
ウクライナの戦争、北朝鮮のミサイル
日本も戦争から無関係ではなくなりつつあるように思います
そんななかでどのように生きるのかを考えさせられる映画でした
配役が見事です
特に新撰組の幹部は説明も台詞も無くても一目で誰が誰だかが分かります
違和感のある配役は誰もいません
特に、堺雅人が演じた沖田総司は飛び抜けてはまっています
今までにみた最高の沖田総司だと思いました
新撰組の剣戟の迫力も素晴らしい映像でした
壬生とはもちろん京都の地名
紅葉で有名な嵐山からなら嵐電の市内方面の終点四条大宮駅、または河原町駅から阪急京都線で二駅の大宮駅から西に徒歩10分くらいの辺り
JR 丹波口駅なら北に徒歩10分強の辺りになります
そこに冒頭にでてきた新撰組の屯所があったのです
「新選組発祥の地 壬生屯所旧跡 八木家」として京都市指定有形文化財になっており、見学可能です
そこから南に20分程歩くと、超有名な郭街の島原です
いまでは普通の住宅街で僅かな痕跡が残るのみです
それでも島原の大門、揚屋の角屋、置屋の輪違屋の建物が残っており、見学も可能です
その角屋が、本作の序盤の宴会の場所であったと思われるところです
夜の雨中、斎藤一が吉村貫一郎をいきなり斬りつけるのは、その角屋から屯所への帰り道
おそらくJR 丹波口駅辺りであろうと思います
本作を観て感動されたなら、壬生、島原の散策がお薦めです
近年、島原の立派な料理旅館がリノベーションされて、そこの大浴場がスーパー銭湯として一般にも利用できるようになっています
和食レストランもありますから、散策のあと湯に浸かって汗を流してさっぱりして、食事と酒を召し上がりながら本作のことを思い返すと感動も新たにより深いものになること間違いなしと思います
監督のやる気の無さが出てる
やる気がなくても食べるためには仕方ありませんね。
これは中島丈博氏の作品ですから。
テレビドラマ(みたいな)の脚本で中島節と言える泣かせるシーンを随所随所に配置して盛り上がりをつけています。
つけ過ぎてどこが見せたい山場なのかさっぱり分かりません。多分全部でしょう。
きっと監督はもっと短くしたかったにありません。
短くしたいが切れない脚本でどうにかしようと頑張っています。
やる気がないのに頑張って作って、やる気のある作品の資金を稼いでる、そんな映画です。
素晴らしい。
是非皆さんは星5を付けてください。私は3が限界です。
こういう義にあつい人の多くが命を散らしたのだろうな
原作を昔読んだがほとんど覚えてない。
印象に残ったのは、中井貴一と佐藤浩市の演技だね。
佐藤浩市は本人そのままかと思うし、中井貴一は役柄になりきってる。
方向性は違えど、2人とも名優だろう。
余分なシーン、セリフを省いて、観客に余韻に浸らせる作り方の方がよかったと思う。
素人意見ですが。
新撰組ものは好きなので、観てよかった。
気に入ったセリフ
「ととは地獄も極楽も行かねぞ、お前らのそばにいつもいる」
義とは
時々何を言ってるか聞き取れないけど、南部盛岡のことばがあたたかい。ほぼ回想オン回想で語られる、幕末を家族のために精一杯生きた武士の物語。
幕末、はっきり言って、ぐちゃぐちゃな世の中だと思う。それでも、そんな中で生きていくしかない。何を支えにするか。吉村の場合は義なのだろう。義とは、利害を捨てて、人道、公共のために尽くすこと。そうは言っても、なかなかその通りにできぬのが世の常。吉村は心が強い。
無名の人々が、生きて死んで、その記憶が積もって歴史になる。自分もその一片。
テレ東放送の録画で。
ながやす巧の功績
2時間半近くの長編映画であったが、最後の最後迄緊張感溢れる画面が続く。後にながやす巧が劇画化するこの原作は、個人的にはながやすの迫力ある画力に触れなければこの映画を見てみようとは思わなかったであろう。舞台となる時代も登場人物も正直地味なスポットで、この方面に特別思い入れが無ければ、まず見る事の無い世界であった。そんな自分がこれほど惹き付けられた作品であったと言うことは大いに他の誰にでもお薦めすべき作品と言うことである。この作品で光の当たった土地とそこの人々そして時代が我が事のように目の前に甦る作品であった。
原作は浅田次郎。 「鉄道員(ぽっぽや)」が個人的には好きではない映画なのでちょっと心配だった。浅田次郎の原作は2つしか知らないが、 ほとんどが悲惨な話なのかなあ。
BSテレ東で映画「壬生義士伝」を見た。
劇場公開日 2003年1月18日
2002年製作/137分/日本
配給:松竹
滝田洋二郎47才
中井貴一41才
佐藤浩市42才
夏川結衣34才
中谷美紀26才
山田辰夫46才
堺雅人29才
原作は浅田次郎。
「鉄道員(ぽっぽや)」が個人的には好きではない映画なのでちょっと心配だった。
予備知識なしで見たので、
物語が新選組に関するものだということさえ知らなかった。
吉村貫一郎(中井貴一)は岩手県盛岡・南部藩出身の侍。
おっとりしたお国訛りから田舎くさい人物かと思われたが、
剣を握ればめっぽう強い。
文武両道のかっこいい人物で、
藩主の結婚相手であった、しづ(夏川結衣)を娶るほどのイケメンだった。
その人物がやがて剣では家族を養えなくなる。
妻が口減らしのために入水自殺を企てるありさまだった。
彼は脱藩し、新選組に志願して金銭を得ようとする。
理想と現実の乖離は大きく、吉村貫一郎は落ち武者のように
命からがら京都から藩に逃げ帰る。
脱藩は大罪で、藩主には切腹を命ぜられる。
あれだけかっこよかった映画冒頭とは違い、
ラストは家族とも会うこともなく孤独に絶命する
吉村貫一郎が哀れでならなかった。
浅田次郎の原作は2つしか知らないが、
ほとんどが悲惨な話なのかなあ。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
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