千年女優のレビュー・感想・評価
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時を駆ける乙女
千年女優というタイトルにはピンときませんが、千年女王を連想しました。
愛しい相手にきっと会えると信じて、突っ走る乙女。女優となった彼女は自分の気持ちに正直に走り続け、その姿は観客の感動をも呼びます。
過去から現在、虚構の世界から現実世界と場面が次々切り替わっていく表現方法が素晴らしいです。
一途な恋の切ない物語ですが、作品は、アニメならではの楽しさが詰まっています。
ヒロインに共感しながら観るような作品ではないですが、絵も綺麗だしとにかく見ごたえがあります。
一方で、叶わぬ恋と知りながら、尽くさずにはいられない男。共感するとしたら、こちらです。
評価には関係ないのですが、ポスターの千代子の着物が、正しいのかどうか微妙です。付け下げ?振袖?付け下げにしては柄が豪華で、袖丈が長すぎです。振袖にしては、柄が単調です。私は和裁も出来ないし、服飾史も知らないのですが、たぶん現在はこういうのは無いです。昔はあったのかもしれませんが。
"永遠に夢見る少女の物語…"な映画
ラストのセリフで一気に興醒めにしてしまう稀有な作品でした…笑
「3分前に流した涙を返せ!」って思わず口から出そうになりました笑
結局は、恋に恋している自分が一番好きだなんて…
まっ、いいか…。
1人の女性の一途な愛を表現した感動アニメ。 本年度ベスト!
以前気になっていた作品。
リバイバル上映されていたので迷わずに鑑賞。
引き込まれる展開に合わせ感動の涙が溢れる作品って感じ。
大女優ながら早々と引退し、人里離れた場所で暮らす藤原千代子。
そんな藤原のドキュメント番組を作ろうと小さな製作会社の社長とカメラマンが彼女にインタビューするストーリー。
インタビューをすると思いきや、かつて藤原が出演していた映画の世界に入り込んで彼女の生き様を見させられた感じ。
愛する人を探そうと翻弄する藤原を描いていて、どこまでもその人を見つけようとするシーンを過去の数々の作品で表現。
そんな中に製作会社の社長も作品のキャストとなって協力して行く展開。
焼け野原の壁に書かれた藤原の肖像画とメッセージに泣ける。
出だしの宇宙船の発射シーンが意味不明なんだけど、ラストで出てくる同じシーンで泣けた。
本作は「鍵」だ重要なポイント。
愛する人が落とした鍵を届けようとする藤原。
何を開ける鍵なのか解らなかったけど、その鍵か開けたものに涙(笑)
素晴らしい作品なんだけど、結構笑えるシーンもあり満足度は高かったです( ´∀`)
純愛、いや狂愛ですね💜
ちょっと思い込み強めなストーカー気質ありの麗しい泣きボクロ女子が好きな人に向かって文字通り突っ走る!とにかく走る!走る!走る!でも気持ち良い💕
今敏映画作品これにて四作コンプ✨✨
『東京ゴッドファーザーズ』
『パプリカ』
『パーフェクトブルー』
『千年女優』
この順番で鑑賞。
きっとこの『千年女優』があたしの初今敏作品だったら良さのポイントがブレちゃって刺さらなかったんぢゃないかなって気がする。他を観たからこそわかる良さ💜
千年女優、主役の千代子はもちろんだけど、千代子と共に時代を超える脇を固めるメンバーが愛に溢れていてめっちゃくちゃ好き❤ ❤ ❤
限定上映中にもう一回観に行こうかな。
何とも力強く温かい
こちらも「ゴッドファーザーズ」同様、キネカ大森の没後十年記念上映での鑑賞です。
いや、この二本立ては個人的に本当嬉しかったですね。
現実と回想と空想を時空を超えて紡いだ、何とも幻想的なロードムービー。
主人公が伝説の大女優とあって、登場人物や小物など随所に映画ネタを仕込んでいるのがまず面白い。
また「パーフェクトブルー」と対になったような作りでもあり、虚実曖昧な世界のネガとポジのようです。
あと、これが今敏と平沢進の初タッグ作品でもあるんですよね。
千代子の目を通して映し出された世界は、通り過ぎたどれもが皆真実のような柔らかさがありました。
長い旅の中で繰り返し背中を押される、つまずいてもまた起き上るということ。
ラストの、全てが詰まったような台詞が良いですね。
何とも力強く、そして温かい気持ちになれる作品です。
独白
山奥で家政婦と二人で暮らす往年の千代子。着物や住まい、応接の物腰、全てが往年の大女優の風格を感じさせる。
最後の最後、彼女の最後の独白で、そんな装いが全て剥がれ落ち、これまでのシーンが全く異なる意味を持って繋がっていく。
何て心地よいことか、まさに彼女の独り勝ち。そのセリフを忘れた頃に観に行きたい。
なるほど、と思いながら鑑賞を終えた。
情報無しで鑑賞をした。
ロマンに時空を超えた空想が入り
想いはラストの台詞に繋がる。
ひとつだけ分からないのが
何故あの女性は、たったあれだけの時間で
生涯を通して突き進めるほどの深い愛に入れたのか?
自己暗示としても、そういう感性を持った女性なのか?
幼少の頃からその資質が有ったとは思えず
インタビューで綴る彼女の中の付け足し
思い込みで事実ではない語りならば有りか。
主人公の声のトーンに岸惠子を感じ
ある場面に原節子や高峰秀子を見たが
彼女たちとは明らかに違う。
糸車を回す老婆の登場時は
あっ「蜘蛛の巣城」と思った。
※
もう一度観たい!
戦争映画、時代劇と、ころころ変わる舞台設定。最初はどうなることかと思っていたら、いつの間にか泣かされてしまった。日本映画へのオマージュのためみたいなアニメだが、アニメだから成しえた素晴らしい出来ばえです。特に約束の場所北海道まで走るシーンは最高だ。それぞれどの映画へのオマージュかと考えるのも楽しい。わかんなかったけど(笑)
ラストの千代子の台詞が嫌いだと言う人が多いが、個人的にはピタリ来ていると思います。彼女の言葉は、ずっと隠遁生活を続けてきた自分に言い訳をするために必要だったのでしょう。そして、鍵を失ってしまってから、ずっと死に場所、死ぬ時期を思い悩んでいた結果だと思います。「一番大切なものを開ける鍵」ということが結局は自分の生き様を証明するためのもの、自分を再発見するための箱だったわけですね。そして、嘘がすぐにばれる源也はとうてい俳優にも監督にもなれないと暗示しているところが面白いですね。
とても魅力的なヒロイン
監督つながりで鑑賞。夢(映画?)と現実がゴチャゴチャするの基本嫌いだけど、テンポの良い場面切替と一貫した切なさが対照的。社長・カメラマンが斬新。ヒロインが初々しい学生から自然と歳を重ねる。強いて言えば、ひとりの声優さんに演じて欲しかったかな。
初恋に生きる女優が時代や場面をまたぎ、相手を追い続ける物語。故にラ...
初恋に生きる女優が時代や場面をまたぎ、相手を追い続ける物語。故にラストの台詞がどうにも…と思った。
鑑賞後、解説されたサイトを読むとその深さを思い知らされた。今敏監督の偉大さに初めて気づきました。「東京ゴッドファーザーズ」の人なのね、納得。あれは面白かった。本作もその独特の世界観、作画で夢中になって鑑賞したのは間違いない。が、冒頭のように感じてしまった甘ちゃんな私なので評価は低めです。今敏監督、ごめんなさい(笑)
本作を現実で行なっているのは、小百合様ですかね(笑笑)
BS12
岡田嘉子さんの人生をインスパイアしていると思った。
岡田嘉子さんの人生をインスパイアしていると思った。
監督を含めて、千年持つような人(監督、男優、女優)はいませんね。日本には。
せいぜい、朝ドラの周期で人気が変わる。半年だね。
【”いつか、きっと鍵の人に会うために。”早逝された今敏監督が描き出す、古き邦画を愛する気持ちに溢れた虚構と現実のコンフュージョン映画。ジャパニーズアニメーションのレベルの高さを世界に認めさせた作品。】
ー 今作の、邦画アニメーション界に齎した、衝撃と誇りは筆舌にし難い作品である。
そして、今作や「パプリカ」の製作、公開により世界にジャパニーズアニメーションのハイレベルさを認めさせた、故、今敏監督の偉業には敬服するしかない。-
◆感想
・物語は、伝説とも言われる邦画の大女優、藤原千代子のドキュメンタリーを撮りたいと思った映像製作会社の社長、立花源也が彼女の自宅を訪れる所から始まる。
■この作品の大きな魅力は、今監督の籠絡でもある”虚構と現実”が藤原千代子を慕う立花源也と彼のアシスタントカメラマンが、彼女が主演した数々の映画の中に”虚構”として登場しながら、千代子が慕う”鍵の人”を追う姿であろう。
ー 彼女は、最初は嫌々ながらも、”鍵の人が銀幕に映る自分を見てくれるだろう”と思い、数々の映画に出演して行く・・。
そして、その数々の作品に見合った形で、立花源也が登場し、それを覚めた視点でアシスタントのカメラマンが映し取って行く。
実に、斬新な”虚構と現実のコンフュージョン”である。-
<今作は,その画の美しさと共に、幻想的なストーリー展開に魅入られた作品である。才能ある今監督の早逝が、残念でならない・・。>
■本日、ゴールデン・グローブ賞が発表された。
私が好きな「犬王」は残念ながらトップを取れなかったが、私自身の想いとしては、受賞したギレルモ監督の「ピノッキオ」と比肩する作品であると思っている。
ジャパニーズ・アニメが世界のアニメーション映画に与えた衝撃は、今作を観れば分かる筈である、と勝手に思っている。
良く分からなかった!!
とある女優の若き頃の演技シーンの切り貼りや思い人について語られますが、観客は女優に名の思い入れも無いので、没入しにくいと思います。起承転結の承辺りで終わっていないでしょうか。良く分かりませんでした。
物語の語り方が面白い
終わり方が凄い好み。語り方も普通に考えたら最初から回想パターンになる所を、第三者がインタビューする形での回想にすることでドタバタ、軽さが出て良い。
アニメである意味
公開時に少し話題になっていて、後追いで観たら……、素晴らしかった。
過去と現在、現実と映画世界、それぞれがシームレスかつ縦横無尽に移行しながら一人の人間の人生を描き出す。主人公が役者であることとアニメーションであることがしっかり結びついた演出が素晴らしい。下手に清く正しく美しく、ではないところも人間の奥深さや不可解さがでていていい。
立花さんはかっこいいと思う。
うーん
どこかですごい勧められていたので、ネトフリで鑑賞。何だか意味深なシーンや美しい絵巻物のようなめくるめく幻想的な映像とストーリーなんだけど、最後まで何だかよく分からず共感も出来ず、最後にしっかり伏線回収して腑に落としてくれるものと期待してましたが、まさかのオチ!自分はストーリーやテーマ重視なので伝わってくるものはなかったです。
呪縛の言葉"必ず逢いに行くって…"オム・ファタール運命の男
内容は、名女優に純粋に憧れる映画監督が、女優の引退の30年後再度元女優宅を訪れ元女優の人生の訪れと幕引きを主観と客観目線で描いた作品。好きな言葉は『明日きっと教えて下さいね!』運命の人に気付き鍵の🗝使い方を教えてくれる様に約束を取り付ける場面。ひたむきな少女としての純粋さと共に狡猾で狡さも感じる言葉が印象に残りました。この『いつか』とは心の中だけに存在し現実には訪れる事のない時間とジャン・ルノワールが言う様に呪われた縛りが生む言葉の一つなのかもしれません。好みのシーンでは、自分の未来の姿にも見える糸車を回す老婆の姿が分かりやすくて味がある表現だなと感心しました。『愛しくも憎い』この台詞の絶妙さが好きです。結果的に、"純粋(ロータス)"であり続けたかった名女優の願望は叶えられず、終始純粋な映画監督だからこそ人生の全てを話す気持ちになったのかもなぁと感じると切なくて苦しくて面白いと感じました。映像的な作画も伏線も素晴らしくアップやバックしながら被写体を回り撮影アングルで作画する所は20年前の作品とは思えない程素晴らしかったです。馬は🐎イマイチでしたが、女優の1人語りを映像として見せる所や時折会話の中に映画監督や助手が絡んでくる撮り方は会話の映像化の巧みさを感じ、こんな表現の方法があるんだと感心しました。最後は台詞を全て表現する所が観客をより広げ惹きつけたんだろうと感じました。テーマは『女優も一人の人間です』って感じが伝えたかったのかなと自分ながらに思います。時折見せる主人公の寂しい目に演技と現実の差異がなくなり、夢か現実かの区別のない恐ろしさが描かれていた様に思える。認識論を題材にした面白い作品でした。
褒めるぜ今監督
いよっ!今敏監督!
どっからどこまでが、現実なのか空想なのかさっぱり解らないアニメーション作画。
もう全部が主人公の空想かも?とさえ思わせる映画的マジック。
そこに平沢進のドラッギーで壮大な音楽が乗り、いつ見てもクラクラしちゃう。
これを見に来た!!
これぞ今敏!
なんだけど、根底には人間のちっぽけさ、人の欲が描かれててもう最高なんですよ。
こんなの今敏じゃなきゃ作れないですよ。
実写、アニメ関わらずこれを映画に出来る才能は他に無いですよ。
本当に惜しい人を無くしたと思います。
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