「何度観ても心に染みる不朽の名作を再び劇場で」千年女優 Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
何度観ても心に染みる不朽の名作を再び劇場で
昨年2023年にあった「パーフェクト・ブルー 4Kリマスター」に続く、今敏監督作品リバイバル上映 第二弾
今回も素晴しい体験でした
今監督作品を再び劇場で観る事 自体に大いなる意義を感じます
パーフェクトブルーの時と同じく、観客の半分以上が若い女性の方々、こうやって現代の若者たちと不朽の名作を劇場で一緒に見られる体験自体が私にとってはたいへん貴重で映画ファンとしては感動すらおぼえます
久しぶりに観ましたが、やはり今監督作の絵(画)がすごく綺麗で好きだなあと思ったし、とにかく作品全体からパワフルな勢いを感じ圧倒されます
大女優 藤原千代子がインタビューで彼女の人生を振り返るのを当時の再現映像で表現、しかもその語り方が二重の入れ子構造になっていて、さらにそれが現代と行ったり来たりする見事な構成にあらためて感心、これを20年以上前にやっていた監督に脱帽です
めくるめく千代子の人生を一緒に歩みながら、オープニングからエンディングまで一気に駆け抜ける勢いは何度観ても気持ち良い超疲労感(笑)
そして今回感じたのは、ラストにいろんな役の千代子が連続でフラッシュバックしていく描写が「エブリシング・エブリウェア・オール・アットワンス」でいろんなマルチバースのミシェル・ヨーさんが同じようにフラッシュバックしていく描写そっくりだなあと思いました
やっぱりこれを20年以上前にやっていた今監督の神がかった力量はただ者ではありません
そして、ラストの千代子のセリフは彼女の生きざまそのもので本作の全てを物語っており、「千年女優」というタイトルも心に染みました
何度観てもいいなと思える傑作の劇場リバイバル上映に大満足でした
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