「夢と現を混ぜ合わせる今敏監督の真骨頂!」千年女優 Duchampさんの映画レビュー(感想・評価)
夢と現を混ぜ合わせる今敏監督の真骨頂!
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劇場で初鑑賞。
凄い!どのカットも美しい、カッコいい!
とにかく圧倒的な画力と演出!
鑑賞後は頭の中がグルグルになり放心。
↓上手く言語化出来ないが、この映画で凄いと思った点を書いてみる。
各パートの構成が、
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会話(回想)→男を探そうとする→お局やら諸々トラブルに水を差される→(オッサンに)助けられる→最後は走る!→次の舞台(年代)に!→振り出しに戻る
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という大体同じ展開を繰り返している。
ただ繰り返すのではなく、
舞台を変え、年代を進め(歳を重ねて)、少しずつ千代子の過去を明らかにすることで、ループではなく螺旋的な構造で話が展開していく。展開に音楽のようなある種のリズムが生まれてくる。
各パートの凡庸な会話劇から、ラストの走るシーンにかけ段々とテンポアップし、最後は有無を言わせない超絶作画と演出の力技でグアーっと盛り上げる展開は、正に映画を使ってロックサウンドを奏でているかのようで圧倒されっぱなしだった!
そして各パートの疾走シーン!
背景と作画が圧倒的なのは勿論、
下手から上手へ、ほぼ横一直線のカメラワークに統一することで、ラストの走馬灯シーンで見事に絵が繋がる!
正直、台詞とか会話パートが紋切型すぎやしないか?と思うことはあったにせよ(これはあえて劇っぽくしているのか?)、
兎に角、アニメーションの力で凄い映画を作ってやるんだという、監督の気概が伝わってくるようだ!
これはリアルタイムで劇的で見たかった〜。
本当に惜しい監督をなくしてしまった。
あくまで個人的な意見で、
エンターテイメント長編映画としてアニメを作るのなら、日本では今敏監督を上回る作家はいないのでは、、と改めて思うに至ってしまった。
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