「すごいアニメーション映画だ…。」千年女優 ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
すごいアニメーション映画だ…。
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気になってた作品だったので期間限定のリバイバル上映を機にありがたく鑑賞。結果、劇場で観て正解だった…。
女優であり、一人の男性をひたむきに追い続けた女性、千代子さんの実際の思い出、彼女の出演作のストーリーや演出、そしてインタビューを受けている現実が行ったり来たりしながら混ざり合って進んでいくストーリーと制作者のイマジネーション。圧巻だった…。
宇宙のロケット発射のシーンから始まって、どう話が進むのかと思っていたら終盤に見事にそこを回収し繋げてくる。1本のアニメーション映画作品として本当に素晴らしい。
作中での千代子さんのインタビュアーであり、彼女の過去を知るファンでもある立花とその助手が、彼女の思い出と現在を繋ぐ構図がまたうまいんだよな…。
ともすれば過去に入り込みすぎる千代子さんと立花を、立花の助手がツッコミを入れたりすることで現在のバランスが取れるようになってる構図もうまいなーと驚く。
構成と表現の巧みさに素人ながら感動してしまった。
今敏監督作品は「パプリカ」も観てる人間なんだけど、現実と非現実の境目を消してくるアニメーション表現が本当に上手い方なんだなあと改めて思った。
そして本作はやはり千代子さんという格となる人物がとても素敵だった。
女優としてのシーンもあるために平安から現代までの様々なファッションで登場する彼女は、いつでも脇目も降らずに「鍵の君」を追いかけていて、その目は彼を捉えるために前を向いている。
彼女の澄んだまっすぐな瞳が最後まで印象的だった。
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