劇場公開日 2002年3月9日

「90年代から00年代の閉塞感」自殺サークル hosinomitaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.590年代から00年代の閉塞感

2025年4月18日
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今見るとよくわからない映画かもしれない。けれど90年代から00年代は日本全体が閉塞感に包まれていた。当たり前のように女子高生が援助交際をし、自殺し、会社は倒産し、弱者は見捨てられ、テレビでは豪華な食事が溢れていた。何かを一生懸命になることはダサく、生きることがめんどくさいという空気。もちろんここにオウム真理教も被さってくる。
園子温監督は強烈な妄想や思い込みと、エログロ描くことに長けた監督だ。正直この作品は冒頭のシーンのグロさ以上に目を引くものはないかもしれないし、そう言う空気の上で成り立ったような作品でしかないかもしれない。が、そんな空気を無視して無理矢理希望を描くような映画が多い中でこれが作られたのは稀有である。
が、まぁ、たしかにいろんな断片を寄せ集めてむりやり作り上げた感のある作品ではあった。

hosinomita