劇場公開日 2001年11月10日

「【若く美しい竹野内豊さんを愛でる、エンヤの荘厳な曲とフィレンツェの石畳の街並みと建屋が彩りを添える品性高き作品。そして、"男の顔"について考えるの巻。】」冷静と情熱のあいだ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【若く美しい竹野内豊さんを愛でる、エンヤの荘厳な曲とフィレンツェの石畳の街並みと建屋が彩りを添える品性高き作品。そして、"男の顔"について考えるの巻。】

2025年8月28日
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鑑賞方法:VOD

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ー エンヤの荘厳な曲と、フィレンツェの石畳の街並みと建屋が彩りを添える品性高き作品。-

■美術絵画の修復士を志し、フィレンツェの工房で修行する順正(竹野内豊)。
 別れた恋人・あおい(ケリー・チャン)を忘れられずにいた彼は、ミラノであおいが恋人マーヴ(マイケル・ウォン)と生活を送る姿を見、又修復中の絵が何者かに壊された事で工房が閉鎖され、失意のうちに帰国する。

◆感想<Caution!内容に触れていません!>

・今作は、2001年の公開作だそうであるが、当時は若くお金もなく、恋人(今の奥さん)とデートしたり、ロックコンサートに行っていたので、未観賞であった作品である。
 学生時代は、同級生に映画館の息子が居て、タダ券を沢山もらっていたし、時間も有ったので名画座で多数の映画を観ていたが、社会人になるとそうはいかなかった。

・で、私が竹野内豊さんのファンになったのは、今作から10年後公開の「太平洋の奇跡ーフォックスと飛ばれた男」を観た時からである。
 圧倒的に不利な状況下、玉砕をせずに堂々と戦った男の映画である。そこでの竹野内さんが演じた実在の将校が実に格好良かったのである。

・先日、同じ戦争映画の「雪風 YUKIKAZE」を観た。竹野内さんは、生きて部下、仲間を日本に還す意思を持った船長を演じていた。
 当然、その顔には少し皺が刻まれていたのだが、贅肉は無く眼つきは鋭く且つ優しく、正に”船長”として多数の部下を持つ”男の顔”だったのである。観ていて、ジーンときたのである。

・私は、アンチエイジングという言葉が嫌いである。人間であれば年を取るのは当然である。問題は年の取り方だと思う。運動もせず、食事にも気を遣わずにデブデブと太って、ダイエットと叫んでいるのは、愚の骨頂だと思う。

■ご存じの方も多いと思うが、リンカーンの名言に
 ”40歳になったら、人は自分の顔に責任を持たなければいけない。”というモノがある。至言であると思う。
 同期でも、生き生きと働く人と、年よりも10以上老けて見える、死んだような目でボンヤリと過ごす人がいる。生き方の集約が、40歳を超えると顔に出るという事だと思うのである。

<今作の竹野内豊さんは、若く美しい。とても魅力的であるし、存在感や天鵞絨のようなテノールボイスも、この頃からだったのだな、と確認出来て嬉しかったモノである。
 だが、今作の竹野内さんよりも、齢を重ねた「雪風 YUKIKAZE」で船長を演じた竹野内豊さんの様々な経験を重ねた”男の顔”の方が、私は好きである。>

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