「人が人にできることは、そういうことだけなんじゃと」ホタル shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
人が人にできることは、そういうことだけなんじゃと
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映画「ホタル」(降旗康男監督)から。
近くの川で数匹の「ホタル」を発見し、喜んで帰宅したあとに
この作品を観たので、胸が詰まされる想いがした。
昨年は特に、身近な人たちが突然のように他界したので、
あっ、さっき近くに寄ってきたのは、あの人だったかも・・と
妙に感情移入してまった私がいる。
知覧からの飛び立った特攻隊の1人が、ホタルとなって戻ってきた、
そんなストーリーとは別に、昭和天皇が崩御したのを機に、
雪山の中で自殺をする特攻隊員の生き残りの1人(藤枝)は、
死ぬ前に、戦時中の先輩を訪ねるが、留守で会えず、
結局は、そのまま東北に戻り、自殺してしまう。
悔やむに悔やみ切れないのは、高倉健さん演じる先輩の山岡。
「あん時、俺がここまで来て、話聞いてやったら、
一緒飲んで一緒に泣いてやったら・・。人が人にできることは、
そういうことだけなんじゃと、今になって気がついた」という台詞は、
自殺した人たちや、病気で若くして他界した人たちを思い出すには、
充分なフレーズであった。
「忙しいから・・」を理由に、自分の予定を優先してしまうが、
「頼られた」と感じたならば、どんな用事よりも優先し、
話を聴いたり、一緒に飲んだり、一緒に泣いてやる、
そんな些細なことを実践する気持ちを持ちたい。
人の「温かさ」や「思いやり」こそ、失望した人たちの心を癒し、
自殺を思い留める方法に違いなのだから。
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