ハワイの若大将のレビュー・感想・評価
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ハワイロケシーンは 実際のところ半分強くらいです
ハワイの若大将
1963年8月11日公開
東宝カラー作品
若大将シリーズ第4弾
東京オリンピックのヨット会場が江ノ島ヨットハーバーで開かれる1年前の公開です
そして何より日本人が戦後自由に海外渡航が許される1964年4月を半年後に控えての公開です
つまり、日本人の空前の海外旅行ブームの直前を見据えての企画作品というわけです
テレビのクイズ番組の懸賞はハワイ旅行プレゼントばかりになっていく直前の映画です
パッケージツアーの日航ジャルパツクは1965年の発売開始でした
本作では若大将は日航機ではなく、パンナム機でハワイに着きました
バンナムというのはいまはもう無いアメリカの国策航空会社パンアメリカン航空のことです
2001年宇宙の旅のスペースシャトルもパンナム機という設定でした
日本でも世界旅行の紹介番組を毎週提供していた超有名航空会社です
ハワイロケシーンは
実際のところ半分強くらいです
ワイキキビーチ、そこから見えるダイヤモンドヘッド、ノースショアに向かう海岸道路などが紹介されますがあまり観光映画にはなりきっていません
アラモアナとワイキキの間にある巨大ホテル群のヒルトンハワイアンビレッジも登場しますが、戦前からあったそうです
でも今のような虹のモザイクで有名な高層宿泊棟は見えませんから、それらはまだ建設前のことなのでしょう
ワイキキには日本人観光客の姿は誰一人いません
そりゃそうです
海外渡航自由化前なのですから
当時の観客からはあまりにもかけ離れた過ぎた憧れの世界だったのです
なので後半からクライマックスは江ノ島での大学ヨット部の選手権大会です
「狂った果実」は1956年7月公開でしたから、その7年後の同じ湘南の海です
ラストは若大将のおばあちゃんとハワイでお世話になった老人との40年ぶりの再開でしめくくられます
62年前の作品ですから、21世紀の私達が本作品をみるのはそれよりもさらに遠い時間差なのだと思うと感慨深いです
今ではハワイ旅行は珍しいことでは無くなっているのですから
そうはいっても円安に世界的インフレ
また日本人に手のとどかない憧れの世界になっていくのかも知れません
歌唱シーンももちろんいくつかあります
映画館で観られてて良かった😊
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