連合艦隊のレビュー・感想・評価
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日本史に残る最高傑作
公開当時は16歳、高校1年生くらいだったと思います。
様々な配信サイトで視聴できる現在57歳になって、初めて見てみました。
16の時に見ていたら、理解できなかっただろうと思うところが多々あったというのが率直な感想です。
両親共に、小学生時代に戦争が始まり、小学生時代に終戦を迎えています。 なので、まだ幼い少年が「お母さん」と叫びながら死んでいったという話も聞いてはいたけど、映像で見せられると涙が落ちました。
なせ、真珠湾攻撃が行われたのか理解することはできませんでしたが、女として兄の婚約者として白無垢を纏った女性が弟の愛を受け入れて、その子供を産む気持ちは少し分かる気がしました。
兄の妻になりたがった気持ちを弟の妻として幸せに共に生きてほしいと託されて、死に急ぐ兄より、生きようとする弟の愛に応える。 世情は弟に生きることを許さなかったけれど、弟の子供であっても、兄の血が流れている。 弟への愛も真実だけれど、兄への気持ちにそんなふうにけりを付けたように私には思われました。
トラック島空襲も盛り込んでほしかった。
ミッドウェーのぼろ負けに追い討ちをかけるような、真珠湾の仕返しかとも取れるトラック島奇襲で受けた零戦、空母の大損害、その辺も敗戦の理由として映像に残してほしかった。
アメリカに、本心は挑発したくなかった山本五十六さんの真珠湾攻撃から始まり、ミッドウェー海戦敗退、更にトラック島空襲でとどめを刺された辺りも組み込んでくれてたらなぁ‥。
日本が本当に壊滅的に追い込まれていた描写が少し足りない。当時の民間人もさほど知らされていなかったはず。
守戦のみにならざる得なかったあの辺りで素直に降伏していたら、特別攻撃隊、大和沈没、沖縄激戦、加えて広島、長崎原爆投下は免れていたのでは。
もっと日本の戦法の実は愚かさ極まりないを描写してほしかった。それ言ったらダメか。
伊藤整一は米海軍大将レイモンドと数年前に親交がある。大和を襲来指揮したのはレイモンド。
いずれにしても、この時代に生まれなくて本当によかった。
そのくらい虚しい哀しい映画。とはいえ、戦争映画ではNo.1です。
「死んでこい。これはもう命令の限界を超えている」
この人たちの血、骨、肉によって、戦後の日本はあり、21世紀に生きる私達日本人がいるのです
奈良県、橿原神宮と神武天皇陵の宏大な森の一角に、空母瑞鶴の慰霊碑があります
何年か昔に、参道から少し入った小さな公園のような一角に迷い込んで偶然それがそこに在ることを知りました
丸くロータリーのような広場の中央の緑地の中心に立つ電信柱程の高さのオリベスクのような石柱です
そのてっぺんには零式艦上戦闘機の精密な模型が上昇中のような姿勢で飾られています
50名程の老若男女と孫と覚しき小さな子供達がその慰霊碑をとりかこんで静かに談笑されていました
瑞鶴の生き残りの乗組員や遺族の方の慰霊祭のあとのようでした
自分が場違いな闖入者であることを悟り早々にその場を立ち去りました
空母瑞鶴は、本作にあるように開戦時最新鋭の空母として八面六臂の活躍をして1944年10月25日に沈んだのです
本作は特撮が駆使され戦闘シーンを克明に描きます
しかしどことなく特撮シーンには現実感が感じられず、まるで怪獣映画の戦闘シーンのようです
しかし、それらは本当に合ったことなのです
シームレスに21世紀に生きる私達とつながっているリアルな実際に生きていた人々の物語なのです
東京、靖国神社の境内に遊就館という博物館があります
2005年頃小泉政権時に首相の靖国参拝が行われ、中国や韓国から激しく抗議と非難を受け、国内の世論もまた大きく割れて揺れました
自分としてはこの問題をどのように考えて良いか判断つかず、現地現物現実を見るしかないと思い、そこを訪れることにしました
神社自体は、大きな神社であるということで他とそう変わりはありません
遊就館は大きな艦上爆撃機彗星の実物の展示があったりして戦争博物館の趣があります
しかし決して戦争を賛美しているものではありません
古代から現在に至る歴史の中で、私達日本人の祖先達がいかに内乱、外敵を退けて日本の統一と平和を守る為に苦難を乗り越えていったのかがテーマの博物館です
古代、中世、近世に渡る武具や古文書の展示、当時の国際情勢の解説はその視点で歴史を振り返って考えさせてくれる素晴らしい展示の数々です
その順路の最後の小部屋
そこには小さな顔写真が四方の壁、天井にいたるまで埋め尽くされています
全て特攻隊員として死んでいった人達の写真なのです
その写真には氏名、年齢、出身地、大戦中の軍の所属と階級、そして遺書が添えられています
圧倒的な迫力です
号泣しました
涙が止まらなくなりました
その時自分の靖国参拝への結論は出ました
本作は正にそれと同じことをやろうとしたのだと思います
そんな浪花節は聞きたくない!
小澤提督の言葉もまた心から正しいと思います
センチメンタルで思考停止しているに過ぎません
しかし
愛する人たちの為に戦う
人に愛と犠牲がある限り、その民族は滅びない
戦艦大和出撃の夜、信二の独白もまた尊いのです
遊就館のあの部屋を埋め尽くす本当に生きていて命を投げ出した人たちのこのような思いによって戦後の日本はあり、21世紀に生きる私達日本人がいるのです
これもまた間違いの無いことだと思います
本作単独だけで、その結論にまで至る事ができるかは、自分には疑問です
本作はセンチメンタルに流れ過ぎだと正直思います
しかし伝えたいメッセージはそれなのです
連合艦隊という当時の日本のベストオブベストのエリートの人々の行動、判断もまた描かれています
連合艦隊の高官達と同じ間違いを、戦後の日本人は繰り返してきました
東日本大震災の対応、失われた30年への対応、新型肺炎への対応・・・
本質的な失敗の問題の根本原因は少しも正されていないのだと思わずにはいられません
谷村新司の有名な主題歌群青はエンドロールで流れます
山本五十六の大罪
あの戦争は勝てる戦争であった。
本来南進した後西へ向かいインド洋を制圧する。
これが基本作戦であった。
この作戦をぶち壊したのが山本五十六である。
真珠湾攻撃を強硬に主張。
山本の思惑とは真逆にアメリカの怒りに火をつけただけ。虎の尾を踏んだだけ。
日本がインド洋に来ることをどれほど恐れていたか。
アメリカのマーシャル参謀総長は
「日本がインド洋を制圧したらアメリカは打つ手がない」
チャーチルは
「日本がインド洋に来たら対抗できない」
ラッセル・グレンフェル英海軍大佐は
「日本がインド洋作戦を実施したら破滅だ」
当初の予定通りにやっていれば勝っていたのである。
恐れおののくチャーチルはルーズベルトに何とかしてくれと泣きつく。
それじゃあとドーリットル空襲。
この罠に山本ボンクラ五十六がまんまと引っ掛かりミッドウェイ。
ここで改心してインドへ向かえばまだ勝機はあったのだが、そこは懲りない五十六。
何をトチ狂ったかガダルカナル。
これで万事休す。
この映画には出ていないが山口多聞が連合艦隊司令長官だったら日本は勝っていただろう。
山口は『真珠湾攻撃』では石油タンクの第二次攻撃を主張したが却下。
敵将ニミッツは後に、「タンクをやられていたら艦隊は数ヶ月以上行動不能になっていた」
山口は『ミッドウェイ』では連合艦隊の総力を結集すべきと具申するも、提案は却下。
中途半端な戦力で戦った五十六の見識のなさ。勝てるわけがない。
山口は敵機動部隊を発見したとき魚雷に変えないでそのまま攻撃すべきと主張するも却下。
結果はご存知の通り装備を変えてるうちに敵機に攻撃され撃沈。
この時五十六は500キロ後方の大和で将棋を指していたそうである。
呆れて物も言えない。
菊水特攻作戦・・
「連合艦隊」を観て・・
ミーハー視聴者です。
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