「永遠のロマン」ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン) R41さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0永遠のロマン

2024年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

シリーズの第1作 1978年
小学生のころに見た当時は、アニメとキャラクターの雰囲気が違うことに違和感を覚えたことを憶えている。
内容も、当時から見れば少々難しく、冒頭のシーンからミステリアスが漂っていた。
テレビで何度も再放映されたが、何故か概ね見てきたように思う。
ルパン三世とはそれほど私をワクワクさせてくれるが、シリーズ第2作のカリオストロの城を超える作品は二度と現れないだろう。
これもまたカップラーメン化してきたのかもしれない。
新シリーズが登場しても見なくなってかなり久しい。
この作品の着想となったDNAなるものの発見は19世紀だったが、1953に初めて二重らせん構造が発見されると分子生物学が大きく発展した。
このことが世界を駆け巡っていた時期に、製作者がこの物語を思いついたのだろう。
クローンの是非
カズオイシグロの「私を離さないで」
恐ろしいことを考えるときりがないように思う。
さて、
この作品のプロットはよくできている。
不二子の性格も潔いとさえ思っていまうが、その背景にはルパンは何をされても大丈夫という絶対的信頼感を持っているから裏切ったりするのだろう。
不二子から見れば煮ても焼いても食えないのはルパンの方なのかもしれない。
アニメのころから登場していた「謎の美女」という型
この型のそもそもの原型は不二子だろう。
第1作を不二子にしたのも素晴らしいと思う。
そもそものキャラクターに対する愛情を感じる。
そして不老不死というテーマ。
数々の物語でこのテーマが使われてきた。
当時はそれほどこの世界が素晴らしかったのだろう。
いま不老不死など求めている人などいないのではないかと思う。
1978年当時から、人々の世界に対する思いが知らない間に大きく変化してしまったようだ。
こんなつまらない気づきを、随分前に録画してあったものを見て感じてしまった。
作品そのものはもちろん素晴らしい。

R41