劇場公開日 1966年6月4日

「市川雷蔵の美しさはいったなんなんだろう」陸軍中野学校 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5市川雷蔵の美しさはいったなんなんだろう

2019年9月2日
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このての映画には興味はなかった。しかし、雷蔵出演が故に一度は観なくては…そんな気持ちが湧いていた。

冷酷さを演じるのは難しい。
感情を出さない演技にはどこか不自然さが伴う。
冷淡な表情には愚かさが付きまとい苦悩ばかりが目立ってしまい観ているものは嘘だと感じてしまう。過剰さは醜さに繋がる。

雷蔵はそうはさせない。

恋人に毒を盛るシーンの表情にその全てが凝縮されている。世を拗ね、無頼の徒として生きる覚悟が垣間見える。もはや。この一作で、この映画のシリーズは終わってしまったかのようだ。

はる