ラヂオの時間のレビュー・感想・評価
全9件を表示
めちゃくちゃよかった……
三谷作品だ〜と思いながら軽い気持ちで干渉。
舞台設定やキャストの雰囲気が時代を感じられて楽しい。
結論、めちゃくちゃよかった……
メディア露出時に脚本がコロコロ変えられるというのはよくある話だろうし、コメディだから脚色されているとはわかってはいるが、あまりにも作品の原作者を蔑ろにする展開に、笑いつつも酷すぎるな…と顔を引き攣らせてしまうシーンも序盤はしばしば。
でも主人公が原作者として名前を出すのをやめてほしいと訴えた時に、体良く説得するためのセリフとはわかりつつ、西村雅彦の言葉に「ウワァァァ!だよねぇぇぇぇ!!!」と共感し感極まってしまった。職人としてではなく仕事人としてこなした仕事を終えた時、ふとした瞬間に「自分は一体何をやっているのか」と襲ってくる虚無感もよくわかります。
自分の作りたいものだけ作っていても売れないし、とはいえ会社や世間の要望に応えて作りたくもないものを作るのは難しいし、作家vs会社?の難しい関係を全編コメディで悲壮感なく描いてくれて面白かった。
そして最後の渡辺謙がつっこんできて号泣するシーンでは、こっちまでボロボロに笑い泣きしてしまった。
自分で納得のいかなかったものだとしても、思う通りにならなかったものだとしても、誰かに届いたということが分かった瞬間の感動は何ものにも代え難いよね…。
笑ったし、観ていてすごく元気をもらえる作品だった。
この先ものづくりに対してつまずく事があったら、またこの映画を観にきたいと思います。
お仕事ドタバタコメディ
好きな映画の一つにハッピーフライトがあるが、それに似た良さがある
職場のトラブルに色んな役職の人があーだこーだ言いながら取り組む
大女優のわがままに始まり、
脚本初担当の主婦、媚びへつらうプロデューサーなどなど
脚本に主婦の私生活の願望が反映されていて、それがめちゃくちゃにされる
まあめちゃくちゃすぎなんですけども
おヒョイさーん!
なんでしょうか。その人がそこにいるだけで安心感を感じられる人っていますけどね。
まさに、この映画の中の藤村俊二さん。おヒョイさん。もう亡くなられて何年にもなりますが、画面の中で見られて本当に幸せでした。
今から25年も前の作品を鑑賞。
後から知りましたが、これ、三谷幸喜さんのの映画初監督作品だったんですね!
出演者は三谷作品はいつも豪華ですが、今じゃベテラン俳優の皆さんの25年前の姿を見ることができたのも面白かったし、なんせ皆さん演技力が高くて、本当に素晴らしい。
ストーリーは主婦のみやこが応募したコンテストで優勝したという脚本を基に、ラヂオドラマが生放送で繰り広げられる。でも、全然スムーズに、そして、脚本家のオリジナルからはどんどん内容を変えられて最後には宇宙まででてきます。
ドタバタした展開の中で、それぞれの思惑や、芸能人あるあるのワガママ。また、それに振り回されるラヂオ局側の人間。
ただただ、脚本家は可愛そうです。
三谷さん自身もこんな経験あるのかな?
お話の進むテンポもよく、やはりそれは、舞台とラヂオという、"ライブ"だからこそ為せる技なんだなと感じた。
生放送の良さ、ラヂオの良さがたくさん詰まった楽しい映画でした。
おヒョイさんのセリフに、機械に頼すぎるなよとありましたが、それはまさに25年経った今の世の中にグサリとくる台詞でしたね。
花火の効果音を演出するおヒョイさん。ほんとーにすごいんですよ!それ見るだけでもこの映画見る価値あるかな!
ドナルド・マクドナルド
・たった1人の名前を変えただけでこんなに大きく変わってしまう台本が見ていて楽しかった。
・仕事は違うけど無茶振りする上司やオーナーに振りまわされて現場はいろいろと大変なことになっちゃったなんてこと…。リアルでもそんな似たようなこと経験したことあるなぁって思い出したら苦笑いが止まらない。
サクッと楽しめる喜劇!
最近の三谷作品のような胸やけしそうなクドい演出でなく、とてもスッキリしたシンプルな演出であったのでとても見やすかった。シンプルとはいえ、ストーリーは、生放送中にトラブルが発生して、それになんとか手当てしていく、そうすると次のトラブルが、、とドタバタ感が楽しい。そのトラブルも「言われてみれば、確かにな!」って思えるようなものばかりで、見ているこっちまで頭抱えそうになりました。特に「シカゴに海はない」の展開。直前のセリフ、ナレーションがことごとく裏目に。キャストの方々と一緒に、天を見上げそうになりました。
キャストの方々もなかなかいい仕事。唐沢寿明さんは、イチイチカッコいいですね(笑) 戸田恵子さんは声優業も生業にしているだけあって、声を当ててるときの演技力がスゴい。渡辺謙さん、松本幸四郎さん(当時の市川染五郎さん)がちょい役で出てたのは驚きました。
ただ、実際にこのラジオドラマ聞いたら、面白くないだろうなー(笑)
皮肉なのは、作品内で、制作側の都合でドラマが改変(改悪)され、むちゃくちゃになっていくことを批判的に描写しているけど、このしばらく後、フジテレビは制作側の都合で番組を作り続け、視聴者の信頼を失った。この作品における思いや教訓を忘れてしまったんでしょうかね。
久しぶりに声をあげて笑った。みんなワガママでイライラするけど、話を...
久しぶりに声をあげて笑った。みんなワガママでイライラするけど、話を合わせて最後まで持っていくというドタバタ劇が面白かった。
個人的にはハインリッヒの生い立ちのところが大爆笑でした。
絶対、あとあとおかしいことになるって
映画「ラヂオの時間」(三谷幸喜監督)から。
「人間に想像する力がある限り、
ラジオドラマには無限の可能性がある、僕はそう思う」
冒頭部分にあるこのフレーズをメモして納得したが、
視聴者に想像力を任せて、どうにでも設定を変えられる、
という怖さもある。
原作の設定は、日本の熱海なのに、声優のわがままで、
場面がニューヨークやシカゴになることもできるし、
平凡な主婦が、女弁護士になったり、漁師がパイロットに。
まぁ、ハチャメチャに変わる設定に、イライラしていたら、
唐沢寿明さん扮する、ディレクター・工藤が叫んだ。
「これは無理だよ、設定を元に戻して方がいいって。
絶対、あとあとおかしいことになるって」
その場しのぎのアイデアや思い付きは、あとあとになって
おかしくなってしまうことは私たちの生活でもよくある。
先の先まで考えて変更することの必要性、
ダメだと感じたら、途中でも元に戻す勇気も必要だろう。
そんなことを考えながら鑑賞したが、
監督はこの作品で何を伝えたかったんだろうか、不明。(笑)
P.S.
戸田恵子さん扮する主演女優「千本のっこ」のインパクトが
強すぎた気がするなぁ。
なんたって「千本のっこの新曲」は「渡りに舟」だからね。
全9件を表示