夜の勲章(1963)
劇場公開日:1963年3月31日
解説
藤原審爾原作を「灼熱の椅子」の神原孝史と千野皓司が共同で脚色、「歌う暴れん坊」の松尾昭典が監督したアクションもの。撮影は「鉛をぶちこめ」の岩佐一泉。
1963年製作/155分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年3月31日
ストーリー
阿久根純一の探偵事務所に最初に現われたのは夏木瑛子という看護婦、数日前から姿を消した姉伸子を探してくれという。阿久根は伸子の勤め先クラブ・ゼロを訪ねた。クラブの支配人篠村は、大量のペイを動かしていた上にペイ患の伸子と深い関係があった。彼の話を頼りに伸子が以前いた大平天嶺一座を訪ねた阿久根は、伸子はアメリカで死んだ父の遺産が一千万ほど入った直後に一座をやめてクラブへ移ったことを知った。この話には瑛子も、彼女の恋人で内科医の松井も驚いた様子だった。阿久根は元麻薬関係のベテラン刑事岩井を訪ね、その玄関に伸子の部屋にあった郷土人形を見出した。阿久根の秘書山岡瑠理が、篠村達に織部という影の男がいることをつきとめた。事件発生後七日目、遺産の入った預金通帳と共に伸子が死体となって発見された。その直後、ドジをふんだ篠村は織部に射殺され、銃声に飛びこんだ阿久根によって一味は逮捕された。しかし、伸子殺しの犯人は判らない。事件当夜、禁断症状の彼女に薬を与えたのは誰か。その頃、自殺未遂をおこした岩井は、ある事件を内偵中に伸子に魅せられ刑事の身も忘れて間もなく辞職したのだが、すべてを失った今は死を選ぶより仕方がなかったのだ。瑠理の一言が阿久根の目を松井に向けさせた。その頃、瑛子と共に伸子の骨を埋めに伊香保へ行った松井は犯行を打ち明けた。「ペイ患の伸子に一千万を渡すことはない。俺は殺った。これで俺たちは新らしい生活が出来る」顔を歪めた瑛子の目は、近づいて来る阿久根の姿をとらえていた。