蘇える金狼(1979)のレビュー・感想・評価
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松田優作と風吹ジュンがめっちゃ良い!!
今では撮れないであろうハードボイルド作品。
色々突っ込み所は満載ですが、それは置いといて松田優作は日本人の枠を超えた存在だったのが良くわかる!
松田優作でもっと色々映画を撮って欲しかった!
そしてもっと早くハリウッドに出てれば…残念。
あと風吹ジュンめっちゃ良い!
今もまだ良いけど、若い時はもっともっと良かった!!
昭和ハードボイルドの最高峰!
タイトルのハードボイルドだけでなく、松田優作の主演、角川映画
黄金期の最高峰と言っていい!!
今の男として好まれるのは「イケメン」「優しい」「安心感」という者だが、
かつてはハードボイルドの「強面」「危険」「冷徹」が好かれる時代が
あった… 今は、それらは好かれず拳銃をブッぱなす事にも
リアリティーが無い… よって、それらの映画やTVドラマが作れずに
石原事務所は倒産になったのだが…
時代錯誤を嘆いても仕方がない。
要は「危険な強い男」としての最高峰で、松田優作という俳優は
存在していた。 日本の映画史上に最も走る姿がカッコいい男で
あるとも…
自分一人が全て欲しい物を得る為に、何の手段も選ばないという
やはり現代ドラマの「強さもほどほどに」な男とは対照的だ。
最後はネタバレになるので詳しくは書けないが、その冷たい
ハードボイルドに相応しい末路とだけ言っておく…
ただし若い映画ファンに一つだけ、最後の「1999年産・ナポレオンの
ワイン」というのは、この映画が公開されたのは1979年で、
何で主人公が1999年産のワインを求めているのか?
…ということ。
ジュピターには何時に着くの?
想像の世界にしかいない「男家業」の男
松田優作が好きなのである。もうこの世にはいないけど、大好きなのである。じゃなきゃ観ないだろ?
なにせタイトルを入力するのも一手間かかる。「蘇る」なら一発なのに、「蘇える」だから出てこない。おかげでGoogle先生も「あなたが探しているのは松田優作主演の映画ですね?」と一発で「蘇える金狼」を探し当ててくる。
一周回って気が利いている。サイト検索なんて無かった時代なのに、このオリジナリティ。尋常じゃない。
この事からもわかる通り、普通に考えたら負けなのである。
脚本がメチャクチャ?おかげでアクションとお色気は入れ放題である。
当たり前のように拳銃が登場したかと思えば、当たり前のように女性は裸である。
白石和彌監督は「昔の映画にはいかがわしさがあった」とインタビューで述べていたが、「蘇える金狼」なんていかがわしさしかない。
銀行強盗、ヘロインの取引、やたら上半身ヌードの女性。
「安全なヘロイン」というパワーワードまで飛び出す、いかがわしさ全開の金狼ワールド。
だがそれが良い、のである。
残念ながら自分は女性なので、「男家業の大変さ」など知る由もない。「刺すような毒気」なんて要らない。
だから、「蘇える金狼」は完全に「男気ファンタジー」として楽しむものなのだ。朝倉はユニコーンやドラゴンみたいな存在なのだ。
あ、だからゴールデン・ウルフなの?
京子は「あんたみたいな男に惚れたら、女はたまったもんじゃないわ」みたいなこと言うけれど、そりゃ当然。
京子さん、貴女の彼氏オオカミですよ!
ファンタジー世界で好き放題暴れるハードボイルド・オオカミを演じられるのは松田優作だけだろう。ギラギラしたオーラをまとい、しなやかに駆け回る姿。
それでいて思わず「可愛い」と思ってしまうようなコミカルさ。
最終的になんだかよく分からないまま終わってしまっても、「あー、いかがわしかった!」と思えば良いのではないか。
とりあえず、松田優作がカッコいい事を再確認出来るしね。
野望に燃える男
Amazon Prime Video(KADOKAWAチャンネル)で鑑賞。
原作は未読。
セントラル・アーツ臭がぷんぷん漂う角川映画の名作。とにかく松田優作氏がカッコいい。平凡社員な昼間の顔から野望にギラつく夜の顔への演じ分けが素晴らしかったです。
朝倉は完全なワルですが、清々しいほどの悪に何故か魅了されてしまう。それは完全に松田優作氏の見事な演技の賜物であり、破滅的なラストが想像出来ても目が離せなくなる。
当然の報いな朝倉の最期ですが、風吹ジュンのために用意した航空機のチケットを落とす場面に、人間性のあったことが分かり切なくなりました。死に様も悲しげで圧巻でした。
松田優作氏の命日と云うことで鑑賞しました。合掌。
※修正(2024/06/07)
【昭和の角川映画って、エロティックなんだね!けれども故、松田優作の魅力があんまり感じられないんだな・・。】
ー 松田優作と風吹ジュンの激しい濡れ場にはビックリである。R指定が掛かっていない事にも驚く。時代だね。-
◆感想
・映画を観る際に心掛けている事は、原作と比較しない事なのであるが、この作品はムムム・・、と思ってしまったぞ。
・何より朝倉哲也を演じる松田優作が、風吹ジュン演じる京子をシャブで篭絡していく様は、ややドキドキするのであるが、そこからの展開が粗いのである。
ー 今や、風吹ジュンさんの私の勝手なイメージは、瀟洒な小料理屋の粋な女将さんなのであるが、あんなシーンを見せられてはドキドキしてしまったぞ!-
・故、松田優作さんのイケてないサラリーマンと、真の悪なる顔の使い分けは良かったな。
■だが、悪役側のキャラが弱くって、尻つぼみ感が半端ないのである。
昭和の角川映画が、大藪春彦のエロス&バイオレンスを上手く表現出来ていないのだなあ・・。ちょっと残念である。
【中学生のオイラが、物凄く禁断の書として内緒で読んでいた作家】
1.大藪春彦
2.じゃじゃーんの、西村寿行である。
特に西村寿行は凄かった。書棚の奥に隠していた位である。書名は明かさないが中坊にとっては禁断の世界であった・・。(ゴックン。)
故にその後、マルキド・サドの「悪徳の栄え」や、マゾッホの「O嬢の物語」を読んでも”大したことないじゃん!”と思ってしまった程である。
当時の、多数のガールフレンドからのアプローチにも余裕で対応した事は、論を待たない。(イタタタ、石を投げないで下さい!)
・だけどね、パゾリーニ監督の「ソドムの市」だけは、今でも私の書棚の奥に収められているのである。今作と「ソドムの市」を見比べてご覧!、レベルが全然違うよ!
<Q.貴方は、変態ですか!。A.立派な変態です。>
それにしても、風吹ジュンが美しい
昼間はごく普通のサラリーマン、夜は鍛え上げた強靭な肉体を武器に悪事の限りを働く犯罪者・朝倉。
とにかく何が目的なのか、どういう人物なのかほとんど描かれないまま、朝倉がただだた悪事を働く様を見せつけられる。しかもいちいちエグいし、猥雑。罪悪感のかけらほども見当たらない。
ただ、それが不思議と飽きさせない。悪事に取り憑かれる狂気を単に狂気に終わらせず、どこか甘美な、それでいて男臭い世界は、松田優作という未曾有な俳優のなせるワザであろう。
それにしても、風吹ジュンが美しい。かわいい。公開年から計算すると当時26、27歳あたりだから、本当に大した演技力だ。濡れ場も、たかだか企業の部長程度の愛人としてでは満足しきれていない様を演じきっている。
ヒッピー族なれど
完全な松田優作劇場。映画の出来は二の次
以前に視聴したようなしていないような微妙な記憶。
スタート後も全然記憶が蘇ってこない。小説を読んだのは間違いないとおぼろげに思い出したが・・・という状態なので、初視聴気分で見れたのは良かったと思う。
ざっくり言えばテレビ探偵物語のハードシリアスバイオレンス〝エロス”強化版といったところ。
中盤からラストに向けてかなり散漫化し、正直間延びし過ぎて脳の血流が悪化することもしばしで映画の出来自体は宜しくないと思う。
しかし、松田優作を堪能するという意味では十分以上であり、結構それで満足できたのも事実。
そして、ラスト間際の空港でよろめくシーンでようやく、これは一度見たと思い出した。(それだけ作品の印象は薄かったということ)
やはり松田優作は文芸作などより、狂気を内に秘め炸裂させるこういったバイオレンス路線の方が適役だったんだなと再確認。
10年後くらいにまた見てみましょうか。笑
ザ・松田優作
ヒロインの力が不足していることが、本作のラストシーンの感動を不発にしたのだと思います
処刑遊戯でシナリオがあまりにプアーだったのを反省したのか、村川透監督、主演松田優作コンビの次回作は日本のハードボイルド小説の巨匠大藪春彦の有名な原作を選択した
時代設定は公開当時の現代に変更した以外はほぼ原作どおり
カウンタックなどスーパーカーが何種類も登場するのが1979年らしさがでている良い演出です
終盤の主人公が刺されるシーンは原作にあるものですが、あの太陽に吠えろの松田優作の当たり役ジーパン刑事の伝説の名シーン「なんじゃこりゃ!」のオマージュになっているのが面白いところです
千葉真一と岸田森が二大見所
というか目立ち過ぎだったかも知れません
千葉真一と松田優作の新旧アクション二大スター直接対決を観客に期待させておいて結局実現させずに途中退場するのですからガッカリというか不完全燃焼になってしまうのです
かといって観客の望むことやると原作から逸脱してしまう
つまり大スターに釣り合わない役を配役してしまった弊害です
ここの配役の計算は難しいところ
正直、松田優作と千葉真一の配役を交換した方がしっくりしたかもしれません
とはいえ本作の目的は松田優作のダーティーヒーロー映画の決定版を撮ることなんですから、そんなこと出来るわけもありません
ヒロインの風吹ジュンは悪くはないのですが、殺人遊戯の中島ゆたかのを配役した方が良かったと思います
彼女はラストシーンのスカンジナビア航空のスチュワーデス役という端役の出演だったのはもったいかぎりです
ヒロインの力が不足していることが、本作のラストシーンを感動を不発にしたのだと思います
夢、見果てたり
大企業・東和油脂の経理部勤めの青年、朝倉。
朝から大きなくしゃみ、故郷の母から送られてきたリンゴの箱で上司を躓かせ苛つかせるも、会社には補欠で入り、一応出世コースの平凡社員。
昼食時の同僚との話題は、早朝近辺で起きた事件。1億円強奪殺人事件。
犯罪ではあるが、捕まらないといいなぁ…と、羨望。会社上役の黒い噂に対しても何も言えない。
そこへ銀行関係者がやって来て、盗まれた紙幣のナンバーが控えられていると聞くと、朝倉は静かに激昂してペンを折る。
何故なら…。
昼は黒ぶち眼鏡のうだつの上がらないサラリーマン。
しかし、夜は…。
そう、1億円強奪殺人事件の犯人は、彼。
鍛えた身体で悪の限りを尽くす夜狼。
二つ顔を持つ男。
“遊戯シリーズ”の監督・村川透&主演・松田優作のコンビで大藪春彦の小説を映画化したハードボイルド・アクション。
全編に渡って村川透のハードボイルド演出、松田優作のダーティ・ヒーローの魅力が濃縮!
朝倉の目的は、自身の会社の乗っ取り。経理部部長の愛人・京子に近付き、ヘロインとセックスで我が物にする。京子役・風吹ジュンが魅力的で、大胆ヌードや濡れ場も披露。
盗んだ1億円の足が着かぬようヘロインに換える為、ヤクの元締めである市議会員の邸宅へ。脅されるも、逆に脅し返す。受け渡し場所で命を狙われるも、返り討ち!
順調に物事が進んでいた時、財政界のフィクサーが桜井という男を使って会社に強請を掛けてきた。
金を巡って繰り広げられる男たちの争い、欲、裏切り、敵は味方は…?
出し抜くのは…?
改めて見ると、荒唐無稽でリアリティーはナシ。
もし現代風に作られても、かなり突っ込まれているだろう。
このムードや作風でどうしても甘くなりがち。
だけどそれを充分補うは勿論、松田優作!
とにかく、本作の松田優作はワル!
“悪役”としてだったら『ブラック・レイン』が強烈だが、あちらは端から潔く悪。
しかし本作は、昼間は善人の仮面を被って本性は自分の野望の為なら非道ですらある。質の悪さでは寧ろ…?
それでもカッコいいのだ。
漢のカッコよさ、ダーティーさ、哀愁も込めて。
やはり日本映画に於いて、“ハードボイルド&アウトロー”がこれほど合う役者は彼しかいない!
周りの敵を始末し、会社重役まで登り詰めた朝倉。
社長令嬢とも婚約。
会社株を狙うフィクサーが、株の3倍の金額値で接近してくる。
全てを手に入れた。
全て我が物。
カッコいい新車で、俺の街を高笑いしながら爆走。
…しかし、悪の限りを尽くした男の行き着く先は、分かり切っている。
女は男の為に協力した。だが、捨てられたと思い込んだ。
男は女と旅立つ計画をしていた。
その真意が伝わらず、女は薬を飲み、男をナイフで刺し…。
ラスト、飛行機に命尽き果てようとする彼は、何処に行こうとしていたのか…?
設定上は海外逃亡だが、そんなんじゃない。果てぬ己の夢や未来へ…。
レビュータイトルは、私が大好きなアニメのエピソードタイトルから拝借した。
昔も今も
松田優作がヴィランとしての魅力満載
忘れ去られるべくして、忘れ去られた作品
風吹ジュンさん、きれいですねぇ。そして、頑張って体張ってますねぇ。作品通してのよい印象ってホントにそれぐらい・・。
取っ散らかったストーリー展開と、出演陣の下手くそな演技を2時間以上も見せつけられたという印象でした(笑)
まずは、ストーリーの説明不足がヒドい。。この作品での朝倉の最終的な目指す目標がなんなのかが明らかにされずにストーリーが展開していくから、わけが分からなくなる。コアの部分が分からないため一つ一つの展開が繋がってこずバラバラ。ぶつ切りのショートストーリーがただ連なっているだけ。登場人物に対する説明も不足ですね。しばらくの間、京子の不倫相手が誰なのか分からなかったですよ。演出も理解できない珍妙なものばかり。途中から急にカルメン的な音楽、踊りが幅を利かせてくるけど、これが全くストーリーにあってない。終盤の演出は、珍妙どころか、もはや狂気的。会社の株を手に入れ帰宅して、高笑い、叫びながら、部屋中を暴れまわる朝倉。マジで狂気の沙汰。さらに、朝倉と京子がよく分からない廃墟みたいなところに行って以降はもはや笑かそうとしてるだろ?!と言う様な展開。そして、最後の謎の仮面エンド。ヤバい、ヤバすぎるよ、この作品。ツッコミどころもたくさんあっけど、、
みんな自白するの早ーい!とか、
「清涼剤じゃあ、安心ね♪」なんでや!とか、
一億の確認早っ!?とか、
ボクシングが強いだけで、会社の裏の仕事を任せる?!とか。
もうそんなことどうでもよくなりました。
松田優作さんはおいておいて、役者さんたちは概ね演技が下手くそ。それが当時のクオリティと言ってしまえばそれまでだけど。叫び声や、うめき声など、感情を乗せた声がことごとくヘタ。あと、当時は、実写でもアテレコしてなんでしょうか?明らかに、口の動きとセリフがあってないシーンも。
最近の作品はダメだ!とおっしゃる方も多いけど、こういうのを見ると、今の作品って土台のクオリティって高くなってるんだなと痛感しました。
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