ヨコハマBJブルース

劇場公開日:

解説

生活のために私立探偵をやる元刑事で売れないブルース・シンガーの活躍を描く。脚本は「翔んだカップル」の丸山昇一、監督は「影の軍団 服部半蔵」の工藤栄一、撮影は「野獣死すべし(1980)」の仙元誠三がそれぞれ担当。

1981年製作/112分/日本
配給:東映
劇場公開日:1981年4月25日

ストーリー

元刑事で売れないブルース・シンガーのBJは、生活のために、仕事の合い間に私立探偵をやっている。その日も家出少年、近藤明を捜して、横浜を支配するファミリーのボス牛のところに来ていた。明はBJに「もう捜さないでくれ」と伝えてくれと話す。翌日、BJはかつての仲間、刑事の椋圭介とゴルフ場で会った。椋は部下の紅屋、BJの前で、何者かに狙撃された。圭介の妻、民子はかつて、BJの恋人で、紅屋は彼女をとられた腹いせに、誰かに狙らわせたのだろうとBJに詰め寄る。一方、BJも親友圭介狙撃殺人の捜査を独自に始めた。圭介はファミリーに接近しすぎたため、警察からも組織からも危険な存在となっており、近く辞職して、国外脱出を考えていた。BJは、椋が撃たれたのと同じ銃を、牛の片腕の蟻が持っていることを思い出した。蟻を追うBJは、彼も近日中に国外に出ることをつきとめる。蟻の女から、彼は現在、男にしか関心を示さないこと、ハード・ゲイの4人の男と関係していることを聞きだした。4人の集まる店に、なんと明も来ていた。明は、牛のペットとして、美しく飾られ、愛されていた。BJは明と話しているうちに、親しみを持つのだった。一方、民子はBJを何かと避けようとする。ゲイの一人から蟻の行方をつかんだBJだが、反対に敵に捕えられてしまう。その夜、大きな麻薬取引のあることを聞いた。脱出したBJは、取引に向う車のトランクに隠れ、現場に同行した。そこへ、紅屋が現れ、一味を射殺すると金を奪って行く。後を追うBJ。紅屋の車に爆薬が仕掛けられており、彼はアクセルを踏むと、車もろとも吹っ飛んだ。そして、金も消えていた。横浜港に向う道の途中に、BJが待ちかまえていると、何と死んだはずの椋が車でやって来た。すべて、椋が仕組んでいたのだ。金を奪い国外脱出を計画していた椋をBJは射殺する。金を持ったBJは横浜港に向うと、出航を控えた船のタラップに、主人の椋を待つ民子の姿があった。岸壁に立つBJの姿を見とめた民子。BJは金の入ったトランクを置くと、民子に手を振って去っていくのだった。明は車のトランクの中に死体で見つかり、BJは彼を美しく化粧するのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.580年代初頭の雰囲気が伝わります。 いいですねこの頃の作品 この作...

2023年10月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

80年代初頭の雰囲気が伝わります。

いいですねこの頃の作品

この作品は見る人を選ぶと思いますが、
松田優作中期の作品としておすすめです。

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カネナカ

5.0初期の松田優作と後期の松田優作を繋ぐブリッジの作品と言えると思いますその重要な転換点の作品です

2022年4月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

絵になる街、横浜を舞台にした映画は数多くあります
古くは石原裕次郎や赤木圭一郎が主演の日活無国籍アクション映画が有名
黒沢明監督の「天国と地獄」も横浜でした

その後、1970年代から1980年代にかけてテレビドラマで「プロハンター」や「あぶない刑事」とか横浜が舞台が増えます
その走りは本作だったのでは無いでしょうか?

本作は観る人を選ぶかも知れません
というより映画の側が積極的に観客を選んでいます
以下の会話がチンプンカンプンな人なら観なくてもいいよ、どうせ観てもわかんないでしょうからって

ピンクフロイドの珍しいのが出回ってるてんで、取り寄せたんだけどよ、どうもガセだな
音悪いし、ギターはメチャよ
いつ頃の話だ?
73年だ、ロスでテープに録ったという噂だけど聴いてみるか?

たぶん関内のJAZZライブハウス「エアジン」での会話
チョイと会話内容と場所はミスマッチ
でもそれがまたいいリアル感を醸し出してます

序盤のクラブは、当時は廃墟だった赤レンガ倉庫の一角を「港町のバー街」風に改造して撮影してます
ですからもちろん架空のクラブ
店名は「CLUB MANHATTAN」

宇崎竜童はそのクラブの経営者役で登場します
遅刻したBJ が、彼から嫌味を言われ演奏するシーンが早々にあります
曲は「灰色の街」

ステージで歌っているシーンは、オープニングと終盤の2回
演奏シーンでバックを務めるのは、レコーディングやLIVEで活動を共にしていた CREATION
当時は知る人ぞ知る名ブルースバンドながら世間的には全くの無名
当時はクリエイションと表記しました

本作の4日前に発売したテレビドラマ「プロハンター」の主題歌「ロンリー・ハート (Lonely Hearts)」がその年の夏頃から大ヒットになり超有名バンドとなったのです

竹田和夫やアイ高野、チラッとヒロ小川の皆さんが確認できます
エディ藩さんは確認できません

音楽の使い方は、21世紀から見れば陳腐かも知れません
しかしこの時代、日本の映画で初めてロックをまともに取り扱っている作品の一つなのです
本作があったから今があるのです

ライブ終了後の明け方、背景に見えるのは大黒大橋
ベイブリッジも湾岸線もできる前のことです

親友の刑事椋が撃たれたのは根岸森林公園みたいです
椋を演じたのは内田裕也、短い登場シーンが二回だけです
至極普通に平静にしてます
それがものすごい存在感を示すのは圧巻です

アリの手下が担ぎ込まれて傷の手当てを受けているのは、黄金町とおぼしき女の闇医者のところ
女は実は医者ですらなく、昔看護士だっただけかも知れません
彼女はBJ にポンを打つかと聞きます
もちろんヒロポン(覚醒剤)のことです
これは黒澤監督の「天国と地獄」の黄金町のシーンへの敬意だったと思います

アリからピンク電話に掛かってくるディスコは本牧に実在した「LINDY」
店内にはクラッシックな黄色いシトロエンが置かれ、運転席がDJブースにになっていました
劇中でも一瞬チラリと映ります
ファッションディスコと名乗っているだけあって
多分日本で初めて、入店の際の服装チェックや男性同士での入店を禁止したディスコで、当時最先端を行く店でした
そのリンディもディスコブームが終焉をむかえた1986年頃には閉店したはず

写り込むエキストラではない街行く普通の横浜の人々のオシャレなこと!
普通のサラリーマンがボタンダウンに3つボタンのトラッドスーツです

港の見えるカフェテラスのシーンは山手のドルフィン
あのユーミンの超有名な歌「海を見ていた午後」の歌詞にでてくるお店
二人はクリームソーダでは無く、珈琲を飲んでました

終盤の大型客船は山下公園の氷川丸
今とは塗装が違います
この当時の船体は明るいグリーンと白色に塗装されていました
そのあとブルーの時代があり、今の黒と白の現役当時の色に復元されたのは88年ぐらいのこと
もちろん観光用なので動きません
劇中では、シアトルかどこかに出航しそうな雰囲気ですがあくまでイメージです
彼女はここで麻薬取引の大金を奪取した亭主とここで落ち合う場所であっただけです
しかしBJが大金の入ったトランクの上に亭主のサングラスを置いて企みは全て潰えたと知らせます
夜の山下公園はデートに最高の場所です
恋の炎が燃え上がること必定です
そこが民子とのお別れの場所になります

BJ が買い物袋を抱えてアートビルから出てきたところは馬車道、太陽の母子像が写り込みます

死体の髪を洗ってあげ、女の子の姿から16歳の少年らしいものに着せ替えてあげると、なにやらズボンの中や長袖のボーダーシャツの中に、エロ雑誌からヌードグラビアのページを破いて入れ始めます
それが本来の彼に戻してやれるBJ なりのせめてもの供養なのでした

本作は1973年の洋画「ロンググッドバイ」が元ネタ
同作の原作はハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラーの小説「長いお別れ」

ロンググッドバイ
本当の長いお別れ

親友の椋、昔の恋人民子、16歳の少年
そして今までのBJ にも

ラストシーンは「マリーズ・ララバイ」が流れる中虚しく歩くBJ を低いカメラが見上げて終わります

撮影は仙元誠三
寒色の照明と、敢えて露光不足にしつつコントラストで美しい映像
息を呑む程のシーンが幾つもあります

例えば、火葬場からたった一人で白い遺骨箱を抱えて真っ直ぐに歩く黒色喪服姿の民子のシメントリーな構図

例えば、山手の代官坂トンネルのシーンはトンネルの先は青い照明が光り手前はトンネル内で真っ暗
しかしトンネルの天井にはナトリウムのライトがリズムを持って斜めに並んでいるのです

枚挙に暇がありません
現代なら陳腐に感じるのかも知れません、
しかしこの当時こんな映像は他には無かったのです
始祖であったかも知れない映像なのです

なにもかも最高です!
松田優作のベスト映画です!

松田優作の演技は、エキセントリックさが、表面から内面に押し込まれます
抑えた演技で淡々として台詞も、力を込めずボソボソと話ます
これが本作以降の彼が出演していく名作群の演技の出発点であったのです
初期の松田優作と後期の松田優作を繋ぐブリッジの作品と言えると思います
その重要な転換点の作品なのです

ロンググッドバイ
松田優作の東映セントラルフィルム出演作もこれでお仕舞いとなります

なんか最近、横浜も神戸も舞台になっている映画が無くなってませんか?
港町を舞台にしたカッコいい映画をそろそろ観たいものです

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あき240

1.0偽悪趣味のプロモーションビデオ

2020年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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odeonza

3.0ハードボイルド

2016年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

主人公(松田優作)はブルースシンガー、バイト感覚で私立探偵をやっている。
息子を探してくれ、との依頼で息子がいる暴力団のボスに会いに行く。
一方、昔の仲間である刑事と会ったとき、その刑事が狙撃され殺されてしまう。
その刑事の妻(辺見マリ)が主人公の元恋人だったため・・・。
松田優作は抑え気味だがラストはやはり。

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いやよセブン