陽暉楼のレビュー・感想・評価
全10件を表示
なめたらいかんぜよ連発
女衒(緒形拳)の娘(池上季実子)は陽暉楼の一番芸姑になっていた。
大阪から流れてきた女(浅野温子)と大喧嘩するも、その後、心を通わせることに。
大坂のヤクザが高知に手を伸ばし始め、不穏な空気に包まれる。
重厚で艶やか、これぞ五社英雄監督の真骨頂。
五社英雄監督の最高傑作だと思います
圧巻でした
超重量級の映画を観たという満足感に浸りました
テーマ性とか物語性などというものを離れて、映画の娯楽性とは何か、満足感とは何か
それを極限まで追求した作品であると思います
ダンスホールでの裾まくりしてのチャールストン
下着は穿いていないだろうにと思わせながらのあのように脚を高く上げたダンスの際どさ
洗面所での15分に及ぶ長回しのキャットファイトの凄まじさ
バーカウンターでの情事の美しさ艶めかしさ
これらのシーンが連続して展開される怒涛の迫力
お袖が温泉に突然現れて、着衣のまま岩風呂に飛び込んでのキャットファイトの度肝を抜く強烈さ
これらは本作といえばこれという名シーンとして語り草です
しかし自分にとって、一番心に残ったシーンは別にあります
それは珠子が陽暉楼から断れて帰ろうとしたときに、桃若が大勢の芸妓を率いて廊下に現れ、手前に進み前を横切って階段を登るシーンです
その息をのむ美しさと華やかさ、圧倒的な迫力、強烈なプライド
このシーンこそ本作の一番の名シーンであると思いました
このシーンにこそ本作の言いたいことが込められており、陽暉楼とはなにかをすべて表現しきっていたのだと思います
本作はなんといっても池上季実子の美しさ、自我の強さです
彼女でなければここまで本作は成功しなかったでしょう
そして浅野温子の熱演、倍賞美津子と園佳也子の好演は深く印象に残りました
佳那晃子の変貌ぶりも見事でした
五社英雄監督の最高傑作だと思います
得月楼
2021年12月25日
映画 #陽暉楼 (1983年)鑑賞
#仲代達矢 さんが、黒澤監督の乱の撮影とスケジュールの調整がつかず #緒形拳 さんに変わったそうですが、全く違和感ない
ヒロイン役は、#夏目雅子、#浅野ゆう子、#島田陽子、#夏木マリ、#秋吉久美子 と変遷して、結果、#池上季実子 に決まったらしい
娘義太夫から始まるお話
冒頭、美しい娘義太夫=豊竹呂鶴(池上季実子)の舞台姿から、この映画の世界に完全に没入しました。殺された呂鶴と女衒(緒形拳)の娘が後の桃若。池上季実子の二役が素晴らしい。桃若の艶やかさ、座敷で会った若い男に初めて恋をして、浅野温子とぐっちゃぐっちゃに闘ってから、着物も髪もめちゃくちゃで好きな男に会いに行って、「サーカスの歌」を聞いて、その人の子を身ごもる。浅野温子も池上季実子も当時、まだ20代前半!オーラ爆発の女優魂に胸ときめきました。池上季実子の着物姿は半端なく決まっている。
倍賞美津子も良かったです。着物のまんまで露天風呂に殴りこみ、自分の夫を盗んだ愛人(佳那晃子の変貌ぶりが凄い)と闘う女将。とにかくこの映画に出てくる女はみんな、男主体の社会の中で、強い。ヤクザ映画は男性主演が普通ですが、女優メインのこの映画は、美しくて激しくて強くて悲しくてかっこよかったです。音楽もよかった記憶があります。今、この映画を見たら、暑苦しくて濃厚過ぎてついていけないかも知れない。でも、当時の製作、監督、脚本家とスタッフと役者が作り上げたフィクションの世界の熱量は変わらない。
浅野温子が可愛い
浅野温子が見たくて録画した。顔は可愛い盛りだが演技、特に乱闘シーンはぎゃーぎゃーうるさい。あの主人公とのトイレの乱闘シーンあんな尺いる? おっぱいが自然に出てくる映画だが乳首はぼかしが入ってた。 3時間近くあるので最後まで見るのに苦労した。
昔の俳優さん女優さんって、なんかすごいオーラあるなぁ。皆さんお若い...
昔の俳優さん女優さんって、なんかすごいオーラあるなぁ。皆さんお若いことも相まってると思うけど、内側から発光してるみたいな魅力。正直話の展開がよく分からないところもあったんだけど、役者の迫力により謎に説得力があった。
昭和初期の遊郭事情。正直、話はそんなに面白くない。そして長過ぎる。...
昭和初期の遊郭事情。正直、話はそんなに面白くない。そして長過ぎる。見どころは女優たちの艶シーンと喧嘩シーン。
池上季実子vs浅野温子。浅野温子の勝利。この作品の真の主役。体張ってます。見せてもくれます(笑)
倍賞美津子vs佳那晃子。佳那晃子の勝利。気前のいい見せっぷり。微妙なボカシ方するんじゃないよBS日テレ(笑)
宮尾登美子作品の魅力、まだよく分かりません。
女は競ってこそ華、負けて堕ちれば泥
名キャッチコピーってありますよね。
「姿は見えないが、殺意は見える」by インビジブル
「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」by エイリアン
「権力という孤独、 愛という哀しみ 、男という生き方」by ゴッドファーザー
「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」by 魔女の宅急便
とかとかとか。
本作は、これ。
「女は競ってこそ華、負けて堕ちれば泥」
なんか、鳥肌立ちます。
見所の一つに、ダンスホールのトイレでの、桃若(池上季実子)と珠子(浅野温子)のつかみ合いの喧嘩があると思います。このキャットファイト、ぐっちゃぐちゃで、ぐっしょしょです。そんなぐっちゃぐちゃな姿のまま、愛しい人に会いに行く桃若がいい!
そして、あの決め台詞。
「うち、決闘してきたんよ」
やば、可愛い!萌え!
でも、この桃若の初めての恋は、成就しません。
終盤で桃若の結核が悪化し、朦朧とした意識の中で父親を愛しい人と思い抱きしめるシーンがあります。死の床にあっても、女は女。哀れだけど、私もそうありたいと思ったりしました。
私も年老いてー、こんなふうに死の床にいてー、思い出せる人が……、あのー、今の所ー、えっとー、二人、います(笑)すみません。
でも成就しない恋でも、いや成就しないからこそなんですが、思い出すだけで潤う。そんな人に出会えたことは、女としてきっと幸せ。
だから桃若が、それほど不幸には思えなかったんです。だって、出会えない女の方が多いでしょう?
なんて考えるのは、センチメンタル過ぎるでしょうかね。
当時、池上季実子さん24歳、浅野温子さん23歳くらいですが、全身から女の業が滲み出てる。凄い!
豪華女優陣!女の業!官能的!なんて言われることが多い本作ですが、
母から娘へ巡り続ける、哀しい女の因果を描いた秀作だと思います
(鬼龍院花子の生涯より本作の方が好きです。共感します)。
ラスト、あの桃若の幼い娘の笑顔に、胸を締め付けられました。
※余談ですが、桃若のモデル(と、思います)の芸子さんが、池上季実子さんよりも更に美しかったのにびっくりしました。
演出が自分の趣味ではない
総合:55点
ストーリー: 70
キャスト: 65
演出: 45
ビジュアル: 70
音楽: 70
物語は悪くないのだが、この演出が好きになれない。やたらと気合の入った力強い科白の言い合いがどうにもわざとらしく聞こえてしまう。五社英雄監督の特徴でもあるが、こんなふうにいつもヤクザの仁義のきりあいでもやっているのかというような大袈裟な演技に、見ていて引いてしまう自分がいる。確かに劇中にたくさんヤクザも出てくるのだけれども、雰囲気としては「極道の妻たち」なんかと同じようで、古い演出のやり方だなと感じてしまった。もっと普通に喋ったり動いたり出来ないのかね。
全10件を表示