「よくコントロールされたドキュメンタリー」ゆきゆきて、神軍 悠さんの映画レビュー(感想・評価)
よくコントロールされたドキュメンタリー
偶発性を巧みにコントロールした奥崎謙三という類稀なピエロがこの映画を作った。彼のことはこの映画以上知らないので責任を取れないが、なんとまぁぶっ飛んだポートレートだ。
今まで観たドキュメンタリーの中だと一番面白かった。
一つこれだけは言いたいのは、本当のことはこの映画では何一つわからない。重要なのはこの映画が戦争を考えるきっかけになることであり、戦争の事実ではない。リテラシーのある観客ならばこの映画がいかに作為的なのかは看破できる。この作為性がもつ有害性も、この作品のテーマである人間の保身と現代日本の生活と同様に考えなければならないと思った。
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