最も危険な遊戯のレビュー・感想・評価
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ザ・松田優作
非常に 松田優作らしいキャラを演じている。そのキャラのおかげでやってることが理不尽でも、つっ込みどころ満載でも面白く見れてしまう。そこに美女と来れば1時間持つのは必然であろう。ピストルを装着するところの音楽の使い方が良かった。 やっぱり映画は音楽だわ。ただ、終盤はちょっと持たなかった・・主人公の動機とか情熱とか、アイツは許せんとか、あのコを絶対守るんだとか・・そういうものが全然ないと盛り上がらんな。でもきっちり 早めに まとめちゃってるので良かった。映画は90分で良し。 ついでに 思ったことは 今こうしてみると 木村拓哉は松田優作の真似をしているね。同じような演技をしてみても木村拓哉がやるとおとなしくて上品で知的になっちまう。やっぱり松田優作は 唯一無二で良かったな。 女優さんはちょっと声の演技がひどかった。 もしかしてアトレコ かもしれない。 せっかく素晴らしい顔と素晴らしいスタイルをしているのにもったいない気もするが・・女優の魅力とはそういうとこじゃないのだろう。
松田優作の魅力を爆発させる そのためのストーリー、演出です それが何より優先される、そういう方針の映画だと割り切って観るべきです
1978年4月公開 低予算プログラムピクチャ専門の東映セントラルフィルムの旗揚げ第一作 東映本体との関係は、例えればユニクロとGUみたいな関係みたいなものとでもいいましょうか 本作の監督の村川透は元日活 1960年代は舛田監督などの下で助監督を務め、1972年に初監督作のロマンポルノで注目を集めたのですが日活を退社してしまいます 郷里に帰り数年のブランクの後日テレで「大都会 闘いの日々」で監督として復帰されます その後東映セントラル、角川映画などで活躍されるのは御承知の通り その村川透監督自身の、テレビドラマではない、映画の監督としての復帰第1作です 主演は松田優作 松田優作はテレビシリーズ「太陽に吠えろ」のジーパン刑事として1973年7月から主演し人気がブレイクしました 1974年10月の最終回での「なんじゃこりゃ!」の殉職シーンは半世紀も経つのに未だに語り草です しかし松田優作は「太陽に吠えろ」以降、もう一つ精彩を欠いていました 主演映画も経験していたのですが今ひとつの印象しかないのです 松田優作と村川透監督の出会いは、その1976年1月から放映開始された「大都会」シリーズの時です 松田優作を映画のドル箱スターに押し上げたのは村川透監督です 本作からたったの2年半の間に、村川透監督、松田優作主演のコンビで5作も撮影したのです 最も危険な遊戯(本作) 殺人遊戯 蘇える金狼 処刑遊戯 野獣死すべし テレビドラマでも、1980年の超有名な「探偵物語」の監督を数話ほど村川透監督が務められています 松田優作の筋肉はブルース・リーを思い出させますが、より厚みがあります しかも絞られています 現代ならこのような肉体を作り上げる俳優はさほど珍しいことでもないでしょう 誇らしげにトレーニングを撮らせています しかし当時の日本でここまで見せる筋肉の肉体を作った俳優は他にいませんでした この筋肉は千葉真一を超えています その筋肉、そして長い手足、しかも高身長 ぶっきらぼうな暴力的な話し方だけど、どこかおかしみがある雰囲気 今までにない新しい時代のヒーロー像です この松田優作の魅力を爆発させる そのためのストーリー、演出です 色々突っ込みどころは満載ですが、全ては松田優作という希有な素材を出し惜しみせずに使い切る それが何より優先される、そういう方針の映画だと割り切って観るべきだと思います 村川透監督の演出は、かなり洋画ぽい映像です 伝統的な東映ヤクザ映画的な演出に引きずり込まれそうになるのを懸命に踏みとどまっているのが見て取れます どこかでみたような洋画的構図が多用されます ダーティハリーの引用が目につきました 従来の東映アクション映画が演歌か歌謡曲なら、本作にはニューミュージック的な趣があるのです 今風に言えばシティポップです 大野雄二の音楽がこの映画には、大変にマッチしておりこの音楽でなければ、せっかくの映像が活きなかったでしょう エピローグの渋谷道頓堀のストリップ小屋のシーンで流れる音楽にニヤリとします 本作の前年の秋に公開された「人間の証明」のテーマを上手く大野雄二流にアレンジしてある曲でした このOS劇場、実在のものです いつの間にかなくなっていました
素敵な遊戯(ゲーム)をありがとう
村川透監督×松田優作主演の“遊戯シリーズ”第1作目。1978年の作品。 松田優作の映画の人気作の一つ。 財界の大物の誘拐が相次ぐ。ついには殺害まで…。 大手電気会社の社長が誘拐。殺し屋稼業の鳴海昌平は会長から謝礼5000万円で救出を依頼される。 背景にライバル大手との国家的プログラムの対立があり、誘拐グループとその情婦を見つけ出し、情婦から“男の荒業”で敵のアジトを聞き出す。 潜入して救出に成功するも奇襲に遭い、社長は死亡。鳴海も負傷。 謝礼を返そうとするも、別の依頼をされる。 この事件には財界の巨大な陰謀と警察も絡み、鳴海はその渦中に巻き込まれていく…。 一見、社会派風でもあるが、実際はB級チック…。 低予算製作の“東映セントラルフィルム”だから、野暮は言えない。 そういう楽しみの作品。 男の荒業、クライマックスのヘリ襲撃、銃撃戦、巨大企業と警察相手でも死なない主人公。 突っ込み所満載だが、洋画にもこういうのは腐るほどある。 邦画でそれをやって何が悪い!? 大野雄二の音楽がさらにムードを盛り上げる、和製ハードボイルド・アクション! 似合う漢が居ないだけ。 やはり松田優作はこういう世界で生きる漢がハマる。 ちょっと頼りなさげな所もある。麻雀は負け続き。 しかし、依頼を受けたからには… 負傷してでも。 命の保証ナシの闘いに挑む。 女が捕まったら、車を我が足で全力疾走で追い掛ける。 銃を構えた時のカッコ良さ! 悪党どもをきっちり始末。 仕事は必ずやり遂げる。 素敵な遊戯(ゲーム)をありがとう。
大野雄二の音楽だけは秀逸
せっかく大三元をテンパってたのに、国士無双にぶちこんでしまった松田優作。次は立清を頭ハネされる・・・300万の借金! 目的の男をおびき出すため、そいつの女を寝とって電話で聴かせるという荒業の鳴海。そうこうして直接の人殺しは倒したが、情婦である杏子(田坂)が鳴海のもとに居座ってしまうことになった。 結局は激しい銃撃戦が売り物の映画であって、社会派などの要素が全くない。数千万で引き受ける孤高の殺し屋にしてはだらしない性格も松田優作に似合ってるとは思うけど、今作ではストーリー自体がコミカルすぎる。アクションにしたって、暗い場面も多かったし・・・
松田優作というジャンル!!
わかりやすい脚本とテンポの良さで面白いです。往年のコミックや刑事ドラマ(探偵ですが)、昔のルパン三世が好きな方は楽しく観る事ができると思います。銃声や打撃音が軽すぎるし、負傷シーンもギャグに見え、ぶっきらぼうな台詞も初めは笑えましたが、次第に親しみを感じるようになりました。題材の割に少しも暗くならないのは、松田優作だから為せる技なのだと思います。
使いたいセリフ盛りだくさんの男映画
麻雀に負けて雀荘を追い出されるというコミカルなシーン。ところが殺し屋・鳴海昌平としての場面にシフトすると、打って変わってハードな展開に。ガンアクションもさることながら、標的の情婦を狙うという建前でエロシーンも手抜きしない。 バオイレンスをむき出しにした作風に感嘆してしまう。 今の流行からすると、本作のアクションは動きも無駄が多いし射撃音もチープだけど、込められた殺気は、今でも通用する迫力に満ちている。 特に廃病院のシーンは圧巻。10人弱の誘拐犯グループを、あっという間に射殺するスピード感は見事。 ターゲットの居場所を探る手段が「標的の情婦をたずねて吐かせる」というのがうまい。 アンタは殺し屋なのかジゴロなのかどっちなんだい?と問いたくなる反面、アクションの中に無理なくエロを落とし込んで、オッサン層が喜ぶシーンを提供する理由付けには悪くない。 他にもロングバレルのリボルバーを片手撃ちして命中させちゃうとか、銃撃された腹の傷が癒えるのが早すぎるとか、ツッコミどころはたくさんあるような気もする。 だけど、松田優作の雄姿があると、そういう非難は出てこなくなってしまう。逆に瑣末な問題に時間を割かず、観客の期待に応える良作だというように評価したくなってしまう。 結局のところ、本作は松田優作なのだ。 たとえば『ダークナイト』という映画をクリスチャン・ベールの作品という人はいないだろう。「ヒース・レジャーのジョーカーがすごかった」という人はいても、だからといって彼の映画だという人もいないと思う。 ところが本作は松田優作という役者がいて初めて成り立つ。 彼のキャラクター性が映画に映りこみ、それが生き生きと輝くからこそ、映画としても魅力を放ち始める。 そういう性格の映画なのだ。 こうした映画の魅力の一つがセリフ。 次にあげたようなセリフは、実際に使うとけげんな顔をされるか、悪くすると小突かれるだろうが、一度は使ってみたい魅力を秘めている。 「なんなんだよ。一回寝たくらいで女房面されたらたまらんぜ」 「(ボコボコに殴られたあとで)・・・ありがとうございましたァ」 「こんなことならカッコつけないで食っときゃよかったんだよ、パクッとよう」 上っ面でカッコつけるのではなく、さらけ出してタフガイとして立つ。 その姿が伝わる作品だと思う。 では評価。 キャスティング:8(松田優作という役者あっての本作) ストーリー:10(アクションのテンポのよさが引き立つ) 映像・演出:8(銃撃戦に力が入っている) セリフ:10(オッサンなら使ってみたくなるセリフの宝庫) バイオレンス:8(ガンとエロ、両方で暴力的) というわけで総合評価は50点満点中44点。 "松田優作"という俳優のハードボイルドな部分を楽しみたいなら、本作品がオススメ。 男性に都合のいいストーリーに腹を立てないなら、女性にもオススメ。
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