もっとしなやかにもっとしたたかにのレビュー・感想・評価
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そんな血糊の付け方
ロマンポルノ方式なのか不必要な濡れ場が取ってつけたように挿入されて全体的に破綻しているようでもある。なぜ妻は戻ってきたのか?女性感というよりも男のコンプレックスや甘えを際立たせるための道具として女性を配置しているように思える。タイトルにあるような森下愛子の姿は「いやいや貴方より虐げられてるし、でも貴方より周りを大事にしているし」と言われているようで、そのために創られたキャラのように思える。それにしてもひでぇラストの展開は失笑するしかないが、情けない男の自虐感なんだろう。いい大人が興じるラジコン飛行機は地に落ちるが、現在から見れば、ラジコンやっててもいいんじゃないか。 まさに旬の森下愛子が輝く。
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生活に追われる若夫婦と家出娘の不思議な組み合わせにみる家族の日常
ニューファミリーと言われる今の若い世代の家族の在り方を描いた作品。すれ違う若夫婦の間に高校中退のしたたかで人懐っこい家出娘が加わるストーリー展開は起伏が少ないものの、その少女を演技じる森下愛子の個性と演技が映画の見所になっている。手癖の悪さから私生活の乱れもあり、けして褒められた人物像ではないのだが、不思議な魅力がある。それに主人公勇一の妻君枝役の何処か掴みどころがなく、不甲斐ない生き方を選んでしまう高沢順子がいい。この二人の女優の存在でこの作品は充分楽しめる。 脚本は、日常の生活に密着した視点に立ち登場人物を動かしている。生きるのにひた向きだが、周りに流される不安定さもある。そんな優柔不断な生き方をしている若者を、藤田監督は素直な演出タッチで描く。そこにこの映画の良さも弱さもある。 1980年 1月24日 ギンレイホール
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