モスラ(1961)

劇場公開日:

解説

中村真一郎・福永武彦・堀田善衛の原作を、「泣きとうござんす」の関沢新一が脚色し、「ガス人間第一号」の本多猪四郎が監督した特撮映画。「出世コースに進路を取れ」の小泉一。パースペクタ立体音響。

1961年製作/101分/日本
原題:Mothra
配給:東宝
劇場公開日:1961年7月30日

ストーリー

南太平洋を航行中の第二玄洋丸は、突発的に発生したA型台風にまこまれて沈没した。船員のうち四人が、放射能の墓場といわれたロリシカ国の水爆実験海域のインファント島で奇跡的に救助され、帰国した。が、意外にも四人は放射汚染症状が全く見られなかった。日東新聞の社会部記者・福田善一郎は、女カメラマンの花村を連れて、核センターに原田原子力博士を訪ねた。船員の一人から無人島と思われたインファント島に原住民が生きていること、さらに原住民が飲ませてくれた赤い汁により、放射能障害はおろか普通以上の体力を取り戻せたことを聞き出した。日本、ロリシカ両国政府の申合わせでインファント島調査隊が結成された。日本側からは原田博士を副隊長に、言語学者中条信一ら有能な学者が参加した。上陸し、密林へ一人入った中条は、毒々しい色彩の吸血植物に襲われた。身長三十センチの小人の美女が彼を救った。小美人の歌うメロディに、中条は「島を荒らさないでほしい」の意味を読みとった。帰国した調査隊は、調査内容を一切発表しなかった。調査隊の事務係だったネルソンが、悪徳興行師としての正体を現わし、再びインファント島に上陸、小美人たちを奪うと、高い入場料で公開した。「モ……ス……ラ」彼女たちの歌うメロディは、テレパシィーによってインファント島の神殿に眠るモスラの卵に伝えられていた。やがて、全身白光色にきらめく巨大な幼虫が生れ、日本の方角の海に消えた。中条は、インファント島の洞窟で発見した碑文の謎を解き、モスラが小美人をさがして日本に来襲するだろうことを予知した。異常な速さで泳ぐモスラにエアゾールの集中攻撃をする大型機編隊。ロケット弾の集中砲火を浴びせる戦闘ジェット機隊。しかし、モスラの相手ではなかった。モスラは遂に東京都心へ現われ、国電やビルは粉砕された。ネルソンは国外脱出を図り、小美人をつれて大型セスナでとびたった。モスラは東京タワーに近づくと、巨大な口腔から糸を吐き始めた。幼虫からサナギへの完全三段変化が開始され、遂に巨大な蛾が現われた。巨大な蛾と化したモスラは小美人を求めてロリシカ国に飛んだ。壊滅する摩天楼。猛威を発揮したモスラは更に小美人を求めて暴れまわっていた。そのころロリシカ国政府に招かれた中条は福田、花村とともにネルソンを追いつめ小美人を取りかえした。一せいに鳴らされた教会の鐘。飛行場に白く書かれた十字架と太陽。それを目あてにモスラは静かに着陸した。かけよる小美人。遠くインファント島目ざして飛びさるモスラを見送りながら、人々は平和を祈るのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
特技監督
円谷英二
脚色
関沢新一
原作
中村真一郎
福永武彦
堀田善衛
製作
田中友幸
撮影
小泉一
美術
北猛夫
安倍輝明
音楽
古関裕而
挿入歌
ザ・ピーナッツ
録音
藤縄正一
整音
宮崎正信
照明
高島利雄
編集
平一二
製作担当者
森田信
チーフ助監督
野長瀬三摩地
助監督
中野昭慶
スチル
田中一清
特技撮影
有川貞昌
特技美術
渡辺明
特技照明
岸田九一郎
合成
向山宏
特殊機械
中代文雄
火薬
山本久蔵
渡辺忠昭
光学撮影
真野田幸雄
特技編集
石井清子
特技スチール
田中一清
特技製作担当者
成田貢
光学作画
幸隆生
土井三郎
黒川博通
飯塚定雄
特技撮影助手
富岡素敬
特技助監督
浅井正勝
造形
利光貞三
八木康栄
八木勘寿
振付
県洋二
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(C)1961 東宝

映画レビュー

3.0(改題)モスペンハイマー

2024年3月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

怖い

捻くれたレビューを上げたいと思いました。それは「オッペンハイマー」を観たから。
公式?に核兵器が使われたのは日本だけ。広島・長崎の惨事を知ってるから、世界は使用を躊躇うし抑止力とか言い出してる。副産物としてゴジラが生み出され、その惨禍を喰らうのはいつも日本。
でも今作でモスラの猛襲を受けるのはロリシカ国、どう見たって彼の国だろ! それもネルソンの悪行が原因なんだから、責任は彼の国だけが負うべき。ざまぁ見ろ! 小泉さんやフランキーさんが来てくれなかったらどうなったと思ってるんだ!!

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トミー

4.0モスラ初登場

2023年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

○モスラ初登場
○でかい、強い幼虫
 幼虫の時点で防衛軍の攻撃がまったく効果なし
 脅威の体長180m
○悪役ネルソンを通して描かれる人間の身勝手さ

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GMKゴースト

4.0モスラ~やモスラ~ ドナカザムヤン インドゥムー

2023年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

午前10時の映画祭
終活のため鑑賞
そら演技的に空疎なところあるよ。
フランキー堺が主演って今やったらないわー的なとこあるよ。
でも空疎といえば今風のCGの方が空疎
ちゃちな特撮でも重量感、質感、奥行き感はCGより断然上。
当時この絵を撮るのにウエハウスを使ったり
ピアノ線を飛行機逆さにして撮ったり
火の拡がりを感じさせるため同じようにセットをさかさまにしたり
円谷英二のアイデアマンたる所以を見せつけられた気がします。
特撮はやはり大画面がいいね。
80点
アレックスシネマ大津 20211215

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共感した! 1件)
NWFchamp1973

4.0【当時の人気デュオ、ザ・ピーナッツが双子の妖精役で彼の有名な今作のメインテーマ曲を唄うシーンは印象的である作品。】

2023年4月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

幸せ

■南太平洋のインファント島で原住民が見つかり、近くで水爆実験を行っていたロリシカ国は調査隊を派遣。
 隊長のネルソンは、巨大な卵に仕える身長30cmの妖精「小美人(ザ・ピーナッツが双子の妖精役を演じている)」を連れ帰ってしまう。
 すると、小美人はテレパシーで島の守り神・モスラに助けを求め…。

◆感想

・モスラが「小美人」を助けに来る幼虫の姿が、庵野監督の「シン・ゴジラ」を彷彿とさせる。
ー 勝手な解釈であるが、庵野監督は明らかに「シン・ゴジラ」を製作する際に、今作品のモスラが幼虫から成熟したシーンを含ませていると思われる。-

・年代的に知らなかった”ザ・ピーナッツ”の今作でもメインテーマ曲を知っているのは何故か?
ー "モスラ―や、モスラー・・”不可思議であるが、魅力的な旋律は何故か知っている。ー

<フランキー堺の軽みある演技を含め、色々と面白き作品。
 今作の最大の意義は、”ザ・ピーナッツ”のメインテーマ曲を巷間に流布させた事だと思う作品である。>

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NOBU
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