もず(1961)のレビュー・感想・評価
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病院へ行こう
女優の魅力を存分に引き出した作品ではあるが、プロットそのものは面白くない。母と娘の確執というほどの争いはないが、戦争が終わってから会ってないところから推察するとかなり苦労した母親。それでもパトロン藤島のおかげでやっと生きているといった感じだ。身をくずした母を見かねて美容師として稼いで母親と暮らそうとするさち子。
一緒に暮らし始めたはいいが、母と娘はけんかばかり。それでも喧嘩が終わると母への愛が感じられる。その経緯の台詞のやりとりが絶妙だ。
終盤は母が不治の病で入院。別れたパトロンに入院費を出してもらおうと迫るが、別れてしまった者には愛情のかけらもない。ましてや治らないとわかっている女に・・・映像には表れてないが、その藤島に抱かれ金をもらったさち子。まぁ、’61年作品だからしょうがないけど、金のために抱かれる心情をうまく表現できたらもっと凄まじい映画になってたかも。何しろ、その直前には松山からやってきた男(川津)に求婚され、それを諦めたばかりなのだ!そして、母と同じように身をくずしてしまい(とは言っても一度だけだからすぐに立ち直れそう)、病院へ行くと一足遅かった・・・そして母が握りしめていた袋の中にはさち子名義の預金通帳。死んでから母の娘に対する温かさに気付いたさち子だった・・・最後の急展開はなかなかよかった。
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