新・夫婦善哉
劇場公開日:1963年10月12日
解説
「台所太平記」の八住利雄のオリジナル・シナリオを、同じく「台所太平記」の豊田四郎が監督した文芸もの。撮影もコンビの岡崎宏三。
1963年製作/118分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1963年10月12日
ストーリー
法善寺横町にある小料理屋「卯の花」を、女将おきんからまかされている蝶子は、柳吉と同棲している。だが、柳吉の女好きのためしょっちゅういざこざがたえない。柳吉は維康商店の一人息子だが、道楽がたたつて勘当の身の上だ。維康では妹筆子が養子京一と店をやっている。柳吉の一人娘みつ子の縁談がすすめられていた。そんな時に、柳吉は仕事を探しに大阪へ来たというお文にひっかかった。養蜂業を念頭としている柳吉は、蝶子の貯金に未練が残ったが、誘われるままお文と東京へ出てしまった。柳吉とお文が東京へ落ちついた下宿に、お文の兄伸一がよく訪ねてくるが、実はお文のヒモであることをうすうす感じる柳吉だったが、お文とは別れられなかった。定職のない柳吉は、筆子と蝶子にたびたび無心の手紙をだしたが、金はこなくて蝶子がやって来た。みつ子の結婚式の日取りを教えにやって来たのだ。柳吉は大阪にとんで帰るが、結婚式に出席するのは京一が厳として許さなかった。が、筆子の計らいで陰ながらみつ子の花嫁姿をみることができた。蝶子の家に落ちついた柳吉は、蝶子から貯金通帳を渡されるや、東京のお文の下宿に飛んで帰った。しかし、貯金帳を柳吉から受取つたお文は、伸一と姿をかくしてしまった。柳吉はしかたなく房州の養蜂園に動きに出かけたが、相変わず蝶子と維康に無心の手紙を出す柳吉だった。その紙をよんだ蝶子は、何ん回となく柳吉にだまされるのだが、やはり私があの人の面倒をみなくてはという気持になるのだった。こんどこそ柳吉とは離れないかくごで、蝶子は金を用意して房州へでかけていった。