息子(1991)

劇場公開日:

解説

田舎に住む父親と都会でフリーアルバイター生活を送る息子との対立と和解を通して、家族の真の幸福を描くドラマ。椎名誠原作『倉庫作業員』を基にした映画化で、脚本・監督は「男はつらいよ 寅次郎の休日」の山田洋次。共同脚本は同作の朝間義隆。撮影は同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。主な出演者は「釣りバカ日誌3」の三國連太郎、「喪の仕事」の永瀬正敏など。

1991年製作/121分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1991年10月12日

ストーリー

東京・新宿の居酒屋でアルバイト生活を送る哲夫のもとへ、ある日、父・昭男から電話がかかってきた。「母親の一周忌だから帰って来い」という昭男の言葉に重たげに受話器を置く哲夫。数日後、浅野家の法事が行われている岩手の田舎にアロハシャツにジーンズ姿で駆け込む哲夫は、親族が集まる中で居心地悪そうに席につく。その夜、久びさににぎわう浅野家では、東京でサラリーマン生活を送る長男・忠司夫婦が、昭男の今後の生活について心配していた。そして翌日、それぞれに自分たちの生活に帰っていく子供たち。そんな中でひとり居残る哲夫だったが、東京でのフラフラした生活を父にたしなめられ、お互いの心の溝を深めるばかりであった。東京に戻った哲夫は、仕事を変えて下町の鉄工場で働くことになる。肉体労働のきつい仕事に半ば諦めかけていた哲夫の前に、取引先の倉庫で働く征子という女性が現れ、それによって哲夫の仕事は意外に長続きするようになる。しかし、哲夫と征子の間柄はいっこうに進展を見せず、毎日会っても微笑むばかりの征子にもどかしさを感じた哲夫は、その想いを手紙に書いて征子に渡す。そんなある日、いつものように倉庫に出向いた哲夫は、そこで征子の先輩の女工から、彼女がろうあ者だと聞かされ衝撃を受けるのだった。そして夏が終わり冬になった。戦友会に出席する為に昭男は上京して、忠司が東京近郊に買ったばかりのマンションを訪れる。忠司夫妻は昭男に、「このマンションの奥の六畳間に父の部屋を用意したから、ここで一緒に暮らそう」と言う。そんな忠司の誘いをかたくなに断った昭男は、岩手への帰り際に哲夫のアパートを訪ねた。哲夫が落ち着いて仕事をしていると聞いて安心する昭男。そして哲夫は、「結婚したい女性がいる」と昭男に征子を紹介するのだった。前にも増して美しくなった征子を前にドギマギする昭男は、彼女と一所懸命言葉を交わし、手話やファクシミリでやりとりしているふたりを見ながら、不思議に身体の芯から暖まるような安らぎを感じるのだった。征子の帰ったアパートで哲夫は、昭男の歌を初めて聞く。それは美しい歌ではなかったが、父の真のうれしさがこもっていた。そして哲夫の結婚を心から喜ぶ昭男は、東京で買ったファクシミリを持って雪の降り積もる岩手の実家へと戻るのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第15回 日本アカデミー賞(1992年)

受賞

作品賞  
主演男優賞 三國連太郎
助演男優賞 永瀬正敏
助演女優賞 和久井映見

ノミネート

監督賞 山田洋次
脚本賞 山田洋次 朝間義隆
音楽賞 松村禎三
新人俳優賞 永瀬正敏
新人俳優賞 和久井映見
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映画レビュー

4.0聾唖の和久井映見が可愛すぎ

2024年11月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

難しい

田舎から都会に出た息子二人(妹は地元で結婚→浅田美代子)と配偶者(音無喜美子?)に先立たれ、一人で岩手の雪深い村で暮らす父とののやり取り 男が一人で生活するのはこの時代ではかなりの難ありで、先ず長男が面倒をみようと頑張るが… 次にできの悪い私のような次男が聾唖の彼女を連れてきたりと…
人生色々 家族も色々 でも田舎ではあるあるですけど…

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ろくさん

5.0三國連太郎さんの円熟した演技に惹きこまれました

2024年5月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

#神保町シアター さん特集上映『戦前戦後――東京活写 映画の中で生き続ける、失われた東京の風景』にて #山田洋次監督『#息子』(1991)を久々に鑑賞。

#三國連太郎 さんの円熟した演技に惹きこまれましたね。
対する #永瀬正敏 さん、#和久井映見 さんの瑞々しい演技。
さらに #いかりや長介 さん、#梅津栄 さん #田中邦衛 さん、# レオナルド熊さん、#ケーシー高峰 さん #松村達雄 さん #原田美枝子さん #浅田美代子 さん…脇も豪華で素晴らしかったですね。

バブル華やかなりし頃の1991年。
新宿界隈は高層ビルと古いアパート群が立ち並ぶ、ごちゃごちゃした街で懐かしかったですね。

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矢萩久登

4.5よかった。

2024年5月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 2件)
kazu565

4.52024年7月17日 追記しました

2024年1月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

萌える

山田洋二監督得意の家族と恋愛の物語。
父と息子、男と女の人間関係、障害者とのコミュニケーションなど、当時の価値観をリアルに描いている。
田中邦衛さんと和久井映見さんの演技が良い。

〜~~~~~~~~~
{追記}
2024年7月17日放送のBSトゥエルビにて再視聴しました。
VHSビデオや女性のファッションが懐かしいです。あらためて観ると、笑えて泣ける傑作ですね。三國連太郎さん、永瀬正敏さん、原田美枝子さんも魅力的です。
ピアノ伴奏のBGMが面白いです。
『進撃の巨人』のミカサが大事にしている赤系のマフラーは、もしかしたら今作からインスパイアされたのではないかと思いました。

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Don-chan