Mr.Pのダンシングスシバー

劇場公開日:

解説

ベトナム戦争の悪夢に苦しむ黒人寿司職人の夫と、そんな彼を支える日本人妻との愛の軌跡を描いたドラマ。監督は「あふれる熱い涙」の田代廣孝。脚本は、田代監督と夫人の田代智子の共同。撮影を「LUCKY DEVIL」のサーシャ・レンドリックが担当している。主演は、「ロックアップ」のフランク・マクレイと「ドラゴン/ブルース・リー物語」のナンシー・クワン。尚、本作はサンダンス・インスティテュートを初め、NHK、NHKエンタープライズ21、西友、キネマ旬報社が提携し、次世代の映画監督を発掘する"96年度シネマ100/サンダンス国際賞"の日本賞(脚本)を受賞し製作された作品である。

1999年製作/90分/日本
原題:Mr.P's Dancing Sushi Bar
配給:シネバレエ
劇場公開日:1999年9月25日

ストーリー

1995年、ロサンジェルスのベニスビーチにある"江戸寿司"で働く黒人看板シェフのブルースは、未だベトナム戦争の悪夢に苦しみながらも、Tシャツ・ショップを営む妻・ミツコと幸せに暮らしていた。ふたりの出会いはベトナム戦争中の横須賀。脱走兵のブルースを、反戦市民活動をしていたミツコが匿ったことに始まる。ある日、ブルースは江戸寿司の支配人・横山から店長になって欲しいと言われ大喜び。ところが、東京本社は横山の提案を却下。その決定に怒ったブルースは横山を殴り仕事を辞めると、自分の店を開くべく資金繰りに奔走を始める。だがその最中、ミツコに日本で暮らす別れた夫と息子が交通事故で半年前に死んだという訃報が届くのだった。哀しみと数々の困難を乗り越え、漸く"Mr.Pのダンシングスシバー"を開店させたブルースとミツコ。店はふたりの予想以上に繁盛するが、その一方で忙しくなったふたりの間には次第に溝が出来始め、やがてふたりの関係は離婚という結末を迎えてしまう。それから数カ月後、ブルースは人生の再起を賭けてホーチミンへ旅立った。ベトナムへ行けば、自分の心に巣くう傷が癒えるかもしれないと思ったからだ。そんな彼を心配して、ミツコもベトナムへ飛んだ。再会したふたりは愛を蘇らせ、ブルースの心の傷も癒える。水田が広がる村、そこでミツコは店の名前の由来を初めて聞かされる。Mr.Pとは、平和ピースのPであったのだと。だがそれを語った後、ブルースは水田の中に倒れてしまうのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0黒人の寿司職人。なかなかいないと思う。

2021年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ベトナム戦争終結から20年経ち、記念平和式典が行われるというニュースを聞き、ムッとするブルース。店長横山は一旦はブルースを板長にすると約束したのに、チェーン店の悲しさで、東京本社からはずすように命じられた。黒人差別があったのかもしれない。それまで38回も転職した経緯もあるし、あにかとカッときやすい短気な性格。

 それでも夫婦の絆は硬かった。ミツコは反戦デモ、ブルースはなんと脱走兵。彼女が再婚になるのだけれど、ブルースの愛が強かった。ミツコの元夫と息子が死んでいたという事実を知って嘆き悲しむ様子も痛々しい。

 やがてタイトル通りの自分の店を出すに至り、しばらくは順調だったのに、ミツコと衝突したりして、結局手離すことに・・・そして悪夢の正体であるベトナムへ行くブルース。ミツコとは離婚。なんだか急展開につぐ急展開で心理描写もままならない。戦友と殺してしまったベトナム人の供養のため祈りを捧げるシーンは良かったのに、なんだか疲れる映画だった・・・

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kossy

4.5これだよ

2008年9月2日

悲しい

怖い

興奮

私がアカデミー協会委員なら間違いなくこの作品に投票するだろう。
史実を基づいた作品になっておりあまり描けなかった細かいとこまでストーリーにしておりそれが怖くそして考えさせる。
2人のデンゼルワシントン、ラッセルクロウの演技は勿論、脇役にも相当力をいれており観ていてうならせる演技をする。
悪と正義、そして悪の中にも更に悪といった描写と正義を貫く姿勢の中に不真面目な私生活が人間くさくそして素晴らしい。
その当時の犯罪、麻薬、そして今まで知らなかった戦争の裏側など・・・どこのシーンをきってみても上手くスリリングに人間描写に優れたものを観せてくれたこの作品にありがとう!これ観なきゃかなり損するよ。

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ましゃ
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