魔界転生(1981)のレビュー・感想・評価
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日本映画史に残るクライマックスの名殺陣
Huluで3回目の鑑賞。
原作は未読。
小学生の時分にMBSでの深夜放送を録画して観て以来、大好きな本作を久しぶりに鑑賞した。
伝奇時代劇としての面白さ、漂う不気味さ、溢れるエロス、見事なアクションに魅せられる。
道を究めた者たちの無念を巧みに突き、魔界衆に転生させる天草四郎の妖しさは天下一品だった。
途中から天草四郎と魔界衆の暗躍よりも、柳生十兵衛と宗矩の父子の情と剣士としての業の相克のドラマとしての側面が強くなっていき、主題がブレている印象を受けるが、テンポ良く編まれる物語のスピード感にそんなことは忘れてしまう。
柳生十兵衛対宮本武蔵や柳生宗矩対宝蔵院胤舜と云った、実際にはあり得なかった夢の対戦カードにテンションが上がった。殺陣巧者の千葉真一(柳生十兵衛)と若山富三郎(柳生宗矩)だからこその凄まじいチャンバラが物語を彩っていく。
十兵衛と宗矩が激突するクライマックスは、日本映画史に残る名チャンバラだ。紅蓮の炎に巻かれる江戸城にて相見える両者。父子としてではなく、剣士として向かい合う。宗矩の、息子と好敵手として戦いたいと云う業の激しさを体現しつつ、魔界衆としての妖怪じみた雰囲気を醸し出す若山富三郎の演技に圧倒された。この瞬間は、世界のサニー・千葉も呑まれてしまっている。演技力では負けているが殺陣のレベルは劣っていない。両者が打ち合う刀にこめられた気迫が並大抵ではなかった。命懸けの撮影であっただろう。それも相まっての、手に汗握り息を呑む迫力の死闘は、いつまでも観ていたいと思える。決着の瞬間も凄絶で印象深い。
[鑑賞記録]
2019/10/20:Hulu
2025/11/30:Amazon Prime Video
*リライト(2025/11/30)
魔物と妖刀と剣豪がおっぱい・・じゃなくて、いっぱい❗
転生した剣豪たち
原作より多少の改編はあるものの、この当時の演出としては上出来と思う。
おどろおどろしい雰囲気を醸し出した天草四郎(沢田研二)とあのセットは中々のものだし。
サニー千葉の当たり役、柳生十兵衛と激突する他の剣豪も遜色ない(笑)
武蔵(緒形拳)よりも柳生但馬守(若山富三郎)の方が父親の息子への嫉妬や意地が噴き出しており、役者の迫力が直に作品に影響している感じである。
江戸城での大立回りは当時のお歳を考えても凄いし、炎の中での十兵衛との死闘も迫力十分。酸欠になるくらいだったのはウソではないだろう。ただ炎が立ち上る激闘中、炎が邪魔しているのか?引いた映像が多かった気がする。
ジュリー沢田の天草四郎は当たり役だが、原作ほど大暴れしない。原作は髪切り丸で結構な敵を葬っていた印象が残っているのだが、映画ではビジュアル担当である。松平伊豆の上(成田三樹夫)とのサシの勝負で勝敗は解っているものの、急に成田伊豆の上が剣豪化しそうな気がしてヒヤヒヤした
真田広之とジュリー(笑)がキスするのにはビックリした。
山田風太郎原作について回るセクシャルな演出も原作より少ないけどだしてはいる。飛鳥裕子演じる甲賀くの一が胸をはだけさせられたりするし、佐梛晃子の細川ガラシャも丸裸近い。
原作をかなり変えてそれ以上に性的な部分は変わっているが、例えこの時代でも、あの内容で映画化は無理だろ…。
私のお気に入り、福本清三先生も甲賀忍として登場し伊賀の村を焼き払う活躍(笑)を見せるが宝蔵院胤舜の十字槍に散ってしまう…
原作では田宮坊太郎(尾張柳生の認可持ち、居合い)、荒木又右衛門(新陰流、鍵屋の辻)、尾張柳生の如雲斎(尾張柳生の兵庫助)などを含めた魔界衆で構成されるがこの作品には登場しないし、うろ覚えだがラストの対決は宮本武蔵だったような気がする。天草四郎を沢田研二が演じた事もあってラストに持ってきたのかな?
千葉真一VS沢田研二!!
エロあり笑いあり恐怖ありで魅力的
とても豪華
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