劇場公開日 1988年4月16日

「「終戦80年の8月15日に②〜自己責任の国の“忘れもの”」【追記あり】」火垂るの墓(1988) ひなさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 「終戦80年の8月15日に②〜自己責任の国の“忘れもの”」【追記あり】

2025年8月15日
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鑑賞方法:映画館、TV地上波

泣ける

悲しい

癒される

『火垂るの墓』を再鑑賞して、驚いたことが二つあります。
一つは、この作品のレビューが70件と少ないこと。

もう一つは、この映画がPG12ではないこと。
確認したら、映倫のレイティング・システムがG/PG12/R15+/R18+に改定されたのは、公開から21年後の2009年5月1日でした。

1988年の公開時に『となりのトトロ』と2本立てで観た時、子どもだった私には「戦争映画のトラウマ」になりました。
両親は戦争を知らない世代で、祖父母は早くに他界したので、戦争について身近に話す人がいなかったこともありました。

今夜の金ローは7年振り14回目の地上波ノーカット放送、番組告知は「終戦80年の日、家族で見てほしい!」
名作であり秀作ですが、Parental Guidance(親の指導・助言)が必要な作品だと思います。

高畑勲監督の言葉を引用しておきます。
「本作は決して単なる反戦映画ではなく、お涙頂戴のかわいそうな戦争の犠牲者の物語でもなく、戦争の時代に生きた、ごく普通の子供がたどった悲劇の物語を描いた」

「この映画では戦争は止められない。映画で反戦を訴えるのであれば、“戦争を起こす前に何をすべきか”と観客に行動を促すことが必要だ」

【8月19日追記】
清太のモデルでもある原作者の野坂昭如氏は、自身の本の中で語っています。「妹が次第に疎ましく感じて、妹が死んだ時にほっとしてしまった。それが本心だった」

アニメ映画化が決まった時に、野坂昭如氏は念を押したと言います。「絶対に僕(清太)を善人のようには描かないでください」

【8月22日追記】
8月22日NHK放送「首都圏情報ネタドリ!
戦後80年 いま見つめ直す『火垂るの墓』」

戦後80年の今年、スタジオジブリのアニメ映画『火垂るの墓』が再び注目を集めている。

空襲で母を亡くした14歳の少年と4歳の妹が生きる姿を描いた高畑勲監督。没後に見つかった7冊の創作ノートには緻密な空襲の描写が。その原点は9歳の時の戦争体験だった。

一方、高畑監督は「これは反戦映画ではない」と語っていた。いったいなぜ?高畑監督と交流のあった太田光さんとともに、映画が現代に投げかけるメッセージを考える。

✎____________

終戦80年の今年、戦争をテーマにした映画の公開が続きます。

『木の上の軍隊』『長崎 閃光の影で』『この世界の片隅に(再上映)』『雪風 YUKIKAZE』、『太陽の子(特別版)』『遠い山なみの光』『宝島』『ペリリュー 楽園のゲルニカ』、『あの星が降る丘で、また君と出会いたい。』…

8月15日にレビューを残しておきたいと思い、旧作から戦争映画の名作2本を選びました。

P.S.
靖国神社のそばに、「遊就館」という戦争記念館のような施設があります。
明治維新、日清・日露戦争、第二次世界大戦までの歴史、日本が開戦という選択肢を選ばざるを得なかった経緯が伝えられています。

銃弾や血痕の跡が残る軍服や装備品、零戦や回天、特攻兵の写真や手紙、展示の前で立ち尽くし語る言葉を失くします。
政治信条や思想とは別に、東京に来られる機会があれば足を運んでほしい場所です。

現代の価値観で歴史を裁くことは、愚かなことかもしれないと考えることもあります。
それでも毎年8月15日という日には、体験したことの無い「戦争」を振り返りたいと思います。

✎____________

1988年映画館で鑑賞
BS・地上波で鑑賞
8月15日地上波でノーカット放送鑑賞
8月15日★★★★★評価
8月15日レビュー投稿
8月18日レビュータイトル編集
8月19日レビュー追記
8月22日レビュー追記

ひな
AKIRAさんのコメント
2025年9月15日

ありがとうございます!気を付けてみます!

AKIRA
AKIRAさんのコメント
2025年9月15日

ひなさんへ
お返事ありがとうございました!(「火垂るの墓」のコメント不可はどうも操作を誤ってしまったようで直らず、すみませんでした)

読ませて頂き、私もひなさんのご意見と同じ気持ちです。

うちの隣町の川越市に祀られている、徳川三代に仕えた天海上人という方が、「この世で一番悲惨なものは、戦である」と天下泰平の世づくりを目指したという事を昔聞いた覚えがあります。

現代、これから人間はどこに向かうのでしょうか...
今後ともよろしくお願いいたします。

AKIRA
AKIRAさんのコメント
2025年9月13日

 お世話になっております!私の拙いレビューにいくつかポチっとしていただきありがとうございます!今回実は、「火垂るの墓」のレビューが少ないというあなたのレビューを読ませていただき、背中を押されるように、以前から「書こうかなあ...でもなあ...」と思っていた思いを思い切って書かせていただきました。
 私も以前「遊就館」に行ったことがあります。当時靖国がニュースになるまで行ったことが無かったのですが、実はポップアートの展覧会に行く前に靖国に寄ってみようと思い立ち、そこで遊就館の存在を知りました。遊就館を出た後、展覧会に行く気持ちにどうしてもなれなくなり、そのまま外苑の方まで歩いて行って帰途についてしまいました。
 「自存自衛」への流れ、そこからいかに「玉砕」などという間違った道へ進んでしまったか、頭の中をグルグルとして歩きでもしないと気持ちの整理がつかなくなってしまったんですよね。
 外交は高度な問題だと思います。でも事に至った時、目的と手段を間違わぬよう、戦争は目的も手段もうやむやにしてしまうものだとも、遊就館にて感じた次第なのです...

AKIRA
k kさんのコメント
2025年9月10日

ひなさん、こんにちは。
NHKの番組見ました。
太田光さんのコメントの文字起こしもありがとうございました。

人間が生きるのに必死な時に良いとか悪いとか断罪できない。

その通りですよね。
生き残る為にその瞬間、瞬間を必死な時に善悪を考える余裕なんてないですよね。

今現在、世界では飢餓に苦しむ人達が大勢いて、支援の食料を必死に奪いあう姿が映像に流れますが、他人事ではない、日本だって食料危機がくれば同じことが起こると自分事に落とし込むようにしています。

今なら駅で子供が倒れていたらすぐに助けようとみんなが集まってくれると思いますが、80年前は餓死寸前の子供たちはたくさんいて、もう見て見ぬふりをするしかない状態だったのだなと思います。

自分の分の食料を得るだけでも大変な時代。
私の母は農村で着物とお米を交換して帰る際に米の重みで下駄が割れてしまったそうです。
それがとても辛い思い出として忘れられないようでした。
たかが下駄かもしれないけど、もう八方塞がり、踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、悲しかったようです。

「火垂るの墓」を通じて戦争を知らない世代(私もそうですが)に何かを感じとってもらえたら、この映画の存在価値はそこにあるような気がします。
戦争、気候変動、地震、自然災害と明日も今日と同じ暮らしができるなんて保証はないのが現実ですが、それでも私は今日を生き延びることができたことに感謝して、瞬間瞬間を精一杯生きようと思います。

k k
モアイさんのコメント
2025年8月25日

ひなさん
フォローありがとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします。レスポンス遅くて申し訳ありません💦

書き起こしてくださった太田さんのコメントをヒントにしますと、「反戦」というものは大前提としてあって、その上で様々なテーマや想いを込めましたって意味での「反戦映画ではない」という高畑監督の発言かもしれないなと思いました。「反戦」一辺倒の作品にしたつもりはないですよというような…。

本作が観るたびに印象が変わったり新たな発見があるのも「反戦」というメッセージ一辺倒で作られた作品ではないからなのだろうなと思えてきました。
そうするともう一つの『状況は深刻でも日々の営みを楽しめる人を描きたい』という言葉の意味もぼんやり見えてくる気がします。
戦時下での生活の中でも楽しみを見出す兄妹の姿に人間の強さや逞しさを感じる事もできるような気もしますし、共同体からはみ出してしまった幼い命の脆弱さを感じることもできます…。
おかげでなんだかこの作品への理解が一歩深まったような気がします。ありがとうございました。

本作を繰り返し見ている人が少ないとお嘆き?のようですが、1年に1度くらいのスパンで観ても前回の鑑賞の印象が残っていて先入観ありきの鑑賞になってしまうような気がします。前回観た時の印象が薄れるくらいの長いスパンで観た方が新しい発見もしやすいような気がするのです。そうすれば今は清太の自己責任論を唱える人も本作から新しい何かを発見するのではないのかな?と気長に考えております。
本作はまだまだ後世に語り継がれる作品でしょうし、それだけ芸術としての強さ、存在感を持った作品だと思うのです。

それでは今後ともよろしくお願いいたします。

モアイ
ひなさんのコメント
2025年8月25日

モアイさま&ふわりさま🙂

8月22日NHK放送「首都圏情報ネタドリ!
戦後80年 いま見つめ直す『火垂るの墓』」🤔

特集番組を観ていただきうれしかったです、コメントもありがとうございました🤭

番組ゲストの太田光さんのコメントは、深く共感して腑に落ちました😙

NHKプラスは1週間配信なので、太田光さんの言葉を書き起こして、ここに残しておきます🫡

✎____________

「良いも悪いもないじゃないですか、あんな時に。人間はそうやって、誰もが自分が生きるのは必死でって時に、良いとか悪いとか断罪できないよね、人のことをね」

「何となく人間的じゃないって今からしてみりゃ思うかもしれないけど、あれが人間としてやれる限界なんだ、あの生き方しかね、なかったんだってことも思うし」

「だから善悪ではないですよね、もう我々は常にこういうことは起きたんだということを、忘れないでいるっていうことぐらいしか、もう僕たちにはできなくてっていうことですよね」

「簡単な言葉なんですよね、ある意味「戦争反対」って言うのは、大抵戦争反対ですよ、みんなね、戦争をしてる人ですらね、こんなことやらずにすむならって思ってますよね」

「一口に反戦作品と言われたら、その範囲じゃ収まんない思いがその中にあって、逆に言うと、戦争というもののせいっていうだけのことにするなよ、っていうのがあるんじゃないのかな」

「高畑さんもそのこと意識してるから、あの空襲体験っていうものを、自分がひとくくりに反戦ですっていうふうに自分が決めるわけにはいかない、だからこそこの作品をつくったんだから、高畑さんの「ワンフレーズにしないで、このことを」って気持ちが強いんじゃないかと思いますね」

「それは高畑さんが言っていたように、あの頃亡くなった人たちが僕らを見ているんだということに尽きるんじゃないですか、高畑さん自身もそれを感じながら、多分このアニメーションを作った、だからこそその人たちに顔向けできないことはしたくないというか、そういう思いが強いのかもしれないですね」

✎____________

ひな
ふわりさんのコメント
2025年8月25日

ひなさん、こんにちは。たった今、NHKプラスで見ましたよ。教えてくださりありがとうございました!
この短い番組でも、私は泣けてたまりませんでした。それほどに「火垂るの墓」が強烈で心に突き刺さる作品なんだと改めて実感しているところです。
製作意図はどうあれ、高畑勲監督は戦争の体験者として、また映画人として、大きなものを残してくださったなと思います。

ふわり
R41さんのコメント
2025年8月24日

返信ありがとうございます。
小説でも映画でも、初見の印象とまた見たときの印象が変わることがあります。
対象である小説や映画は変化しません。
観察者である「私」が変化したのです。
これは対人関係や過去の想い出にまで当てはまります。
世の中は変わりませんが、私とは常に変わっていきます。
だから今この瞬間感じたことこそ、今の私自身なのです。

R41
モアイさんのコメント
2025年8月24日

ひなさん、共感・コメントありがとうございます。

「首都圏情報ネタドリ!戦後80年 いま見つめ直す『火垂るの墓』」の情報もありがとうございます。大変興味深く拝見いたしまして、この映画をして『反戦映画ではない』という高畑勲監督の言葉に困惑し、正直ますますこの映画をどう受けとめていいのか分からなくなりました😂
ただ同時に『状況は深刻でも日々の営みを楽しめる人を描きたい』という言葉には説得力を感じましたね。くわえてまだご存命な高畑勲監督のお姉さんがサクマ式ドロップ缶に水を注いで飲んだ経験を恥ずかしそうに、でも楽しそうに語っているの様子がとても印象的でした。

今では正気の沙汰とは思えないあの伝説の同時上映をご経験されているとは何とも羨ましい限りです。私もひなさんとそう変わらない世代だと思うのですが映画館では本作を見ていないのです。確かにトラウマでしょうけど、それでもよい経験をされたのではないかなと他人事にのんきに思います。

私たちは学校でひたすら戦争は悲惨だった。あんなことは2度と繰り返してはいけない。という戦争トラウマ教育を散々受けてきましたよね?正直出来の悪い私はまたその話か…と年齢がいくにつれて内心飽き飽きしていましたし、何となく反感も抱いていました。なのでその延長線上にあるように感じる日本の戦争映画もあまり好んで見ないんですよね。ただこの歳になって、21世紀にもこんなあからさまな侵略戦争が行われ、周りの国々はその様子を指をくわえて見ているだけという事実にかなりショックを受けました。いくら不真面目でもやはり刷り込まれた戦争に対する忌避感、嫌悪感ってしっかり抱えているんですよね。なのでひなさんの仰る「戦争映画の入口のハードルは低く広く、伝えること、忘れないこと、それでいいと思っています。」という意見もよく分かりますし、日本の戦争トラウマ教育を国内だけでなく世界に向けて発信するべきだと思うのですよね。なので色々不満はあるのですが岸田前首相がG7首脳たちを広島の平和記念資料館へ連れて行ったのだけは凄く良かったなと今でも思うのです。

ごめんなさい、なんだか取りとめもなく長くなってしまったのでこれで失礼いたします😌それでは

モアイ
R41さんのコメント
2025年8月24日

コメントありがとうございます。
高畑勲さんの視点 それがそのまま多くの視聴者の心に届いています。
原作の野坂昭如さん 自叙伝ということもあって条件を出したのも納得できます。
そして、物語は一辺倒しかない場合、1回見て終わるのですが、多義的要素があれば、裏設定を読み解くのも楽しみ方です。
何度も見た作品 同じ感想が続き、ようやく裏設定が見えたことで今回レビューしました。

R41
とみいじょんさんのコメント
2025年8月22日

お返事をありがとうございました。

いろいろと知識のご伝授ありがとうございました。
 でも、ちょっと興味ないかな。
 高畑監督のわが道を行く姿勢は『太陽の王子ホルスの大冒険』でもそうでしたし。

レビュー数の多さよりももっと大切なことがあるのだと思います。

>貴レビューからの抜粋
「高畑勲監督の言葉を引用しておきます。
「本作は決して単なる反戦映画ではなく、お涙頂戴のかわいそうな戦争の犠牲者の物語でもなく、戦争の時代に生きた、ごく普通の子供がたどった悲劇の物語を描いた」
「この映画では戦争は止められない。映画で反戦を訴えるのであれば、“戦争を起こす前に何をすべきか”と観客に行動を促すことが必要だ」

この言葉を借りれば、「自己責任」という感想が出てくるのも、監督の狙い通りなのではと思ってしまいます。清太のようにならないようにするには、どう生きたらいいのかを考えることが大切なのでしょうね。

だとしたら、私たちがどう行動するかだと思っています。
 『ホテル・ルワンダ』に出てくる台詞「ニュースを見て怖いわねで終わりだ(思い出し引用)』とあるように、この『火垂るの墓』を観て「ひどいわね」で終わらせないために私たちがどう行動するか。

私自身は『パラダイスナウ』の主人公と同じことを言っている子どもたちのケアに力を注いでいます。

ひな様はどんな行動をされていますか?

とみいじょん
♪エルトン シンさんのコメント
2025年8月22日

ひなさん
コメントお返しいただきありがとうございました。
「戦争映画の入口のハードルは低く広く、伝えること、忘れないこと、」
全く同感です
日本は被害者という立場だけでなく加害者という立場でもあることを忘れてはいけませんね

この地球が「猿の惑星」にならないことを祈ります

♪エルトン シン
♪エルトン シンさんのコメント
2025年8月21日

レビュー、いろいろ勉強させていただきました
野坂昭如氏は私たち世代にとっては失礼ですがハチャメチャなおっさんだけれど多才というのが印象としてあります
「火垂るの墓」は多彩な才能が生んだんでしょうね
高畑監督に念を押したときはきっと酔っ払ってなかったと思います?!

5点満点映画の発見、楽しみにしております

♪エルトン シン
SAKURAIさんのコメント
2025年8月20日

こんばんは~

雪風のレビューに共感、コメントありがとうございます!

アイコンは1年以上前から飽きてたのでようやく変えたって感じです。

竹野内さんは大好きなだけに、本作を観て正直老けたな~って印象でした(笑)

作品の刺さる刺さらないはそれぞれなので難しいですね~。
またアイコンすぐ変えるかもです(笑)

SAKURAI
りかさんのコメント
2025年8月19日

ある方の意見では、
  心中 がテーマだとか、
またお考えを教えてください。

りか
りかさんのコメント
2025年8月19日

共感とコメントありがとうございます♪
書いていただいていた作品は観ています。良作だと思います。永遠の0については三浦春馬さんファンですが、岡田准一さんパートだけの方が良かったと観る度に思います。
自己責任というお考え、なるほどそうではありますが、僅か14才の少年がそういう判断をせねばならない理由を考えないといけないでしょう。

りか
とみいじょんさんのコメント
2025年8月19日

フォローもありがとうございました。
私もフォローさせていただきました。
これからよろしくお願い申し上げます。

とみいじょん
とみいじょんさんのコメント
2025年8月19日

共感とコメントをありがとうございました。

同時上映でこの話をお子様の頃にご覧になったとのこと。
 反応、そうなりますよね。
 私は遅れて別々に鑑賞し、後から同時上映と知りました。よくこの2つの映画を同時上映しようという企画が通ったなと。確かに昭和の頃は同時上映がスタンダードでしたが、映画の長さから言っても、幼い子用ではなく、大人向けかなと。約90分の1本見たら、幼い子は帰るとでも思ったのでしょうか?

本当に、この話は衝撃的です。
 とはいえ、レイティングとかポリコレについて詳しくは判っていませんが、制作年代・公開年を考えると、当時の製作者たちは、この映画にそういう配慮が必要だとは思わなかったのではないかなあと思います。
 というのは、そもそも、この話は原作者・野坂氏の体験が元になっています。また、監督は1935年生まれ。つまり、彼らにとっては、ごく日常のすぐそばにあった、清太=自分だったかもしれない物語です。
 この映画と『となりのトトロ』のキャッチコピーは「忘れものを、届けにきました」。公開当時日本はバブル期。経済侵略とも言いたいぐらいに狂騒的な時代でした。そんな風潮に、これらの映画を発表。こんな風に生きていった子どもたちを忘れないでほしいという思いだったのかと思ってしまいます。

ウクライナについて、今世界が動いていますね。
 とはいえ、力任せのガキ大将・トランプとプーチンの思い通りになりそうで悔しいです。
 要は、あのような人物に力を持たせない何かが必要だと思うのですが。日本も、新しい勢力が力を持ってくるのは頼もしいですが、目先のことしか考えられない人が増えている…教育の問題?先のことも考えるけれど、とりあえずは目先の経済問題?とか。情報の問題もありますね。米の高騰でJAが叩かれますが、じつは流通や倉庫の問題が大きかったとかもやっと報道されるようになりました。
 何かを”悪”と叩くと格好よく見え、聞いている方は安心しますが、そんなに世の中は簡単ではない(その戦法で国民を戦争に駆り立てたようすは木下監督『陸軍』が描写していますからご覧いただけると嬉しいです)。
 世の中は「風が吹けば桶屋が儲かる」なんだと思えば、周りの人への配慮もできるようになるのではないかと思うこの頃です。

長文失礼しました

とみいじょん
ニモさんのコメント
2025年8月18日

共感ありがとうございます。
戦中戦後、清太や節子のような道をたどった子がたくさんいたのだと教えてくれた本作品なのですね。
平和な世の中になるよう、心底願ってやみません。

ニモ
えーじさんのコメント
2025年8月18日

そんな経験が子供達に必要な筈です。全ての道の小石を拾っていまえば、転ぶ事の痛さも分からないまま成長してしまいます。それでは他の人心のキズも分からないまま大人になってしまいます。そんな人間に成って欲しく無いですね。痛みの分かる人となって欲しいです…。。

えーじ
えーじさんのコメント
2025年8月18日

ひなさん 熱いコメントありがとうございます。
「自己責任」…そんな方々が多くなりこの作品があまり放送されなくなったんでしょうね⁉︎ 其れの方がむしろ危ないと思います。なんでもかんでもポリコレやクレーム回避の為、自主規制する日本。

ある監督が言った言葉に「実際の体験のトラウマはよくないが、映像のトラウマは観るべきだ」そして考える事が大事だと思います!

えーじ
Don-chanさんのコメント
2025年8月17日

ひなさん、編集前への共感と 編集後へのコメントどうもありがとうございます。

戦争映画について語ってくださって嬉しいです。大東亜戦争は闇深いですから難しいです。

8月15日と言えば、ヤイコ、矢井田瞳さんが好きなもので… もとい、終戦記念日ですね。その日を狙っていたなんて、氣合いが入ってますね😊

『となりのトトロ』と同時上映を映画館で観たとは、羨ましい思い出ですね✨

Don-chan
k kさんのコメント
2025年8月16日

ひなさん、いつも深い洞察と
ものすごい情報量に感心しながら読ませていただいてます。

火垂るの墓は何度かテレビで見ていますが、戦争の悲惨さを淡々と描写し、変なお涙頂戴や美談になっていないところがすごいと思いました。

清太と節子が無数のホタルと戯れているポスターだと思っていたら、後にそれはホタルではなく、無数の焼夷弾とそれを落とすB29の機影が描かれているとわかり驚きました。

私の母は戦争体験者なので、東京大空襲で焼け出されました。逃げる時に上を見たらすぐそこにB29の青い機体が飛んでいて恐ろしかったと話していたことを思い出しました。
幼い子供たちに実写で残酷なシーンを見せることはハードルは高いですが、
リアルな戦争体験者の方が少なくなっていく現在、子供たちに戦争の恐ろしさ、平和の大切さを知ってもらうために火垂るの墓はとても大切な作品だと思います。

k k
りかさんのコメント
2025年8月16日

配信されているのを見つけました。
今から観ますね。
感想は後ほど。

りか
りかさんのコメント
2025年8月16日

ひなさま、
フォローしていただきましてありがとうございました♪
原作も読み監督がおっしゃってられるように当時の孤児たちの悲惨な描写にも辛く感じたものでした。
放送されていた頃は大概観ていましたが、しんどい思いを覚えています。不謹慎ですが、昨日見損ないほっと感じたくらい観るには覚悟のいる作品だと思います。
今後ともよろしくお願いします🙇

りか
りかさんのコメント
2025年8月16日

残念でした。今年は久しぶりに再放送されると楽しみにしつつwowowと勘違いして無いなぁと思い見逃しでしまいました。 残念😢
本作のレビューが少ないのは自分なら本サイトを覗く以前に鑑賞しており再鑑賞してからと思っていたからです。何年か前だと毎年放送されていた本作がいつからかなくなり今年久しぶりでした。80年だから、というだけでなく来年もまた放送して欲しいとは願います。

りか
ふわりさんのコメント
2025年8月16日

ひなさま
私はひなさんより上の世代で、両親が東京大空襲を経験していますが、戦時中の話をほとんど聞いたことがなく、もっと聞いておけばよかったと思っています。
トトロと二本立て覚えてます〜その当時鑑賞機会はありませんでしたが、繰り返し放送される名作ですね。

火垂るの墓は数年前の地上波で見て、つらかった記憶。もう二度と見ない!と思っていましたが、配信などで再度鑑賞しようかと思ってはいます。確か実写版もありますよね。聖子ちゃんが出てるのもあり、こちらもいつか見たいと思います。

ふわり