「14歳は子供だ」火垂るの墓(1988) jellyfishさんの映画レビュー(感想・評価)
14歳は子供だ
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清太がもし、意地でも親戚の家に居続けたら清太も節子も寿命を全うできたのかもしれない。
でもあの家から飛び出した清太を、我儘だとか意気地なしだとかは私は思えなかった。
清太が涙を流したのは盗みが見つかり警察に連れて行かれた後、節子が母の死を知っていたと分かった時の2回だけだったような気がする。
覚えてないシーンもあるかもしれないけど、母がむごい姿で亡くなった時には少なくとも泣いていなかった。まだたった14歳の少年が、あんな状況で泣かないのは異常だと思った。どれだけ色んな感情を諦め捨ててしまっているんだろう。それに加えて妹には辛すぎる現実から目を逸せるように気遣って、悲しみに向き合う時間すらない。心身ギリギリであろう状況になった後も、妹には決して荒れた態度を取ることはなかった。
それだけ自分の若い心を抑えた彼が、更に親戚にへつらって生きることまでは出来なかったのは責められないと思う。
充分精一杯生きて、最期まで妹の幸せを守ったように見えた。
(親戚のおばさんが悪いとも思わない。見返り無しに孤児2人を食べさせていくのはきつい。でも大人として清太をどうにか導いてほしかったとも思う)
清太は現代からタイムスリップした少年というような話が監督からあったようで、多分このように考えるのは自分が現代の若年層だからなんだろうなとは思う。
でも2人が若くして亡くなった責任を、清太が全て負わないといけないわけないだろうと思ってしまう。年相応の感情すら許されないような環境や時代が絶対におかしい。
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