冒険者カミカゼ

劇場公開日:

解説

大学の不正入学金を強奪、組織の追求をくぐり抜ける三人の男女の冒険を描く。脚本は「時の娘」の内藤誠、「蔵の中」の桂千穂、「さらば、わが友 実録大物死刑囚たち」の中島貞夫の共同執筆、監督は「従軍慰安婦」以来七年ぶりの鷹森立一、撮影は北坂清かそれぞれ担当。

1981年製作/115分/日本
配給:東映
劇場公開日:1981年11月7日

ストーリー

元オリンピック体操選手で、東西大学職員の神風大介は、女性ジョッキーを目指す金城ケイとふとした偶然で知り合った。二人はバッチリお酒落をして大金持ち紳士と令嬢風に、豪華なディナーを取るが、腹の中では、お互いに相手の金を計算しているから情けない。東西大学医学部学生、星野明は、体操部所属だが、鉄棒の練習をしている最中に、除籍通知を受けた。不正入学が露見して、大学当局の犠牲者となったのた。怒る明は仲間のグループと、不正入学金強奪を計画する。一方、大介も同じ問題で総務課を解雇され、愛人のみどりの後輩の海野と入学金を狙おうと心に決めた。二組の冒険者たちが狙う、現金輸送車が東西大学を出発した。大介たちのグループは運転席に蜂を放し、七億円強奪に成功した。その夜、三人はみどりの人形工房で祝杯を上げた。あまりの嬉しさに、みどりは工房の赤字を埋めるために堂島興業に借りた五千万円を、ソックリ現金で返すと電話をしてしまった。ヤクザの直感で何かを感じた堂島は、工房を若い者に襲わせた。海野とみどりは射殺されたが、大介は幸運にも酔って寝てたために命拾い、しかし、金は奪われてしまった。一足遅れて駆けつけた明とケイに助けられた大介は二人に、海辺にある堂島の別荘を狙おうと誘う。三人は冒険者の絆で結ばれた。三人は、カプセルに入れられて海中に沈められた現金を取り返すが、敵にケイを人質に取られてしまう。救出に冷たい大介を残し、明は現金を持って敵陣に乗り込んだ。しかし、堂島は金を受け取るが、ケイを離さず、明とともに射殺しようとする。そこへ、大介がグライダーで彼らを救出にきた。大立回りの末、二人は脱出する。三人はグライダーの格納庫に戻るが、敵の手が回っており、訪れていた大介の旧友、正平は殺されていた。再び三人は堂島の別荘を急襲した。金庫を破り、再び現金を手にした大介と明はケイの運転するトラックに飛び乗るが、運悪く、ケイが流れ弾に当って倒れてしまった。現金は手にしたが、いいしれぬ寂寥感に包まれる大介と明。そして、配分金をケイの家族に渡すため二人はケイの遺髪を抱いて、彼女の故郷、沖縄に飛んだ。だが、沖縄にケイの家族は誰もいなかった。近くにある島に渡る二人を堂島の一味が襲う。戦いの中、二人は辛うじて海に逃れた……。

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映画レビュー

2.5冒険者?

2024年5月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

アドベンチャーって犯罪者?なんかすっきりしない…。

Wikiによると、千葉氏が、プロデューサーの日下部氏に「好きな映画を作っていい」と言われ、『冒険者たち』をオマージュし、『明日に向かって撃て』と『スケアクロウ』のテイストを加えた原案を提出したことから、この映画は始まったらしい。
 オマージュされた作品も、テイストを加えられた作品も、恥ずかしながら未見なので、どう比較してよいのかはわからない。
 千葉氏の映画はそんなに観ていないが、この映画が製作されていた頃は柳生十兵衛のイメージが強い。その反動で、他の映画ではできないことを全部行ったかのような作りになっている。
 真田氏は、デビュー当時から多彩な役柄を演じていらっしゃるが、”主役”として売り出すと、忍者ものの他、現代劇では設定に違いがあれど、アクション主体と言う点ではこの頃の役そのまんま。
 ただ、「千葉氏が『冒険者たち』をやりたくて、相方が見つからなかったものの、相方として遜色ない真田氏が育ってきて(Wiki原文にままではありません)」というWikiの解説を読むと、この映画での二人のコンビネーションがはっちゃけているのもさもあらんと感慨深い。
 真田氏デビュー当時の真田氏を売り出す映画には、当然千葉氏も出演されているが、ここまでコンビ色が強いものはない。その師弟コンビを見るというポイントは高い。
 このコンビに紅1点となれば、志穂美さんを期待したいが、この頃志穂美さんは忙しかったそうだ。クレジットの無いカメオ出演はされている程度。残念。
 代わりに秋吉さんが入っている。秋吉さんのアンニュイ感は、それはそれとして良いんだけどね、千葉氏、真田氏とからむと相殺してしまう。

 ”格好の良い”の代名詞のような千葉氏、真田氏が演じられるのは、大学職員と医学部学生。千葉氏の方は”元オリンピック選手”で、真田氏の方は”体操部所属”ではあるが、ともに大学に不正入学をしたことで、大学を追われる。真田氏演じる学生が入学を取り消されるのはまだ理屈が通っているが、入学時が不正入学とはいえ、オリンピック選手として大学名を高めて、その後職員になっている人を今更そんな理由で退職するのは????が飛ぶが、映画の設定だから仕方がない。
 そして、それぞれ、安直なことを考えるのが発端。”トクリュウ”とかの藪に捕まってしまう若者が多いが、バブルの頃もいたのねと思ってしまう。
 そんなダサダサの役柄。他の映画との差別化?

 ここからの展開がもう口あんぐり状態。

 乗馬・スキューバダイビング・水上スキー・複葉機・グライダー・ハンググライダー等を次々とこなし、ゴージャスなレストランとか、『キーハンター』を思い出させるが、スタイリッシュではないし、今一つ緊張感もない。
 ファッションに限って言えば、ファッションスタイルは歴史を繰り返すというが、この映画でのセンスは復活しないであろう。
 格好良いのだけれど、あか抜けない、残念感が出てしまう。

役者も、JACの面々は見事なスタントを披露してくれるし、脇を固めて下さっている方も、主役を張れる華のある方が出演されているのだけれど、もったいない。

主題歌を真田氏が歌っている。歌がとびきりうまいとは言えないが、甘い声は聴きごたえがある。

そのテーマソングは千葉氏のこだわり。昔聴いて気に入った曲を気合を入れて探したらしい。曲は良い曲なのだが、この映画のテイストと合わない。

映画タイトルも、会社側ともめたらしい。結局お互いが折り合えるところに落ち着いたらしく、千葉氏は不満を持っていたようだが、この映画の出来上がりを見れば、会社側の提案でもよいのではと思ってしまう。
 千葉氏の提案で始まって、千葉氏がやりたいことを詰め込んだように思える映画なのだが、実はいろいろな人がかかわって、会社側の”売れる”ための戦略も大いに反映されたがゆえに、ブレブレになってしまったのだろうか?

ラストのロケ地は、現時点では驚愕ものだが、当時はこんな扱いだったのかと”遺産”等の価値づけについて、考えてしまう。

アクションと千葉氏・真田氏の師弟を観るための映画と割り切るしかない。

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とみいじょん