紅蝙蝠(1950)

劇場公開日:

解説

「戦火の果て」の服部靜夫の製作によって「殺人者の顔」の衣笠貞之助が、原作、脚色、監督に当っている。撮影は「鬼あざみ」の杉山公平、出演者は、「鬼あざみ」の長谷川一夫、「ごろつき船」の本間謙太郎、大河内傳次郎、「戦火の果て」の水戸光子、「姉妹星」の三條美紀、「甲賀屋敷」の長谷川裕見子、「決闘の河」の北林谷栄などが主なものである。

1950年製作/91分/日本
配給:大映
劇場公開日:1950年12月30日

ストーリー

江戸興行に初めて出演の上方役者中村紫近は、ひいき客の伊予屋の愛妾おりんからの呼び出し状で、その寮を訪れたが、主人甚右衛門に密会の現場を見つけられ、花札の勝負を挑まれる。勝負に負けた者が、日頃警戒の厳重な質屋分銅屋へ忍び込んで、床の間にある南蛮渡りの時計を盗んで来ること。見つかったら盗賊として突き出されてしまうし、万一見つからないときは、おりんを我がものとしてよいという条件であった。花札には仕掛があって、紫近は負けてしまった。約束通り紫近が分銅屋へ忍び込んでみると、主人の彦兵衛はすでに何者かに殺されていた。驚いて逃げ出した紫近は目明したちに追われて、左官屋角蔵の家へ飛び込んで一時を逃れるが、娘のお千世に見つけられ、飛び出して楽屋へ帰って来て、血に汚れた着物を隠すが、それも楽屋番の仁助に見つけられ、目明しの喜三次によって番所へ引き立てられて行った。喜三次は、紫近が分銅屋殺しの真犯人でないと睨み、わざと紫近を逃してやって、そのあとをつけてみる。一方、左官屋の娘お千世は、仕事のことで難癖をつけられ怒った角蔵が分銅屋を殺してやると飛び出して行ったまま、帰宅しないので心配していたが、角蔵が帰って来て、実は分銅屋へ行って殺人の現場を目撃したという。そこへ紫近が訪ねて来るが、角蔵は紫近を見て、犯人はお前さんとは人相が違うと言う。そして紫近が逃げ込んだとき落して行った雪駄を渡すが、それは紫近のものではなく、相弟子の右近のものと片違いになっていた。紫近は殺人の現場で慌てて自分のものと間違えて拾って来たのであった。それを確めようと楽屋へ帰って来た紫近を右近は色々と手を使って謀殺しようとするが、紫近の身辺を見張っていた喜三次によって捕えられた右近は紫近がおりんに逢いに行った後をつけ、伊予屋との一件を一部始終立聞きして、先回りをして分銅屋を殺し、その罪を紫近になすりつけて、自分が兄弟子の人気を奪おうと企んだのであった。この舞台だけは務めさせてやってくれと紫近の願いが聞かれて、右近は舞台に立つが、短剣で胸を刺して死んで行ったのだった。

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