平成狸合戦ぽんぽこのレビュー・感想・評価
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妖怪パレード
開発による自然破壊をテーマにしながらも、決してそれを悪としてのみ扱わない。むしろ問題としているのは、開発行為そのものよりも、それまで自らも属した環境を喪失することに無頓着であることであり、最後に観客に直接投げかけられるメッセージは、タヌキへの憐れみよりも、人類がしたことへの総括を人類自らが顧みることを促す。
生物は、生き物である限り、所与の環境でやっていくしかない。都会のカラスもそうだが、タヌキは母数を減らしても、排水溝の中でも、残された自然の中でも生きていく。無論、幸せな話ではない。淘汰された者も種もある。しかし、人は人として生き、動物は動物として生き、動物は人に駆逐されたかも知れないが、人は人で駆逐した後の環境で生きていかなければならない。
作品から25年経ち、多摩ニュータウンは既にオールドタウンとなっている。高齢化が進み、孤独が社会的な命題となっている。人間だって頑張らなければならない。
人間の物語
狸の姿を借りているが、これこそが昭和までの人間の姿だった。それが平成の大きな社会に生きるには、エナジードリンクの助けを借りてでも「人間」になりきらなければならない。それでこそストレスのない妻子の生活を成り立たせることができる。物語の中で、狸同士協力して大きなものに化けて戦って死ぬのはオスだけだ。
ここで化けられない狸は生きる場所を失う。
平成の過酷な世界。
びっくりするくらい大人向け。
改めて観るとすごく大人向けだった。
風刺と皮肉、そしてノスタルジーの世界だ。
変わる世の中。変わる故郷。
壊れゆく固有のコミュニティ。
この作品のたぬきたちは私たち。
あと思ったのは、この作品、語りの完成度がすごい。もはや落語の作品だ。
様々な分野からの引用、オマージュ。そして咄家さんのテンポの良い語り方。
物語に登場人物(たぬき)から一歩引いた目線が入るから、作品が湿っぽくなりすぎないのも良い。
メッセージ性はすごく強いんだけど冷静でもある。不思議なバランス。
生きてるのは人間だけじゃない!
何度か観る機会があったけどいつも観ずにいてやっとちゃんと観れました!
私的にジブリは当たり外れがあるから、ただ狸がワイワイするだけの映画かと思ったら凄くメッセージ性が強く今の社会問題に凄くドンピシャな映画で胸が熱くなりました!
生きているのは人間だけじゃない、人間が一番偉いわけじゃない、動物だって植物だって守るべき大切なものがある....自然破壊は絶対だめ!強く思いました....!!!
ぜひ大人の人に観て欲しい!これを観て考える事思う事は沢山あると思います! 死ぬまでにちゃんと観れて良かった
改めて見ると感慨深い。 やたら人間の為だけに便利に便利にと勝手にあ...
改めて見ると感慨深い。
やたら人間の為だけに便利に便利にと勝手にあれこれして。
だからといって自分は地球のために何かしているか?と言われるとそういうことではない。
何もしてないが、自ら環境を破壊するようなことは考えもしない。
だから便利な物がなければそれはそれでいい生活をしていた。
一部の前向き環境破壊バカがあれこれ考えるせいであれこれ開発される。
プラスチックを考えたやつも一見画期的な物を開発した天才に見えて実はとんでもない環境破壊サイコ野郎
眠い
あまりに擬人化されていて、どうしたものか。
言わんとしていることは分かるが…
映画館で観たいとも思わなかったが、TVも寝てて良かったかも。
今後、少子高齢化で騒がずとも自然化していくのでは?
ニュータウンは高度成長期時代のテーマな気もする。
フニャフニャになった狸が佐々木マキの絵みたいで可愛い… ぽんぽこ3...
フニャフニャになった狸が佐々木マキの絵みたいで可愛い…
ぽんぽこ32年とかキャッチーで好き〜
超好き〜〜
ジブリは自分に合わない事が多くていつも見ようか迷うけどこれは人間じゃなく(人間みたいだけど)動物が主体なのでとっても面白かった
最後はなんだかウルっと来てシリアスな主題だけど
狸のポップさで緩和されてスルッとはいって来る
どっこい、生きてるんだよぉ~
「金曜ロードSHOW!」で鑑賞(平成最後の放送)。
幼い頃から何度観たか分かりません。内容を理解するようになってからは、ユーモラスな描写と物語に籠められた鋭い風刺のギャップにやられてしまいました。
たぬきたちの生活は人間による環境破壊のせいで危機的状況に陥っているとは言え、作戦が成功したり、とにかく喜ばしいこがあると、すぐにどんちゃん騒ぎを始めちゃう…
とても大らかで心に余裕があるな、と…。中にはゴン太みたいな過激派もいますが、人間を追い出すための作戦を実行している最中も、どこか楽しんでいるような印象でした。
心の余裕とは、文明の進歩と共に人間が無くしてしまったもののような気がして、果たしてどちらが追い詰められているのか、ふとした瞬間に分からなくなるような感じがしました。
最終的に化ける能力を持ったたぬきは人間社会に溶け込み、能力を持たないたぬきはわずかに残された緑の中で暮らすことになりました。解決したのかそうでないのか、なんとも言えぬ結末を迎え、最後の最後にチクリと釘を刺されました…
製作から25年以上経った今も、痛切に訴え掛けて来るものがありました。人間とはなんと業が深い生き物なのだろう?
たぬきのように、おおらかに生きていくことが出来れば、もしかしたら今よりももっと幸せになれるのかもしれない…
平成から令和になっても、これから先何度元号が変わろうとも、ずっと観続けていきたい名作だと改めて思いました。
※修正(2022/08/06)
バブル
アニメ製作に着手し始めたのがバブル絶頂期で、公開されたのがバブル崩壊後と想像できる。テーマとしては自然の崩壊と人間・動物の共存があるような気もするのだが、子どもにこんなテーマがわかるのだろうか。金玉で笑うだけでしょ・・・
ワンダーランド社の社長は一枚上手ですね。やはり企業の親玉を化かさないとだめですね。末端との小競り合いばかりじゃ・・・それでも平和的に解決したことに拍手♪
驚いた
初見。
想像してたよりもずっとメッセージ性が強くて驚いた。
狸に感情移入して観ていた後半は、なんかこう痛々しくて辛くなる。
多くの子供が観るだろうこの映画で、この容赦のなさが高畑勲の怖いところだなーとw
ラストで少し救われた感じになるものの、最後の最後で一言チクリと刺すのを忘れないしね。
かなり深刻な問題をよくあそこまで愉快に描けるなあ
人間サイドの描写を極限まで抑えて感情移入させないのが凄い。自分も人間なのに…
94年の作品だけど、あの狸たちがいまの世界をみたら、人間総虐殺作戦におどり出ると思うなあ
ソイヤッサ!
狸が腹叩くシーンしか覚えてなかったこちらの作品。
意外なメッセージ性の強さと生々しい狸の死活問題をPOPに描いた狸vs人間の熾烈な戦争作品。淡々としているが仲間の狸も人間たちも続々と死者が出るし、狸サイドは政治的かつ組織的に人間との戦いに挑もうとする。
これ意外と子供向けじゃないぞ?笑
五カ年計画とか言ってたし、あのナレーションは子供には難しいだろうなぁ。狸かわいいーだけじゃ済まない自然との共存を考えさせる意外と大人向け?な映画。
故郷を守るために様々な作戦を決行するもそれが微妙に可愛らしくてシリアスさを感じさせない笑。百鬼夜行のシーンは人間に楽しまれてるし、トトロやらキキやら紅豚やら混じってて観客も楽しませてくれる。
でも最後のやっぱり人間には敵わないと言ってアニメ風の絵から急にリアルな絵になったシーン、あのシーンは笑ってはいけない気がした。
どうでもいいが昔に見た映画だってのと平成生まれのくせして90年代はすでに平成だったっていう事実に違和感をずっと感じているため、タイトルに平成がついてることが不思議でしょうがない笑。自分の中では昭和狸合戦だなと思ってる(意味不明)
人間の業の深さを狸を通じて・・・
「説教くさい映画」などと批判されがちな映画だが、高畑さんの映画はメッセージがストレートに内包されているというか、建築の骨組みが見える映画のような感じなのでこれはしょうがないっちゃしょうがない。だが
万人受けのいい映画には濃密なストーリーの中に宝探しのようにメッセージが含まれている気がする。
まあそのありあまるメッセージについて
映画を見て狸に同情して、里山への郷愁の念を感じることが多いのかもしれないが、この感想を抱いてはならないのかもしれない。
所詮この映画も人間の視点で自然に同情しているもので、ユートピアとして描かれてる里山も元々は人間が開発したものである。
環境保護を謳ってもそれは人間の自己満足に過ぎない。
ならどうすればよいのか?
どっちが各々にとって幸せなのか考え幸せな道を選ぶという形でいいと思う。
都会に暮らしていて、里山に憧れるのであれば、その人にとって都合のいい環境保護に身を投じればいいし、今の便利な暮らしがいい人は、なにもしない。こんなスタンスでいいんじゃないかなあ
他にもこのようなメッセージ性の他に、日本の古い民謡や伝承、農民の気質などが織り込まれていて楽しかった。
特に百鬼夜行のシーンは見事! お化けがお化けではない現代人の反応がリアルだった。
作画もさすが!の一言!
失われたもの、得たものが明確に見えた映画でした
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