風林火山(1969)のレビュー・感想・評価
全7件を表示
美人女優・佐久間良子の代表作かも!
稲垣浩監督による1969年製作の(165分)日本映画。原題または英題:Samurai Banners、
配給:東宝、劇場公開日:1969年2月1日。三船プロ制作(9作目)。
原作は読んでない。ただ、由布姫をひたすら想う山本勘助という基本構図は映画となっても普遍と聞く。並の美人女優では説得力無しだが、この映画の佐久間良子(1939年生まれ)は本当に目の覚める美しさと滲み出る色気で、それだけでも大満足できた。
見せ場となっている騎馬同士の戦闘シーンも、カメラワーク等で誤魔化さず、お金がかかってる感じで、とても良かった。地上では脚を引きずって歩く勘助・三船敏郎が、颯爽と馬を操って戦場で闘う姿は、流石に絵になると思った。
勘助に使える足軽歩兵として、緒方拳が戦場を駆ける姿も印象的。
監督稲垣浩、脚色橋本忍 、国弘威雄、原作井上靖、製作田中友幸、 稲垣浩、撮影山田一夫、
美術植田寛、音楽佐藤勝、録音西川善男、照明小西康夫、編集相良久、スチル飯高鋼。
出演
山本勘助三船敏郎、由布姫佐久間良子、於琴姫大空真弓、武田晴信萬屋錦之介、武田勝頼中村勘三郎(18代目)、板垣信方中村翫右衛門(3代目)、板垣信里中村嘉葎雄、武田信繁田村正和、飯高虎信志村喬、横田備中清水将夫、甘利備前守山崎竜之助、内藤修理中谷一郎、
小山田備中土屋嘉男、馬場美濃守久保明、秋山伯耆守瑳川哲朗、山県三郎兵衛堺左千夫、
荻原弥右衛門中村梅之助、畑中武平緒形拳、三条氏久我美子、諏訪頼茂平田昭彦、諏訪岩根市原悦子、笠原清重月形龍之介、村上義清戸上城太郎、上杉謙信石原裕次郎。
本格中の本格、正統派中の正統派 本物の時代劇を堪能できます
風林火山
1969年 三船プロダクション製作、東宝配給シネマスコープカラー作品
稲垣浩監督
3時間弱の超大作ですが、全くダレることなくあっという間に見終える面白さ
戦国時代の歴史に疎くともお話についていけます
浪人の山本勘助が信玄に仕えて死ぬまでが描かれます
クライマックスはもちろん川中島の戦い、武田信玄と上杉謙信の一騎打ちもしっかりあります
戦いだけでもなく諏訪由布姫と勘助のエピソードが縦糸になっておりさすが橋本忍の脚本です
本格中の本格、正統派中の正統派
本物の時代劇を堪能できます
しかもそれを明るくシャープな画面、広い画角、発色の良い色彩、明瞭な音声で
主人公は武田信玄と思いきや、その軍師の山本勘助で、それを三船敏郎が演じます
武田信玄は中村錦之助、
上杉謙信を石原裕次郎がそれぞれ演じます
セットも衣装も豪華チープさは微塵もありません
時代劇映画の最高峰のひとつだとおもいます
本作に肩を並べるか上回る作品は1980年の影武者か1985年の乱、ぐらいでしょう
三大スター、揃い踏み‼️
風林火山といっても武田信玄ではなく、彼に仕えた軍師・山本勘助の物語‼️信玄の軍師となった勘助は、非常な戦略と果断な処置もものともしない謀略の将となり、ついに上杉謙信との決戦を迎える・・・‼️三船さんが勘助を豪快に演じていて、かなりハマり役‼️信玄にはずけずけとものを言うのに、由布姫の前では実直さが出てしまう、まるでシラノ・ド・ベルジュラックみたいな三船さんが爽やかでステキ‼️そんな勘助と由布姫、勘助と信玄の人間関係や心理描写が見どころの一つ‼️そして稲垣監督本領発揮のスペクタクル・シーン‼️諏訪攻め、戸石城包囲なども見応えありますが、一番はクライマックスの川中島の合戦‼️スピード感あふれる騎馬戦の凄まじさと、杖をつきながら敵陣に殴り込む勘助の豪快なラスト‼️さすがは三船さん‼️
策士、夢に溺れる
DVDで鑑賞。
原作は未読。
三船敏郎、中村錦之助、石原裕次郎の三大スター競演。脇を固めるキャストも錚々たる顔触れ。まさに絢爛豪華な歴史超大作である。勇壮な映画とは本作のことを言うのだろう。
三船敏郎が演じる山本勘助は、とにかく目力がすごいし、全身から放たれる威厳が巡らす策に説得力を齎していた。
武田晴信(信玄)も中村錦之助が演じていることにより凄まじい存在感。三船・錦之助の収まる画面は重厚である。
上杉謙信(長尾景虎)の石原裕次郎も、セリフは無いが、謙信お馴染みの頭巾姿で馬を駆る姿のカッコ良さは異常。
東宝、東映、日活のスターがひとつの画面に収まるシーンは無かったものの、大作の貫禄を示すには充分だった。
由布姫を軸にした勘助、信玄の微妙な三角関係は、情愛と云う一言では言い表せないようなドラマ性があり、胸を打つ。
勘助の夢は、由布姫への愛が根底にあるように思えた。「策士策に溺れる」ならぬ「策士夢に溺れる」な展開は胸が痛い。
[以降の鑑賞記録]
2024/11/24:DVD
※リライト(2024/11/24)
錦之助×三船&裕次郎
錦之助と三船の、夢の様な2ショットがとにかく嬉しい。(クライマックスは錦之助と裕次郎の2ショットが見られる)
三船=勘助と錦之助=晴信よる2人の関係は、プラスとマイナスが混ざり合い強固な力となって行く。
“遙か彼方の夢”を見る=勘助と、“目の前にある物”を欲する=晴信。そして、父親の敵でありながら錦之助の妻となる佐久間良子の悔しさ。
しかし勝頼を身ごもった事で、次第に気持ちに変化が生まれて行く。
その佐久間を密かに想いながらも、立場上どうにもならない歯がゆさを“梅の樹”に託す三船。それを薄々感じている佐久間。
その辺りの細かな心理描写の脚本は、流石橋本忍といったどころでした。
合戦場面ではエキストラの動きが鈍重な為に、肝心な合戦シーンの緊張感が今ひとつ感じられ無いのが悔やまれるところです。
全7件を表示