HANA-BIのレビュー・感想・評価
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「ありがとう」「ごめんね」
監督と脚本は『あの夏、いちばん静かな海。』『キッズ・リターン』『座頭市』『アウトレイジ』『首』の北野武
ベネチア国際映画祭金獅子賞を獲得した話題作
記者会見で北野武が「今度はドイツ抜きでやろうぜ!」と発言しヨーロッパの記者団にドン引きされたエピソード好き
バイオレンスアクション
U-NEXTで配信されていないので地元のツタヤで借りたがアクションという分類で『菊次郎の夏』『キッズリターンズ』らとは別に分けられていた
北野武クラスなら監督別で並べてくれると助かるんだが
粗筋
刑事を辞め無職の西佳敬は担当医の提案を受け末期癌の妻は退院させ2人で旅をすることに
ハードボイルドのなかに暴力的で細やかなユーモアが散見
銃撃を受け死ぬまで車椅子生活を余儀なくされた西の相棒の堀部は自ら希望し西から画材などをプレゼントされた
絵を眺めているだけで描いているシーンがない
寡黙な妻は度々笑顔になるがなかなか喋らない
ラストでやっと台詞がある
結局2人は拳銃で心中することに
登場する絵の数々は北野武作品
顔だけ花の動物たちは独特
津田寛治が取り調べを受ける被疑者の役で出演しているが顔がはっきりと映らない
『ソナチネ』でも端役で登場している
当時寺島進に比べると役に恵まれてはいないがこの頃から早くも北野武監督に目をつけられていたんだなと
森下能幸が若かった頃はイケメンに思えた
独特の歯並びの悪さを披露しないせいでもある
この頃はシミとかなかったし
この頃は松田井子だった北野井子
松田は北野武の当時の妻の旧姓
北野武の娘だと思われるとなにかと面倒くさいからだろう
フライデー襲撃事件のこともあったし
井子の井は井戸の意味で井戸の水から生まれた心穏やかな子という意味があるらしいが実際のところはよくわからない
違和感を感じていたが今回やっとモヤモヤが解消された
違和感なんてなんてことはない単なる理解不足に過ぎないんだよな
物事は絶対にこうでないといけないという拘りが多いと違和感だらけの世の中になりストレスが溜まるわけだ
良くない良くない
だからなるべく自分は違和感という言葉を好んで使うことはない
違和感なんて頭が悪いwebライターが好んでタイトルとかでよく使う言葉じゃん
あれ本当に嫌い
嫌いついでに書くが北野武監督も例外に漏れず賛否が分かれる
嫌いな方は「なぜ高く評価されるかわからない」と不満顔
周囲に共感を強要する自己中というか寂しがり屋なんだろう
海外では高く評価されるが日本人は高く評価しないと宣う人もいるがあんた個人の好みを日本人全体の好みにしないでくれよ
僕はそういう人は大嫌いだ
あと本編には関係ないがこの作品のスタッフとキャストの飲み会で泥酔した岸本加世子が「オッパイの大きい女とばかりやりやがってたまにはオッパイが小さい女ともやってみろ」と半ば今すぐ抱くよう北野武に絡んできて武は冗談まじりに「一回だけ」と答えるエピソード好き
たけし軍団の面々を端役で出し過ぎなところとラストカットが娘という点がマイナス材料
配役
刑事を辞職しヤクザに借金し銀行強盗までやらかした西佳敬にビートたけし
余命わずかな西の妻の西美幸に岸本加世子
刑事時代の西の同僚で凶悪犯に銃撃された影響で車椅子生活を送ることなり刑事を辞め妻子にも逃げられた堀部泰助に大杉漣
刑事時代の西の部下の中村靖に寺島進
刑事時代の西の部下で凶悪犯の銃撃で殉職する田中に芦川誠
中村の部下の若手刑事の永井に逸見太郎
刑事課長に田村元治
刑事に納谷真大
刑事に小西崇之
西に金を貸した高利貸しのヤクザの幹部に西沢仁太
高利貸しのヤクザの一味で武闘派の東条正次に白竜
高利貸しのヤクザの下っ端に鬼界浩巳
高利貸しのヤクザの下っ端に森下能幸
高利貸しのヤクザの下っ端に佐久間哲
拳銃を所持している刑事2人を殺傷した凶悪犯に薬師寺保栄
弁当屋で働く田中の妻でシングルマザーの大家由祐子
青いツナギを着た2人組にショー小菅
青いツナギを着た2人組にガンビーノ小林
休憩中にキャッチボールをしている板前に柳ユーレイ
休憩中にキャッチボールをしている板前にお宮の松
短気なスクラップ屋の親父に渡辺哲
シンナー中毒のスクラップ屋の娘に岸菜愛
銀行前にいる暇な建設作業員に無法松
車に当て逃げされたチンピラに玉袋筋太郎
美幸の担当医に矢島健一
湖で水切りをするサラリーマンにつまみ枝豆
孫を連れて寺の鐘の前に立つ男にト字たかお
雪積もる土地の旅館の女将に松美里杷
凧を揚げる少女に松田井子
中村に取調べを受ける飲食店での恐喝犯容疑の男に津田寛治
盗難車のタクシーを売りに来る男にアル北郷
軽トラを運転中に事故によるトラブルに巻き込まれる田舎の中年男に関時男
借金を踏み倒そうと逆ギレし東条に頭を撃たれるヤクザに森羅万象
世界の映画評論家とは、ズレているような…
「その男、凶暴につき」の、不良警官を上品なストーリーと映像で変えたという
それだけの映画って気がしますね。
ビートたけし自身が描いた「俺の絵、キレイだろ」的な、いやらしい自己主張の
感じもしますし…
先に述べた様に、ただ映像がキレイなだけの映画っていう印象しか残って
いません…私的には。
「そして父になる」の是枝裕和監督や「スパイの妻」の黒澤清監督の様に
世界の映画祭で評価を決めている人と、日本人の映画ファンとは、認識や
評価にズレがある様ですね…
ヴェネチアで最高賞
クランキーチョコレート
主人公の心理状態を監督自身の絵による表現で代弁させる 北野武監督にしかできないことです
時制が複雑に入り組んで構成されています
どこまでが回想なのか、どれが現在なのか
中盤を過ぎてようやく、病気の妻と旅にでるところからが現在とわかります
しかし、その回想シーンも入れ子構造になっているようで回想の中で事件を思い返してフラッシュバックしたりします
混乱はしますが、観ているうちにわかる話です
人の記憶、それがあまり思い出したくない、しかし忘れようもない強烈な記憶ほど、直線的でなく本作のようなスパゲッティのように混乱したごちゃ混ぜの雲のようになっているのでは無いでしょうか?
冒頭の堀部刑事が撃たれるシーンはさつきが咲いていて初夏のようです
車椅子で浜辺に佇んでいたのは服装から秋から冬のようです
殉職した田中刑事の妻に会うのは、弁当屋のポスターから年明けのようです
雪の山奥の旅館と少女が凧揚げをする寂しい浜辺もそうでしょう
しかしそんな説明的なことはどうでも良いことでだだの背景であるだけです
不具となり家族を失った堀部元刑事の絶望と、同期する主人公の心理状態
それを監督自身の絵による表現で代弁させる北野武監督にしかできない高等な技が駆使されます
それこそが本作の主題なのです
華が頭の動物達
それは顔を失っている自分でしょうか?
華のように外面は美しく保っていても、本当の顔ではない
様々な動物と華の組み合わせをしてみます
それは、どれも本当の自分をみうしなっているということなのだと思います
自画像が描けないのかも知れません
後ろ姿ばかりの家族の思い出は、やはり取り戻したい昔の幸せな日々
楽しかった家族の中の自分といまの境遇の落差です
それは主人公西元刑事も同じなのです
もはや何ものかも自分でもわからないしろものなのです
しかし妻には心配させない顔でいます
ヒマワリの花の頭にライオンの体は、彼そのものです
そして打ち上げ花火の楽しかった記憶
それは西元刑事にもあった記憶なのでしょう
題名の意味は、楽しかった家族の記憶という意味なのでしょう
思い出を蘇らそうと、雪の中で点火する花火
それは今回の二人の旅そのものです
これこそがHANA-BI なのだと思います
小さいながら思い出は華を咲かせたのです
やっぱりと分かっていても笑いを取るのもさすがです
ラストシーンの凧揚げの少女は、高倉健主演の1978年降旗監督の冬の華のオマージュです
無心に遊ぶ少女と、その目前で殺し合う二人
そして傍観する人間
その映画も過去の忘れられない記憶が何度もフラッシュバックする映画でした
その作品には青いランプシェードも印象的に使われていました
本作でのキタノブルーは様々なシーンで色調を青み掛けていたりしています
特にお台場からカメラがパンしてレインボーブリッジと東京タワー方面を写すシーンは暮れゆく空が美しく青く撮影されています
これほど美しい東京の光景はそうないものです
傑作です
ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞をとるのも当然でしょう
難しかった
どこがいいのかわからない
はなび。ソナチネ
赤と青
追悼大杉漣さん
大杉漣さんが亡くなって、見たいなと思ってたタイミングで地上波。
10代の頃一度見たのだけど、その時はハッキリ言って、この良さが分からなかった。静かで暗いと言うイメージだった。
その時は「その男凶暴につき」から「ソナチネ」「キッズリターン」…とずらっと
見て最後に満を辞して見たのだけど、急に暗っ!と言う感じでガッカリした記憶だけど、それを今見直して理由が分かった。
恐ろしいほどに無駄な説明、カットがない。口で説明しない、絵で見せる。ストーリーを進めながら過去を語ると言う手法について行けなかったと思う。今観ると映画だけど静止画的と言うか、それこそ大杉漣が作中で描く絵のようなカットの連続だと思った。無駄な事をしない潔さもカッコ良く、西と言うキャラクターも粗暴で静かな男だけど、全面に愛が溢れてたように思う。
夫人にだけ見せる仕草や言動も愛らしかった。
ラスト、凧が揚がらないんだよな…浮上しないんだ一向に…
北野武監督の一つの集大成のような映画だと思いました。
死の匂いのする
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