「虚無僧となった辻󠄀潤も出てくる」華の乱 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
虚無僧となった辻󠄀潤も出てくる
伊藤野枝役の石田えりが与謝野晶子役の吉永小百合に通りかかった乞食の親子を指さして、あの人が前の夫であの子供は私が初めて産んだ子なんですって言う。晶子から10銭借りて、5歳ぐらいの男の子に「まこと、覚えてる?母さんよ。これでなんか好きなものでも買って」と渡す。無言で深々とお辞儀をして父親の後を追う子ども。
大正時代を豪華俳優陣で魅せる深作欣二監督作品。原作は永畑道子の小説で同題。「この映画は永畑道子原作の『華の乱』『夢のかけ橋』(新評論刊)に基づいた創作(フィクション)である」と最初にスーパーが出る。与謝野家の人からクレームがついたらしい。
大杉栄役が風間杜夫なのが貫禄不足。帽子とメガネで似てないのを隠している。この頃の人気俳優総動員的な作品。キャスティングもいいとは思えないけど、伊藤野枝役が石田えりなのが私のお気に入り。釣りバカ日誌と同じ1988年の公開作品なのよ😎
あの尺八の虚無僧役が西田敏行並みの体型だったら笑えたのにと思ってしまう。
与謝野晶子を中心にして、有島武郎(松田優作)&波多野秋子(池上季実子)、大杉栄&伊藤野枝、島村抱月&松井須磨子らを絡めて描くオムニバス的作品。
蟹江敬三の島村抱月。松坂慶子の松井須磨子。舞台役者沢田正二郎役の石橋蓮司との劇場楽屋シーン(トルストイの復活)が好き。そのあと上の3組を無理クリ絡めていくシーンもかなりデタラメな大胆創作に違いない。
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