「素晴らしい作品」八甲田山 ConicalSpoon436さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい作品
総論
素晴らしい作品
諸事情あり、いままで観に行くことができなかった。公開後、約50年の時を経て初めて見ることができた。出演メンバーを見れば、大御所がぞくぞく登場している。これだけのメンバーが出演されるのは昭和だったからかな? いまじゃこれだけの人たちを1つの映画に集めることは不可能でしょう。
【余計なコメント(多数)】
①さすがの高倉健さん。エンドロールでの名前の登場は、なみいるメンバーを押さえてダントツトップ。他の人を何馬身も引き離しての登場です。そして、W主役(?)を演じた北大路欣也さんは7番目ぐらいの登場。うぅーー。
②女性陣の皆さん、おきれいでしたが、中でも女性の案内人・滝口さわ(秋吉久美子さん)は東北美人を見事に演じていました。素晴らしい。
自分は長らくIT系の会社(俗に言う、請負型システム開発を行う会社)にいたので、思わず比較してみてしまいました。
③目的達成を第一に考え、他の感情はすべて排除し(明治の男尊女卑の時代であれば、女性の案内人を設け、先導させるなど、まぁー感情的にはありえない事項。なので、途中、案内人を下がらせるかどうかの判断を設ける1シーンがありましたね! ダメ押しには、敬礼で最後の挨拶 素晴らしい)、そして黙々と実現する実行能力及び強い意思。時としては上司にも反論(論理的にですよ、感情的にはダメですよ)する。上司も論理的な反論にはちゃんと受け入れる。まぁーこんな組織・人間(徳島大尉・高倉健さん)は、何やってもだいたい上手くいくんですよ。
④それに引きかえ、組織間で対抗心を燃やし(あっちが小隊なら、こっちは大隊で)。大隊にして何の意味があるのかまったくわからなかった。何もしない要員が増え、結果としてソリ(荷物が増えるだけ)という荷物が増えるだけだろうに。たかが3日間の工程なので食料なども手荷物で済むだろうに、負荷を増やしてどうするの?
⑤また、事前検討・準備していた者(神田大尉(北大路欣也さん))を無視して、勝手に思いつきで判断、命令する上司(大隊長・山田少佐(三國連太郎さん)。それを反論しない、神田大尉。まぁーこんな組織は、よっぽどの簡単な案件じゃないと、だいたい失敗するんですよ。
⑥せめて大隊随行の判断書に署名する際には、津村中佐(小林桂樹さん)は、山田少佐、神田大尉の両名及び1ランク下の部下達を呼んで指揮命令系統を徹底させるように訓示をしないと。。。
⑦で、最後には部下を多数死なせた責任をとって自害。バカじゃ無いかと思いました。自害するぐらいなら、誤った判断を行う上司には反論・反発しないと。
【終わりに】
この映画(というか厳密は原作)には変な思い出があります。自分の会社で、愛社洗脳教育セミナーみたいのがあり、そこの教材にこの映画の原作(八甲田山死の彷徨)が使われ、まぁー当時のとんでも教育がなされました。
この映画を見ると、普通の人(?)は、徳島大尉(高倉健さん)のリーダシップ、目的遂行能力に惹かれ、山田少佐(三國連太郎さん)の判断能力のなさ、傲慢さを拒否し、神田大尉(北大路欣也さん)の悲哀さを悲しむと思うのです。
ところが、当時のセミナーでは、徳島大尉(高倉健さん)は上司にたてつくダメ男、神田大尉(北大路欣也さん)は上司に厳命をよくきく理想の部下という洗脳を押しつけてきました。そんな会社ですから、失敗案件多数、売り上げもどんどん下がり。。。
<主な基準(今後のためのメモ)>
4.5 観て良かったと感じた映画
4.0 おすすめできる映画、何かしら感慨を感じる映画
3.5 映画好きなら旬なうちに見てほしい映画
3.0 おすすめはできるが、人により好みが分かれると思われる映画
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