「「白い地獄」に埋もれる名優たち」八甲田山 sironabeさんの映画レビュー(感想・評価)
「白い地獄」に埋もれる名優たち
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日露戦争への緊張が高まる中、八甲田の縦走訓練が必要と判断される。そこで青森第5連隊と弘前第31連隊は、雪中行軍を実施することになる。それぞれで計画を進め、第5連隊の神田大尉と第31連隊の徳島大尉は八甲田で会おうと誓い。
二度目の鑑賞。再び自然の脅威におののきました。この事件のときに、北海道旭川では日本最低気温を記録。まれにみる悪天候だったと想像しますが、八甲田の冬山を知ってる人によると「いつもあんなもん」とのこと、恐ろしい。村民に対し「守銭奴」、一方は「敬礼」という扱いが、命運を分けたのが象徴的。以前観たときに最後のところで、ひっかかっていたのを思い出しました。徳島大尉は幻を見ていた、危なかった、ということだったのか。
つらい役、嫌な役もある昭和の名優たちが大勢出演。それが吹雪と重厚な衣装で、誰が演技し、しゃべってるのかわからなくなります。腰まである雪をこいで登っていくのは、相当体力を消耗するはず。「白い地獄」に埋もれていく様に、ただただ感動しました。困難で、絶望に足を向けるだけのような音楽も印象に残ります。これほどの大作を作り上げた森谷司郎監督ですが、その後は目立っていない。53歳で亡くなっていたのか。
「ゴールデンカムイ」と衣装も繋がりがあり、漫画では登場人物が八甲田の捜索に参加していた描写もありました。時系列では「八甲田山」「二百三高地」「ゴールデンカムイ」。
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