その後の蜂の巣の子供たち

劇場公開日:

解説

戦後、戦災浮浪児をとりあげて清水宏(1)が製作監督したドキュメンタリー的劇映画「蜂の巣」の続編となるもの。前回と同じく全部ロケーションによる撮影で、また出演者も、蜂の巣の子供たちを始め、現熱海市長の宗秋月、原田先生の「子供の科學」で著名な科学者原田三夫、日守新一の令嬢日守節子、大辻司郎令嬢大辻名名など、全員素人の賛助出演を得ている。(未公開)

1951年製作/95分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1951年

ストーリー

蜂の巣の子供たちも、いまでは伊豆山麓に巣をかまえて自給自足の生活を営んでいる。ある日、婦人雑誌の記者田島エイ子が訪ねて来て、子供たちの座談会を開き、その記事が雑誌に掲載されたことから意外に世間の反響をよんで、子供たちの世話をしたいという青年たちや、蜂の巣に収容を望む浮浪児たちが訪ねて来ることが多くなった。女子大学生の小林真気子と尾崎泰江も夏休みを利用して手伝いにやって来たが、結局彼女たちの親切も、自己満足を購う手段でしかなかったので、蜂の巣の子供たちには有難迷惑に終わってしまった。そうした間にも、子供たちは、原田先生の親切で、植物や動物についての勉強もし、自分たちの力で自分たちの教室を作りたいと希望を持ち、それにとりかかった。熱海市長さんは、それをきいて、アヒルの仔を持って手伝いに来て下すった。自分のお母さんは海にいると信じ、海を見るたびお母さん!と呼んでいた義坊のお母さんが生きていて、義坊に逢いにやって来た。しかしその人は義坊が思っていたようにきれいな人ではなかった。義坊はお母さんの許へ帰らず、今でもお母さんは海にいると信じている。蜂の巣へ来れば遊んでいられると思った正公と次郎の二人の浮浪児がやって来た。二人は案に相違して毎日はたらかなければならぬので子供たちのものを盗んで逃げた。昔仲間だった晋一は責任を感じて二人を大阪まで追って行き、すつかり心を入れかえた二人を蜂の巣へつれてかえった。いまでは教室も出来、池にアヒルが泳ぎ、子供たちは教室のなかで楽しく勉強している。

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