旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷
劇場公開日:1957年12月28日
解説
佐々木味津三の原作による、おなじみ旗本退屈男の一話。「すっ飛び五十三次」の鈴木兵吾と「富士に立つ影」の佐々木康の共同脚本を佐々木康が監督、同じく伊藤武夫が撮影した。主演は、「富士に立つ影」の市川右太衛門、「はやぶさ奉行」の花柳小菊、「朝晴れ鷹」の大川恵子、「赤穂義士(1957)」の尾上鯉之助、丘さとみ。それに勝浦千浪、テレビ・スター山東昭子。色彩はイーストマン東映カラー。
1957年製作/94分/日本
原題または英題:Mansion of Intrigue
劇場公開日:1957年12月28日
ストーリー
三日月傷の御殿様と呼ばれる直参旗本早乙女主水之介は退屈していた。何も事件が起きなかったから。そこへ、女掏摸お柳が大老柳沢美濃守の家臣の刀を奪って逃げこんできた。彼女は旗本立花家のゆかりの者で、大老柳沢が立花家の家宝の、家康から拝領したという旗差物を、立花兄妹が若いのにつけこみ、取り上げたまま返さぬという。その腹いせに刀を奪ったのだと。吉原の夜桜見物の席で、柳沢一行に斬りかかった立花兄妹を、退屈男は助けだし、歌舞伎葛城太夫の一座に預けた。柳沢は、退屈男を長崎奉行に推挙し、江戸から遠ざけようとした。退屈男は、そのことで旗差物に余程の秘密があると睨んだばかりだった。退屈男は夜道を十数名の刺客に襲われた。その首領の刀さばきから、梅村道場に目をつけ、妹菊路を女中に住みこませ、探らせた。立花兄弟は太夫のもとから、柳沢一味に連れ去られ、旗差物の秘密を問い責められた。オランダ商人の将軍家拝閲の折、柳沢はギヤマンの板のカラクリを知り、手下を長崎に向わせた。退屈男はすべてを見抜いた。旗差物の絵模様は赤いギヤマンの板を透せば、家康の残した巨万の財宝の隠し場所の地図となること、柳沢が徳川を恨む大久保家の残党梅村一味と図って天下を取ろうとしていることなど。さらに、柳沢が新築中の安芸の宮嶋の別邸に、綱吉を招き、コブラの猛毒で殺害するつもりでいることも。退屈男はお柳に命じ、長崎へ旅立たせ、赤いギヤマンを先に買わせると共に、みずからも西へ向った。小姓京弥は捕った菊路と立花兄妹の救出を計ったが、失敗した。菊路らはオランダ商船の船底に積みこまれた。柳沢の買いこむ洋式大砲の代償となるはずだ。新築落成の日がきた。葛城太夫一座の歌舞伎を観る綱吉を、例のコブラが狙った。舞子の一人、退屈男は小柄を投げ、蛇を寸前に殺した。いぶかる綱吉に、退屈男は柳沢の買う大砲の絵図面を示した。動かぬ証拠。菊路らは京弥に救われ、柳沢らは捕り、事件は落着した。
スタッフ・キャスト
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早乙女主水之介市川右太衛門
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露島京弥北大路欣也
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菊路山東昭子
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丸目喜内堺駿二
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左官の千太渡辺篤
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大工の亀吉星十郎
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松平左近将監月形龍之介
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お妙丘さとみ
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やらずのお柳花柳小菊
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葛城太夫勝浦千浪
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立花新吉岩井半四郎
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立花浅茅大川恵子
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柳沢美濃守山形勲
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藤川周防守伊東亮英
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岡田土佐守中野雅晴
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阪井丹波守沢田清
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堀能登守青柳竜太郎
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内藤三太夫有馬宏治
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吉川弘之進長島隆一
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薮田重守百々木直
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山坂五郎太山口勇
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上林市郎右衛門上代悠司
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石沢軍太夫国一太郎
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川浪軍蔵小田部通麿
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柄戸仙十郎吉田義夫
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梅林多門加賀邦男
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安藤主膳水野浩
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坂巻甚内清川荘司
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小関半蔵月形哲之介
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尾畑一角浅野光男
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綱吉尾上鯉之助
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京極備中守荒木忍
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亀井若狭守堀正夫
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相良大和守丘郁夫
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薄雪太夫霧島八千代