箱根山

劇場公開日

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解説

朝日新聞連載獅子文六原作から、「旅愁の都」の井手俊郎と「青べか物語」の川島雄三が共同で脚本を執筆、川島雄三が監督した文芸ドラマ。撮影は「香港の星」の西垣六郎。

1962年製作/105分/日本
配給:東宝

ストーリー

天下の嶮といわれる箱根山はまたケンカのケンでもある。勢力を張り合う西郊鉄道と南部急行の長年にわたるイザコザから旅館同士の反目まで……。足刈にある二軒の旅館、玉屋と若松屋は血縁同士なのに先祖代々百五十年間というもの犬猿の仲。玉屋の女主人里は、九十にとどこうという年だがカクシャクたるもので、大番頭小金井と温泉を掘りあてようと若松屋に対する敵意をかきたてている。一方、若松屋の主人幸右衛門はインテリで考古学に凝り、旅館稼業にはあまり熱を入れてないのだが、こと玉屋に間しては対抗意識がもえあがる。ところが、こともあろうに幸右衛門の一人娘明日子の家庭教師に玉屋の若番頭乙夫を頼まねばならぬハメになった。乙夫はあいの子だが、里に育てられ玉屋の跡つぎにと期待されている。若い二人は大人たちのメンツなどどこ吹く風、いつか心を通わせるようになった。夏場をひかえたある日、玉屋から火事が出た。駈けつけた乙夫に救い出されたものの、動転している里をやさしくいたわったのは明日子だった。ショックで寝ついた里の玉屋をめぐって、観光資本会社が続々と復興融資を申し入れてきた。やがては大資本がこの足刈全体を占領する。頭のいい乙夫は敏感に感じとっていた。湖水祭の夜、乙夫と明日子は十年後を誓い合った。二人が夫婦になれば両家の跡つぎ問題も、いがみ合いも一挙に解決するし、玉屋と若松屋を一つにしてモダンなホテルを建設するのだ。それを夢みて、乙夫は以前から才能を見込んでくれた観光事業王北条一角の社員になることを決意した。明日子もその間旅館経営の猛勉強に励むことになった。二人の前途を祝すかのように、熱い温泉が吹き出したのは、乙夫が東京へ発った直後だった。里は再び気力をとりもどし、対抗上若松屋もボーリングをはじめた。二軒の旅館は表面、また同じような対立を続けている。

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