爆破3秒前
劇場公開日:1967年10月21日
解説
大藪春彦の原作『破壊指令N0・1』(カッパノベルズ)を「拳銃は俺のパスポート」の永原秀一が脚色し、「秩父水滸伝 影を斬る剣」の井田探が監督したアクションもの。撮影はコンビの萩原泉。
1967年製作/84分/日本
原題または英題:Three Seconds to Zero Hour
配給:日活
劇場公開日:1967年10月21日
ストーリー
内務局情報室諜報部の破壊工作員矢吹はかつてないほど優秀な腕を持つスパイだったが、ある日のこと、諜報部長杉山からある命令を妥けた。戦争末期にある軍需工場から日本軍が略奪したラバレア国の三百億円もの宝石が盗まれたが、それを処分しろというのである。犯人は当時、大本営にいた高島で、三日後の午前六時にラバレア国の日本に対する返還請求権が時効になると、高島が法的に正当な持主になってしまうのだ。矢吹は直ちに行動を起した。しかし、立原コンツェルンの専務に納っている高島は、かつて矢吹の同僚だった破壊工作員山脇に宝石を守らせており、警戒は厳重だった。矢吹は一計を案じた。この宝石を狙う国際宝石密輪シンジケートに接近して宝石の隠し場所を知らせた。矢吹の狙いは、このシンジケートと高島側を戦わせ、そのドサクサを利用して宝石を爆破しようというのだった。すぐさまシンジケートのボス、グレーンが日本にやって来た。一方、高島は山脇や部下と共に宝石を豊牧の燃料敞跡の地下壕に移し、二十四時間後に迫った時効のときを今や遅しと待った。やがてグレーン一味が豊牧に現われ、高島たちと激しい拳銃戦を展開した。矢吹はその隙に宝石の詰ったドラム缶に時限爆弾を仕掛けた。戦いはグレーン一味の一方的な勝利に終り、高島たちは山脇を残して全滅した。だが、いまや不要となった矢吹はグレーンに捕えられ、一室に閉じ込められてしまった。隣室には六時に爆発するはずの宝石の詰ったドラム缶があった。その矢吹を助けたのはかつての仲間山脇だった。やがて六時、急いで地下壕を逃げ出した二人の背後で、大音響と共に地下壕がグレーン一味もろとも、吹っ飛んだ。すべてが終った後、山脇は普通の生活を求めて去っていったが、矢吹には危険な破壊工作員としての次の命令が待っていた。