「【アイドルに魅せられた幻達】」PERFECT BLUE パーフェクトブルー 芥さんの映画レビュー(感想・評価)
【アイドルに魅せられた幻達】
怒涛の展開の数々、鑑賞者も惑わされる悪夢のような繰り返しの展開に、81分間とは思えない程の内容量に感服させられました。
「人気絶頂で女優に転身した元アイドルの未麻」と「ファンの前でキラキラと輝くアイドルの未麻」。
どちらが本物でどちらが偽物か。
この両極端な二面性に、登場人物も鑑賞者も惑わされてしまっています。
アイドルの未麻が魅せる幻影。それに取り憑かれた登場人物達が躍動する物語は、思わず声を出してしまそうになる程に圧巻でした。
映画『JOKER』のように、主人公が見ているのは現実なのか幻覚なのか、目が狂わされる作品はとても素晴らしいですね。
最後、大女優に成ったであろう未麻がバックミラーに向かって「私は本物」というシーンは、最後まで未麻自身もアイドルの頃の未麻に取り憑かれているような感覚を憶え、最後の最後まで混乱させられてしまいました。
ここまで鑑賞者が頭の中で考察を張り巡らせる作品は中々出会えないと思います。
私が産まれる前の作品ですが、とても感動致しました。
コメントする