「観た後、なぜか印象に残る映画」PERFECT BLUE パーフェクトブルー tさんの映画レビュー(感想・評価)
観た後、なぜか印象に残る映画
久しぶりに観た。今敏すごいと再確認。
今敏監督作品は全て観ていますが、これが一番好き。
オープニング10分ぐらいが超カッコいい。
曲の挿れ方、画面の切り方、構成、主人公の背景の説明、今敏のセンスがすごい。
それぞれの素材は普通。普通の物を組み合わせているだけなのに。
他の人には出来ないわ。全然型にハマっていないのに超カッコいい。
そしてこのクォリティのアニメーションがずーっと続くから、尚すごい。
今敏って毎回同じような映画作ってるだけなんだけどね。
その原点が本作品。
今敏の映画の共通するテーマは「自分探し。自分が一体何者なのか?」、「現実と虚像」、「永劫回帰」。こういったテーマは「マトリックス」、「インセプション」、「ブレードランナー」といったSF映画によく見られる。こういった哲学的なテーマを、才能のある監督が料理すると、あっという間に名作が出来上がる。
こういう作品の醍醐味(っていうか怖い所)は、何が本当で何が嘘か?という事が分からなくなる所にあるが、本作品はそのテーマ性が最も良く表現されたものとなっていると思う。
現代の日本の音楽と言えばアイドルソングだ。昔「マジカル・ガール」という洋画で何故か昭和の日本のアイドルソングが使われていた。狂ったサスペンス映画なのに。でも超かかっこいいんだよね。
スコセッシ映画の暴力シーンには愉快なポップス、時計仕掛けのオレンジの暴力シーンには雨に唄えば。ドラゴン・タトゥーの女でも処刑シーンにEnya。夏エヴァで2号機が量産機をぶっ殺すシーンが何故カッコ良いか?というと、あのクラシック調の音楽だ。この路線で行こう。暴力シーンで日本のアイドルソング使おう。絶対かっこいい。海外にも売れるぞ。