野火(1959)

劇場公開日:

解説・あらすじ

小説家・大岡昇平が自身のフィリピンでの戦争体験をもとに執筆した傑作戦争文学を、巨匠・市川崑監督と脚本家・和田夏十のコンビが映画化。第2次世界大戦下のフィリピン・レイテ島を舞台に、肺病におかされた中年兵士が飢餓と孤独に苦しんだ末に目の当たりにする、陰惨な戦場を描き出す。

第2次世界大戦末期のレイテ島。日本の敗戦が濃厚となるなか、肺病を患った一等兵・田村は部隊から追い出され、病院でも食糧不足を理由に入院を断られてしまう。病院の前で、田村は同じく厄介者として見放された若い兵士・永松や、足を負傷し歩けなくなった中年兵・安田と出会う。飢えに駆り立てられるように熱帯のジャングルをさまよう田村は、道中で出会った別の部隊と行動を共にするが、米軍の一斉砲撃により他の兵士が全滅してしまい……。

船越英二が主演を務め、極限状態に追い込まれた兵士役を熱演。1961年・第14回ロカルノ国際映画祭でグランプリに輝いたほか、国内外で数々の映画賞を受賞した。2025年、終戦80年企画として4K版でリバイバル公開。

1959年製作/105分/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2025年8月1日

その他の公開日:1959年11月3日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2

(C)KADOKAWA 1959

映画レビュー

56年を隔てたこだま

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 日本映画大学の学生さんが実習の一環として企画する自主上映会が始まりました。普段はスクリーンで観る機会が少ない作品に触れ、若い映画関係者を応援すべく、勇んで参加しました。

 20215年に塚本晋也監督が、大岡昇平さん原作の本作を映画化した時、「55年前の市川崑監督作も観たいなぁ」と思った願いが漸く叶いました。太平洋戦争末期、フィリピンのジャングルで飢餓と闘いながら彷徨う兵士の生死の境を描いた物語です。

 今、改めて観ると、まだ映画が娯楽の王様だった65年前には戦争映画にお金も掛けられたんだなとしみじみ感じます。でも、塚本作はその分、永松とサルの肉に焦点を絞る事によって、飢餓と妄執により踏み込んだ作品になりました。どちらがいい悪いではなく、映画は確かに時代を映す鏡です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
La Strada

5.0生の渇望と絶対的孤独

2023年8月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
しゅうへい

4.0飢え・・・

2021年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 塚本版を先に見てしまったために、どうしても比較してしまう。塚本版よりもセリフが多くて、手榴弾の件などわかりやすい。逆に考えると、塚本版の方が映像だけで見せるところが多かったってことか。エピソードも細かなところでそれぞれ違う。

 残念なのは永松(ミッキー・カーティス)の演技だろうか。フィリピン現地人が田村に撃たれるところも失敗の演技。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
kossy

3.5本当の戦争映画

2020年8月15日
iPhoneアプリから投稿

レイテやインパールを代表に戦地の兵士は地獄だったであろう。真の日本兵の姿を観た気がします。素晴らしい作品と思います。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
kenyan