日本のいちばん長い日(1967)のレビュー・感想・評価
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●タイトルが言い得て妙。
そうだよね。そんな簡単に受諾できんわな。軍人たちは特に。
恥ずかしながら、こんな歴史があったとは知らなかった。ポツダム宣言を一度、断ってたりとか、宮城事件とか。連合軍も通達してから、原爆投下、大連合艦隊の本土上陸と二の矢、三の矢を用意してたとは。
この後に及んで、議会は踊る、されど決まらず。天皇が決断されなかったら、この国はどうなっていたんだろうか。たしかに、行くも地獄。帰るも地獄であったことは理解はできるが。
だが現代社会も、そんなに変わってない。誰も決めない。誰も責任取らない。そんな日本を先人たちは何を思うか。彼らに恥ぬ生き方をしたいものだ。
作品的には、前段で史実展開。いよいよ長い1日が始まる。ポツダム宣言受諾をめぐって鬼気迫る攻防。切った切られたが生々しい。
当時の軍人の気持ちも含めて歴史を興味深く学べる
紅一点は新珠三千代
愚かな日本帝国
前半の学びを耐え抜けば、後半楽しめる
この日を経て今があるのか と。
昨日観賞した『地獄の黙示録』に続いて『日本のいちばん長い日』観賞。
玉音放送の原盤が公開された今年こそ見るにふさわしい作品だった。
昨日観たNHKアニメ『団地ともお』で終戦記念日って悲しいかおをすればいいのか終わって嬉しいかおをした方がいいのか?と問題提起していたが、中々に考えさせられた。
戦争自体の愚かさ、戦争にまつわる色々な立場とそこに起因する発言や行動。軌道修正を受け入れられない困惑からの暴挙、クーデター。
天皇擁立からの戦争延長を画策した宮城事件や並行して起こった官邸焼き討ち、厚木航空隊事件等、2時間しっかり魅せられた。
勿論映像としての演出はあるが事実に基づくドキュメントと知り、もっと早く見るべき作品と感じた。学校で見せるべき作品。
様々な視点
戦争映画(否、終戦映画と言うべきか)は多数存在するが、本作も観るべき一本として挙げられるだろう。
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1945年8月14日から15日にかけての一日…ポツダム宣言受諾決定から玉音放送に至るまでの出来事を、同名のノンフィクションを元に活写。政府、軍部、マスコミなど、当時の関係者がほぼ実名で描かれている。
主要登場人物60名以上。階級、立場など万別な各人の行動を、岡本喜八の演出は淡々と追っていく。
鈴木貫太郎ら閣僚たちによる緊迫した会議。
陸軍省でのクーデター計画。
玉音放送を時間までに間に合わせんと奔走するNHK職員…。
この立場の異なる様々な人物、多様な視点の存在が、この映画をより深いものにしている。
歴史は多面体なのだと、あらためて唸ることとなる。
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様々な視点から描いた本作にも演出上の誇張や省略はあると思う。
本作に限らずどんな歴史映画にも、例えドキュメンタリーであったとしても、誇張や省略は(積極的な意図があったにせよ無かったにせよ)存在する。故に一本の映画を観ただけで歴史を判ったような気になってはいけないと思う。
それでも歴史と向き合う手がかりとして本作の意義は十二分にあるであろう。
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