日本誕生

劇場公開日:

解説

日本武尊の波乱の生涯を中心に日本の国造りをえがくスペクタキュラー。「暗夜行路」の八住利雄と「狐と狸」の菊島隆三が書いたオリジナル・シナリオにより「或る剣豪の生涯」の稲垣浩が監督、山田一夫が撮影した。

1959年製作/181分/日本
原題または英題:The Three Treasures
配給:東宝
劇場公開日:1959年10月25日

あらすじ

今から千五、六百年前、景行天皇の時代。重臣大伴建日連は、一族出身の天皇の後添いの子若帯を皇位につけようと、前后の子小椎命を熊曽征伐に名をかり大和追放を図った。武勇に秀で信望の厚い小椎命は大伴氏にとっては目の上のコブ、しかし西の国の豪勇熊曽に向えば必ず討死するだろうというわけだ。が、命は忽ち熊曽兄弟を討ち果した。命の強さに驚いた熊曽の弟建は、この国で一番強いあなたは日本武尊と名のるようにと息絶えた。日本武尊は都へ凱旋した。計画に失敗した建日連は、天皇をそそのかし今度は尊を東国征伐に向わせた。人を疑うことを知らぬ尊も、弟たちをやらず自分だけ戦いにゆかせる父天皇を怨んだ。語り部の媼が語る、天の岩戸の、平和なおおらかな話を聞くにつけても自分の運命が悲しかった。しかし伊勢神宮で宮司をつとめる叔母倭姫から、昔、須佐之男命が八岐の大蛇を退治して、その尾から出て来た名剣・叢雲剣を天皇からの贈物として与えられ勇気百倍した。が、これも実は天皇がくれたものでなく、倭姫の計らいであることを巫女の弟橘姫は知っていた。弟橘姫は尊に恋される身、自分も尊を慕っていたが、恋してはならないのが巫女のさだめだった。東征の途についた尊は無敵の強さ。尾張の国に来たとき、国造の娘美夜受姫に招かれた。姫は病気の父に代り国を害する尊に一太刀でも恨みを晴らそうとしたのだが、尊の心の美しさに憎しみも消え、尊の身辺を世話に後を追ってきた弟橘姫に嫉妬の眼を向けるようになった。弟橘姫を連れた尊の軍勢は相模国に着いた。ここの国造大伴久呂比古は建日連の使いをうけ尊を討とうと待っていた。尊を焼津の野に連れ出し四方から火を放った。しかし尊は叢雲の剣で草をなぎ払い難を避けた。走水まできた尊は、大伴一族に謀られたこと、父天皇まで自分を亡きものにしようとしていることをはっきりと覚って東征の無意味さを知り大和へ引返すことにした。ところが、このとき一天にわかにかきくもり尊の船団は波に呑まれそうになった。恋してはならぬ巫女の身を神が怒ったのか、弟橘姫は心に念じると荒海へ身を躍らせた。激浪は忽ちおさまった。大和の国にさしかかった尊は建日連らの大軍に迎えられた。多勢に無勢、尊は落命した。尊の化身である一羽の白鳥が、山の上をめぐると見るや山は火煙をあげ熔岩が大伴の軍勢を押し流した。白鳥は倭姫の館を旋回すると大昔この国を造った伊邪那岐・伊邪那美命のいた高天原に向い飛び去った。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
特技監督
円谷英二
脚本
八住利雄
菊島隆三
製作
藤本真澄
田中友幸
撮影
山田一夫
美術
伊藤熹朔
植田寛
音楽
伊福部昭
録音
西川善男
照明
小島正七
編集
平一二
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映画レビュー

4.0特撮オタクは必見の作品だと思います 特撮オタクとして、気にはしていても今まで観ていなかったことを心から恥ました

2025年5月9日
Androidアプリから投稿

日本誕生
1959年東宝カラー作品
東宝創立25周年、1000本記念作品

なので気合いが違います 東宝の総力を文字通り結集しています
三船史郎始めオールスターキャスト、特撮パート監督はもちろん円谷英二、本編監督は稲垣浩です、音楽は伊福部昭
題材は日本神話からヤマトタケルの物語
これは、1956年米国公開、日本公開1958年の「十戒」が世界的大ヒットしたのを受けてでしょう
記念作品に相応しいスケールの大きさと格調高さがあるとみたのでしょう
大映も1958年に「日蓮と蒙古襲来」という歴史もの超大作を繰り出していました

制作費 は2 億5千万円
1954年のゴジラは1億円でしたから巨費を投じたといえます

特撮ファンとしての見所は
まずは、まさしく八つの頭を持つヤマタノオロチの出現シーンです
怪獣そのものですが、かなりの特撮ファンでもあまり知られていません
そして、1964年初登場のキングギドラとは、どう形態が違うのかも確かめておきたいところ

スペクタクル要素も円谷英二渾身の映像が繰り広げられます
古代の東京湾を進む数艘の古代のガレー船と俄かに巻き起こる竜巻と暴風雨と波浪著しい海面表現、その水量の多さに驚きます
終盤の火山噴火に伴う大規模な山容崩壊、大量の溶岩流が斜面を走り下り、逃げ惑う敵側の軍勢を飲み込む様、大きく裂ける地割れに大量の土砂と樹木が流れ落ちシーン、そこに飲み込まれれる軍勢との合成の迫力
山上の旧火口湖から大量の湖水が流れだし谷筋を濁流となって駆け下る様

どれもこれも目を見開く映像です
円谷英二渾身の特撮です
円谷英二の生涯、いや東宝特撮の全歴史を通じても屈指の出来映えだと思います
円谷英二の最高の仕事だったのではないでしょうか?正直これほどの特撮映像だとは思いませんでした
特撮オタクは必見の作品だと思います
特撮オタクとして、気にはしていても今まで観ていなかったことを心から恥ました

見所はまだあります

そしてそれらを高空から悠然と見下ろして翼を羽ばたかせるアニメーションの白鷺の合成
それは火の鳥のワンシーンを想わせるものです
手塚治虫の火の鳥黎明編の原作マンガの連載は本作の8年後の1967年からのこと、もしかしたら手塚治虫の火の鳥に本作は影響を与えたかも知れません
本作の20年後に巨匠市川崑監督が火の鳥黎明編の実写映画を撮りますが、はっきり言って本作の映像の方が数段上回ります

特撮ファン以外の方なら、天照大神を演じる原節子の太陽のような笑顔は目に焼き付くものでしょう
真面目にヤマトタケルを演じる三船史郎は役にはまっていて、常人とは違う存在に見えなくも無いです

蛇足
終盤の火山は、恐らく、奈良県の東部の三重県との県境近くの曽爾(そに)高原辺りの設定と思います
室生(むろう)火山群のひとつです因みに大和三山も実は休火山です
ミニ阿蘇山のような地形で、本作にみるより広大なすすきの野原があり、太古には火口であったのでであろうと思しき池もあり、泉質の素晴らしい温泉まであります

1500万年前には活火山だったそうですから、いくら神代の時代でもそもそも人間がまだいません
適当に火山を出しただけのことで、調べた上での設定ではないでしょう
ヤマトまで1日の距離のところにたまたま曽爾高原があったというだけかと思います

コメントする 1件)
共感した! 4件)
あき240

4.5タケルさん

2025年5月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

以前伊吹山に登った時に日本武尊像が山頂にあり? となったのです
そこで私は自分が日本の神々について何も知らないことに気がついたのです やば〜い

ただ、本を読んでも難し過ぎてよく分からない
図書館で漫画を読もうと探したらあるにはあったのですが意外と人が多くて恥ずかしいので断念
そんな事を繰り返して何年経ったか
そしてついにここで見つけたのです
映画って手があったのか〜

それがだ!

面白い!

いゃ、面白すぎる!

あの頃のスター達をふんだんに使ってこんなに面白い作品を作ってしまっていいのか!

もしもあなたに時間の余裕があるのならば黒澤監督の
『七人の侍』や『生きる』とか小津監督の『秋刀魚の味』などを見てからこの映画を見ていただくととーーーーってもお得ですよー

そして

神々の話を見よう

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共感した! 1件)
カルヴェロ

2.5初期稿が7500文字超えだったので、これでも推敲してみました。そこまでやるほど面白くはなかった作品でした。

2025年4月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
野球十兵衛、

3.0アクションが今ではありえないほど 粗い演出 当時はチャンバラごっこ...

2025年4月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

アクションが今ではありえないほど
粗い演出
当時はチャンバラごっこ程度で
問題なかったのかな?

コメントする (0件)
共感した! 1件)
いのしし