アメリカン・ビューティーのレビュー・感想・評価
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異常性に惹きつけられる作品
心の中にある異常性は、たぶん誰でももっているものだと思うけど、それを表に出すか出さないかは個人の資質の問題。
アメリカのよくある風景で、個人的に好きな風景。憧れの対象ですね。
その中に個人がもつ異常性が少しずつ表に出てくる感じと、10年前の作品が10年後を映し出しているように観える。
ミーナ・スヴァーリがよかったなぁ。
生きていることが幸せとは限らない
郊外の新興住宅地に暮らす夫婦と娘の三人家族。
夫婦仲は冷め、娘は親と意思の疎通がない。
おかしな青年とゲイ嫌いの父親がいる隣家も同様の家庭だ。
だが夫がリストラに合い、娘の友人に性的妄想を抱き、妻は浮気、娘は隣家の青年と駆け落ちを決意し……。
コミカルで辛辣な家庭崩壊ドラマ。
アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、撮影賞の5部門を獲得。
(映画.comより引用)
なかなかエグい映画だった。
「人間の汚い部分を容赦なく」系。笑
さすがにアカデミー賞獲りまくってんな!
中でも、主演男優賞(ケビン・スペイシー扮するレスター・ブレナン)は間違いない。
あの人、怒鳴るときしゃべり方がやたらリズミカルになってラッパーみたいですごい面白いの。笑
ベッドで妻と言い合うシーンがあるんだけど、今まで何も言い返せなかった妻に言いたいこと全部ぶちまけて、勢いそのままに背を向けてこっそり「してやったり」って顔になるのほんと爆笑だった!
っていうか世の中の「夫」って、こんなに迫害されてるもんかね。
妻の発言も娘の態度もいちいち酷すぎて、共働きだからとか夫婦で腹割って話せるとかっていうレベルじゃなかった。戦慄。
「家族」というものに対して壮大な理想を抱いているんだよね私は。ガラガラガラ・・・(崩壊音
一般的に、妻へのDVやモラハラは話題になるけど、夫へのDVやモラハラはなかなか表に出ないってなんかで読んだな。
男の方が物理的な力が強いから、妻を痛めつける=弱いものいじめ、ってなるからかな。
男=強い存在、っていうプライドがあるから女性以上に周りに相談できなかったりして、でも実は多くの夫が苦しんでいる現状があって、だからこそ映画とかドラマとかで「虐げられる夫」がよく描かれるのかな。
そう考えると、歴史的に「強い存在」とされてきた男性って可哀想な面もあるな。
強くない男もいれば強い女もいるからな。
そもそも性別なんか関係なく相手を傷付ける言動は慎みましょうって話だな。
私は元々気性が荒いうえ産後さらに荒れてしまいその結果気づかぬうちに他人を不愉快にさせてるからきっとこの妻と同じような瞬間も多々あるんだろうな。
はぁ・・・ホルモンバランスとか言い訳にしてる場合じゃない・・・
エンディングは、冒頭のナレーションで言っている通り頭をブチ抜かれて死ぬんだけど、犯人は誰でしょう?っていうドキドキが残っています!
みんな色んなものを抱えて生きていて、いつもはひた隠しにしてるけどちょっと弱くなったときにそれが露呈してしまって、そんな自分を受け入れられる人と受け入れられない人がいる。
受け入れられないあまりに証拠隠滅に走る人もいる。
自分がどっち側の人間かは実際にそうなってみないとわかんないのかもね。
一番不気味なのは、これを観終わったときに、タイトルにも書いたけど「生きていることが幸せとは限らない」って思ったこと。
確かにレスターは死んだけど、「自分は幸せだ」と心から感じてそう呟きながら痛みを感じることもなく死んだ。
後に残された人たちは、命はあるけど今まで通り苦しみとか行き場のない負の感情を抱えながら生きていかないといけない。
どっちが幸せかって正直わかんないな。
今は生きるための明確な目的があるから平気だけど、「死にたい」って毎日のように言ってた頃とかに観なくてよかった。危険。
だって公開年2000年ってことは私まだ13歳だったんだよね。
中学生のときに観てたらやばいな。病んでたし。
あの頃、同級生たちはこういうの観てたんだろうか・・・ノー天気な中学だったから観てないだろうな。笑
ちなみにこの映画は、独身時代に年間100本映画を観ていたという幼児教室で知り合ったママさんに教えてもらったんだけど(ちょっと前に観た「スパイ・ゲーム」もそう)、これをお勧めしてくるあたり彼女とは本当にいい関係を築けていると感じます。笑
彼女は今頃私が推した「シンドラーのリスト」を観ている。
狂気じみている
嫌いじゃない!
良い
いまいち
映画らしい映画なのです
一口には言い切れない
いい映画にいい脚本あり
脚本が素晴らしく良い。
多くの映画で台詞は、映像を引き立てるため、物語を前に進めるための脇役でしかない。
しかし、「アメリカン・ビューティー」は違った。
その台詞ひとつひとつがまるで主役のように振る舞う。
無駄が無く、洗礼され、情感に溢れている。
マンネリ化した核家族…、妻と夫はすれ違う、親と子はすれ違う。
そんな家庭が隣人同士となればこれはもはや偶然ではなく、現代アメリカの中流家庭の"現実"である。
ありふれた人生に飽き飽きし自由を望む中年男、理想の家庭という外観や見栄にこだわる女、自分に関心をもってほしい典型的なティーン、"自分"を持っている青年、家族を支配したがる父親、夫の支配によって脱け殻のようになった妻。 多くの生き方、価値観の交錯によって現代アメリカの暗部が浮き彫りにされる。
その映し出し方は"えぐりだされる"と言うほうが適切なほど生々しく、巧みである。
また、そのアメリカ中流家庭の縮図に生きる誰もが不満を持ち、今を変えたがっている。
しかし、勇気を持って一歩を踏み出しても、全て上手くは行かないと作品は語る。
そして、彼らがいつも白い目で見てきたゲイのカップルたちこそが一番"自分"を解放して自由に生きる人々であり、幸せに生きる人々であるとも語る。
皮肉にもそれが"アメリカ"だ。
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